越智月子さんの本『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』を読みました。「どんな本なのか」「子どもに読んでほしい本か」教えちゃいます。
また『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』と合わせて読みたいおすすめ本、中学受験で出題された本から、同じテーマの本も紹介しています。
茶箱
大人になっても悩みは、人それぞれだな~と知るのにおすすめ本よ
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』
【著者】越智月子
【出版社】幻冬舎
【出版年月】2022年12月
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』のおすすめ度
2 読んでみて
違いや悩みを乗り越えてぶつかり合いながら、心を打ち解けていく大人の女性5人の共同生活物語です。
世の中にはいろんな人がいます。
人の数だけ、悩みやコンプレックスがあると思っていいほど、それぞれの人がそれぞれの心のうちにいろんな思いを抱えているんですよね。
そんな人たちが、お互いを理解しながら共同生活をしていくのです。
学校生活も同じ。
いろんな思いを抱えた子どもたちが同じクラスで一緒に勉強し、生活をするのは大変なことがたくさんあります。
大人の女性の物語だけど、シェアハウスって学校生活にも通じものもあり、子ども(中学生や高校生向け)でも読みやすい物語だと思います。
あ、あとこの本の魅力は、おいしいコーヒーとカレーが心を和ませるきっかけになること。
読んでいるとカレー食べたくなります。
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』を実際に読んでみた主観的な判断ですので、参考にしてください。
*おすすめ度は三段階になっています
①おすすめ、ぜひ読んでみて
②読んでみて
③時間があれば読んでみて
本のテーマ・主題
●自分自身を知る
●他人と生活する
主人公はどんな人?
◆鎌倉にあるシェアハウスで暮らすことになる女性5人
本の内容
連作短編小説
シェアハウスの住民が交代で主人公になっていく
誰かと生活することは、めんどくさいけどあたたかい。
鎌倉駅から徒歩8分。木々と小鳥に囲まれたシェアハウスには、今日もカレーとコーヒーの香りがいっぱい。
まだ空室アリ〼。
男手一つで育ててくれた父が死んで、鎌倉のカフェを引き継いだ香良。ある日離婚した親友が押しかけてきて、いつの間にかシェアハウスをはじめることに! 次々やって来る入居者たちは、みんなちょっとワケあり。慣れない他人との共同生活に、イラっとしたり文句を言ったりもするけれど……。家族だから言えない、家族だから甘えられない。そんなひとりぼっちになった住人たちが見つけた新しい形のきずなに、あたたかい気持ちになる1冊。
読みやすさ
読みやすい
読める年代は?
本好きな子なら小学高学年生でも読めます
中学生や高校生向き
この本から気づけること
●悩みやコンプレックスは人それぞれ
●心を閉ざしたら終わり。本当の自分自身を見せないと、他人にはわかってもらえない
心に響いた言葉・フレーズ
みんなそれぞれ他人に触ってほしくない部分ってあると思うの。身体的なコンプレックス、生い立ち、その人自身の性格、学歴……。本人にとっては大変な悩みでも他人から見ればたいしたことなかったり、その逆もあったり。他人が暮らすってね、簡単にはいかない。当たり前のことだよね。そんな中で、違いは違いとして、認めあえればいいなと思っている。だからえっと、これからもお互いを傷つけあうことがあるかもしれないけど、どうか心だけは閉ざさないで
【p.195 香良の言葉】
あわせて読みたいおすすめ本:同じテーマ編
男の子だけど手芸が好きな少年と、「普通とは?」に悩む家族の物語、寺地はるなさんの『水を縫う』をおすすめします。
2021年、多数の中学入試で出題された小説です。
同じ家に暮らす家族みんなそれぞれ「普通」というレッテルに苦痛を感じているのです。
ぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』は、悩みを抱えた他人が心を通わせながら共同生活をしていく物語です。
悩みを抱えているのは自分ひとりじゃない。
だけど、その悩みは、わかってもらおうとしないとわかってもらえないことを気づかせてくれます。
茶箱
気になったら、読んでみてね