瀧羽麻子さんの本『ひこぼしをみあげて』を読みました。「どんな本なのか」「子どもに読んでほしい本か」教えちゃいます。
『ひこぼしをみあげて』は、瀧羽さんの人気小説『たまねぎとはちみつ』の続編になっています。
また『ひこぼしをみあげて』と合わせて読みたいおすすめ本、中学受験で出題された本から、同じ作家の本、同じテーマの本も紹介しています。
茶箱
千春ちゃんがどんな中学生になったのか楽しみ
『ひこぼしをみあげて』
【著者】瀧羽麻子
【出版社】偕成社
【出版年月】2022年11月
『ひこぼしをみあげて』のおすすめ度
1 おすすめ、ぜひ読んでみて
学校生活は普通に楽しいし、友達もいるし、部活もイヤじゃない、お家も不満はない。でも、どこにいてもなんだか居心地がわるいような、自分にちょっと自信がない中学1年生の女の子の物語です。
これといって不満や不安があるわけじゃないのに、周りの人たちが気になったり、自分がどう思われているのかが気になったりしませんか?
みんなはすごく楽しそうなのに、自分は心から楽しめてないと落ち込んじゃったり。
私といてもみんな楽しくないんじゃないかな~と卑屈になったり。
友達と自分を比べてみたり。
いろんなこと考えて、ひとりでモヤモヤしてしまうことありますよね。
この物語の主人公千春ちゃんも同じです。
千春ちゃんが頑張って自信をつけていくわけではありませんが、中学生になり、新しい友達と新しい部活、生活、仲間、先生を通して、いろんなことを経験していきます。
それらの経験をとおして、千春ちゃんは自分の気持ちをみつめて、きちんと言葉で行動で表すようになっていきます。
千春ちゃんのように、今の自分に自信がない子どもにぜひ読んでほしい本です。
ちょっとした恋もあり、ドキドキもありますよ。
『たまねぎとはちみつ』では小学生だった千春ちゃん。
中学生になっても、優しい心は健在でした!
『ひこぼしをみあげて』を実際に読んでみた主観的な判断ですので、参考にしてください。
*おすすめ度は三段階になっています
①おすすめ、ぜひ読んでみて
②読んでみて
③時間があれば読んでみて
本のテーマ・主題
●自信のない自分を打ち破る勇気
●思春期の気持ち
主人公はどんな人?
◆中学1年生の千春ちゃん
本の内容
長編小説(章ごとに連作短編小説としても読める)
『たまねぎとはちみつ』の千春ちゃんが中学生になった!
中学生になった千春は、友人の那彩にひっぱられて天文部にはいる。
そこには、熱血星オタクの二階堂先輩、寡黙でミステリアスな片瀬先輩、話のわかる顧問の葉山先生など、個性豊かな面々がそろっていた。
千春は、次第に片瀬先輩のことが気になっていく……。
等身大の女子中学生を描いた成長物語、第2弾。
読みやすさ
読みやすい
読める年代は?
小学校中学年くらいから小学高学年生向け
この本から気づけること
●等身大の中学生の気持ち
●自分をわかってもらおうとする勇気があるといいな
心に響いた言葉・フレーズ
「ハートは熱く、脳みそはクールに」
【p.169】
「人間は見たいものを見ようとする」(見たものを都合よく解釈する)
【p.196】
あわせて読みたいおすすめ本:同じ作家編
作家:瀧羽麻子さん
『ひこぼしをみあげて』の前作『たまねぎとはちみつ』がおすすめです。
ファンタジー色のある『うさぎパン』もおすすめします。
あわせて読みたいおすすめ本:同じテーマ編
同じ中学生で、弓道部の女の子の物語、まはら三桃さんの『たまごを持つように』をおすすめします。
2020年大宮開成中学の入試で出題された作品です。
自信がなく不器用だけど頑張り屋さんの早弥(さや)ちゃんを中心にした、弓道部男女3人のたまごのように、こわれやすい心がぶつかりあう青春小説です。
弓道を通して、自分をみつめ成長していく姿は清々しくカッコいいのです。
ぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
人気小説『たまねぎとはちみつ』続編!
瀧羽麻子『ひこぼしをみあげて』は、どこか居心地の悪さを感じる、等身大の中学1年生の姿が書かれた物語でした。
自分に自信がないのはみんな同じ。
お互いにちょっぴり勇気を出し合えば、わかり合えることも多くなるんですね。
茶箱
気になったら、読んでみてね