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中学・高校入試で出題された本を読む!小中学生におすすめ朝読書本探し

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『水を縫う』寺地はるな 2021年千葉・東京の有名私立中学入試で出題された話題本

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f:id:pooh70inu:20190224171712j:plain 2021年3月11日更新

2021年海城中学校の入試問題(国語)を解いてみました

 

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 茶箱

子ども目線でも、親目線でも読める本

血がつながっている家族だってお互い知らないこと、たくさんあるんだよね

 

『水を縫う』寺地はるな

 

水を縫う (集英社文芸単行本)

 

【著者】寺地はるな

【出版社】集英社

 

寺地はるなさんの『水を縫う』は、2021年千葉県の中学入試が終わったときから、一気に大注目された作品です。

一時は本屋さんやアマゾンで品切れになったといいます!

 

 

2021年、千葉県の市川中学、東邦大東邦中学、神奈川県の聖光学院(帰国入試)の中学入試で出題されたそうです。

そして、東京の海城中学、三輪田学園中学校の入試問題でも出題されました。

 

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 茶箱

子どもの気持ちも書かれているけれど、親が子を思う気持ちも丁寧に書かれた小説なんだよ

 

あらすじ・読みどころ

 

松岡清澄くんは、祖母(母方)、母、姉と暮らしている高校1年生

母と離婚してしまった父とは、なにかあれば会って話すくらいの仲である

 

彼は刺繡が好きなのだが、それに対する母や友達の態度に対して、どこか不可解なモノを感じているし、彼の家族もそれぞれ、自分の生き方や考えに自信をもてない”もやっ”とした気持ちをかかえている

章ごとに主人公が変わるので、それぞれの気持ちがわかる悩める家族の物語

 

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 茶箱

家族みんながそれぞれ悩んでいる

まあ、どの家族も同じよ

どこにでもいる、ごくごく普通の家族の物語の気がするわ

それだけに、この家族のそれぞれの気持ちがわかって心に響くわ

 

読みどころ

 

● 血のつながった家族だって知らない面やわからないことがある

 

● 趣味、好きなこと、やりたいことは男女といった性別や、年齢も関係なし

 

● 親が子を思う気持ち

 

 

2021年海城中学の入試問題を大人の私が解いてみました

 

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 茶箱

出題された部分は、第1章「みなも」より 清澄くんの高校での出来事よ

 

友達をつくろうと思っている清澄くんの、クラスの友達と会話が上手できないシーンから、自分らしい生き方を貫いているくるみちゃんとの会話、クラスの男子に「刺繡が好き」ということを伝えるシーンまで

 

新しい仲間に、受け入れてもらいにくい趣味を伝えた勇気は立派よ!とほめてあげたくなったわ

 

読みやすい物語ですが、問題数と選択肢の量がたっぷり。

選択問題が9問続いた後に、最後に記述問題が登場します。

「うげ~」と思ってしまう問題量でした。

 

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 茶箱

集中力を保ちながら、ひとつひとつ、変わりゆく清澄君の気持ちを読み解くことが必要だったわ 

 

本の世界に入って想像力を鍛える

 

本の世界に入りこんで、自分が本の登場人物になったらどうするかを考えてみました。

 

家族とは仲いい?

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 茶箱

仲が良くても、本当の家族の姿を知っているかどうかはわからないわ

 

家族のことって、知っていると思っているだけで、案外何も知らない、わかっていないかもしれないのよ

自分の知っている家族は、自分のいいように作りあげた偶像かもしれないわ

 

自分の思ったような親でない、子でないと悩むなんて、ちゃんちゃらおかしいことなのよね

  

清澄くんの意識の変化は?

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 茶箱

男らしくないこととはわかっているし、周囲に理解してもらえないとも思っている(母親すらわかってくれない)

でもそんなことを気にしない友達ができ、理解を示してくれる父や父の友達、姉の婚約者などが登場することで、自分の好きなことをやり続けることに自信をもてるようになっていくわ

➡わかってくれるのが男性たちっていうのが心強いわよね

 

「無理して周囲に合わせることはない」と思えるようになる清澄くんが頼もしく思えたわ

 

逆に、家族について清澄君は、「実は何もわかっていないんでは」と思うようになっていくのよ

自分のことは自分で決められるけれど、家族と言えども人のことはわからないことだらけなのよね

そこが人間同士生きていくおもしろさじゃないかな

 

『水を縫う』寺地はるな  役立つちょこっとメモ

 

●主人公:高校1年生男子 清澄くんとその家族

●舞台:主に清澄くんの家

●本の長さ:240ページ(単行本)

●初版:2020年5月

●作者の寺地さんは1977年生まれ。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビューした。

 

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 茶箱

中年世代の私は、どちらかというと親目線でこの本を読んで号泣したわ

おばあちゃんの言う「失敗する権利」があるという言葉にもジーんときたし、お父さんが子どもにつけた名前の由来にも感動

 

物語で読んだり、人の家の話しを聞いたりすればわかることも、自分の家族のこととなるとなかなか気づくのが難しいのよね

家族って不思議ね

 

親子で読みつないでいきたいステキな物語だったわ

 

*読みどころや想像の世界は、あくまでも私個人の意見です。

 

紹介した本はこちら

 

続けて学ぶための本は?

 

「失敗する権利がある」言葉に感動したら読みたい本

 

▼▼世界中の有名人たちの失敗も失敗している『失敗図鑑』

 

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