はらだみずきさんのの本『太陽と月』を読みました。「どんな本なのか」「子どもに読んでほしい本か」教えちゃいます。
また『太陽と月』と合わせて読みたいおすすめ本、中学受験で出題された本から、同じ作家の本、同じテーマの本も紹介しています。
茶箱
「何をやってもパッとしない」「他人の期待に応えられない」「言いたいことをハッキリ言えない」といった自分に自信がない子どもにおすすめしたい本よ
『太陽と月』
【著者】はらだみずき (著)
【出版社】小学館
【出版年月】2022年7月
アマゾンに試し読みあり
『太陽と月』のおすすめ度
2 読んでみて
サッカーが好き、スポーツが好きな人なら読んでほしい本です。
スポーツはテクニックや体力、体形だけでなく、メンタル(心)も大きく関わるのが難しいですよね。
さらにチームプレーとなれば、人間関係も必要だし、監督といった大人との関係も大事になります。
チームの中での自分の存在や、これからも競技を続けていくのか悩む、試合でも練習でも気持ちで負けてしまいがち。
そんな子どもたちは共感できるシーンがたくさんあると思います。
また祖父と主人公(孫)の関係もこの本のポイントです。
サッカー経験のある祖父が主人公に、サッカーだけでなく人生のアドバイスをくれるのです。
さらにさらに、ライバルたちとの関りも出てきます。
ライバルを知ることで、自分の弱点や強みを見つけられるようになっていく主人公の成長が楽しめます。
残念なのは、サッカーの緊迫した試合シーンはないことです。
強化選手のテストを受けるのが物語のメインなので、サッカー小説と思って読むと、「あれ?」と思ってしまいます。
『太陽と月』を実際に読んでみた主観的な判断ですので、参考にしてください。
*おすすめ度は三段階になっています
①おすすめ、ぜひ読んでみて
②読んでみて
③時間があれば読んでみて
本のテーマ・主題
●祖父と孫
●ライバル
●自分に自信をもつ
主な登場人物
茶箱
あなたに似た子はいるかな?
◆月人くん
主人公
小学校6年生、サッカーのクラブチームに入っている
身長173センチで背が高いことが強みだけど、そんな体をもてあましている。
プロのサッカー選手が夢といっていいのかどうかすら、悩んでいる。
◆太陽くん
小学6年生
母と兄と暮らしている
背は小さいが、サッカーの実力には自信がある
◆晴男おじいちゃん
母親の父、月人の祖父
忙しい母に代わり、サッカーの練習の送り迎えなどをしてくれる
サッカー経験がある
◆歩夢くん
小学6年生
はるかにレベルの高いサッカーの実力を持つ
本の内容
長編小説
プロ選手を目指す少年たちの最前線を描く!
小学六年生を対象としたJ2のジュニアユースのセレクションに臨んだ月人は、本来のポジションは、フォワードだった。しかし背が高いという理由でディフェンスをまかされることに。その試合で、相手の選手にあっさりとかわされ、ゴールを決められてしまう。それが、太陽との出会いだった。
小柄な点取り屋・小桧山太陽と大型フォワードの大原月人。個性の異なる二人が、プロサッカー選手を目指し、競争の激しいセレクションに挑戦する。 夢は必然。偶然にかなうことなんてない。
累計60万部を突破した「サッカーボーイズ」シリーズの著者だから描けた、サッカー小説の最前線!
読みやすさ
読みやすい
すべての漢字にはルビ・ふりがながついている
読める年代は?
小学校中学年くらいから読める
この本から気づけること
●自分に自信をもつ大切さ
●自分のつよみを見つけてそれを生かす大切さ
●ライバルの良さを認めることが自分を知るきっけになる
●愛情を注いでくれる家族のありがたさ
心に響いた言葉・フレーズ
ピッチの上で、自分が何者であろうとするのか、それを表現する勇気と手段を持つ者だけが、真のプレーヤー、選ばれし者になり得るのだ。
(p.180)
月人が気づいたことです。
茶箱
サッカーのピッチだけでなく、人生というピッチに立つ、だれにも必要な言葉ですよね。
あわせて読みたいおすすめ本:同じ作家編
『太陽と月』の作者はらだみずきさんの代表作は『サッカーボーイズ』シリーズです。
一作目の『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』は中学受験でも多数の中学で出題されています。
『サッカーボーイズ 』シリーズは、小学中学年・高学年生が楽しんで読めるシリーズなので、ぜひ読んでみてくださいね。
また、近年はらだみずきさんの著書の中で、中学入試に出題された本は『海が見える家』(2020年度 トキワ松中学校、昭和学院秀英中学校)、『帰宅部ボーイズ』(2021年度 関西の六甲学院中学)があります。
あわせて読みたいおすすめ本:同じテーマ編
「サッカー」「ライバル」の本なら、佐藤いつ子さんの『キャプテンマークと銭湯』をおすすめします。
クラブサッカーチームのキャプテンを別の人に奪われてしまう中学男子の物語、2020年多数の中学校の入試問題で出題された小説です。
「ライバル」について書かれた本、女子同士の静かなるライバル心メラメラの物語安壇美緒さんの『金木犀とメテオラ』もおすすめします。
文庫本にもなり読みやすいですよ。
「おじいちゃんと孫」の関係が書かれた本なら伊吹有喜さんの『雲を紡ぐ』をおすすめします。
児童書ではなく、長めの長編物語なのですが、本を読むのに慣れている子どもなら読めると思います。
第163回直木賞の候補作に選ばれ、2021年都立高校入試や、私立横浜雙葉中学校、私立本郷中学校の入試で出題されました。
まとめ
『太陽と月』は、生きていく中で大切なこと、自分の強みを知り、それを生かすのにはどうしたらいいかと考えるのにおすすめの一冊でした。
茶箱
気になったら、読んでみてね