茶箱
たまごって割れやすそうで、割れないのよね!
中学生の心も、弱そうで実は強いのよ!
『たまごを持つように』まはら三桃
【著者】まはら三桃
【出版社】講談社
2020年大宮開成中学の入試問題(国語)で出題されました。
あらすじ・読みどころ
自信がない不器用だけど頑張り屋さんの早弥(さや)。
弓道の才能に恵まれているがスランプに陥っているトラベルメーカーの実良(みら)。
黒人の父をもち、武士道と真っすぐに向き合う少年、春(はる)。
まったく異なる性格の中学弓道部男女3人は、弓道をとおして徐々に心を通わせていく。
たまごのように、こわれやすい心がぶつかりあう青春小説
● 弓道のおもしろさ
● 3人それぞれの弓道を通しての成長
● 友情・恋物語
2020年大宮開成中学の入試問題(国語)を解いてみた
出題された部分は物語の最後の部分
3人は中学3年生になっている
全国大会出場がかかった大事な試合決勝戦の様子が書かれた部分
3人の気持ちがひとつになる物語のハイライトといっても良いシーン
● 文章問題量は普通から多い
● 3人の性格の違いを読み取るのがポイント
➡3人が互いに刺激し合って、仲間として認め合っている姿をも読みときたい
● 物語をはじめから真剣に読んでしまうと、登場人物の性別もわからず物語の世界に入りにくい
➡問題を解いていくと自然に物語が読み解けていくので、問題を解くことだけに集中したほうがいい
*私は 『たまごを持つように』を読了してから問題を解きました。
茶箱
登場する女子二人の名前が似ていて、ごちゃごちゃになりやすかったわ
ぱっと見でわかるはっきりした違いがあって、覚えやすい名前だったらよかったのに
弓道だけに”弓実子”と”みちよ”とかどうかしらね?
弓道部の男子”春”君も、男の子とすぐにわかるように”武士(たけし)”とかだと、おばちゃん的には物語に入りやすかったわね
入試問題用に名前だけ変えるのはダメかしらね(笑)
まはら三桃『たまごを持つように』役立つちょこっとメモ
中学受験生へのおすすめ度
★★★(3点満点中)
主人公は中学生だが青春時代の心がさわやかに描かれて読みやすい
3人のうち自分に近いのはだれかな?
●主人公:弓道部の男女3人
●舞台:学校 弓道の大会
●フリガナは難しい漢字のみあり
●本の長さ:258ページ(単行本)
●初版:2009年3月
●まはら三桃さんは1966年生まれ。
2012年、『鉄のしぶきがはねる』(講談社)で第27回坪田譲治文学賞を受賞、同作品は2013年第4回JBBY賞を受賞した。
茶箱
まはら三桃さんの『たまごを持つように』は、弓道部の男女3人の青春物語よ
3人は一見まったく違う性格にみえるけれど、実は自分を上手に表現する、自分の本音を伝えるのに苦労する不器用さを持ち合わせているのは似ているのよね
そんな3人が弓道を通して、心を通わせていく姿が清々しかったわ
3人がどんな大人になるのか続編が読みたいわ
*読みどころや試験問題の感想は、あくまでも私個人の意見です。
続けて学ぶための本は?
瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』
部活で心をつなぎ合わせるといえば、駅伝!