茶箱
新しい世界に飛び立ちたいときにおすすめの本だよ
瀧羽麻子『ありえないほどうるさいオルゴール店』
【著者】瀧羽麻子
【出版社】幻冬舎
2019年桜美林中学の入試問題(国語)で出題されました。
おなじく2019年立教女学院、淑徳与野中学の入試でも出題されています。
あらすじ・読みどころ
『ありえないほどうるさいオルゴール店』は短編集
北の町でひっそりと営業しているオルゴール店
店主の男性がお客様の心の音楽をオルゴールに仕立ててくれる不思議なお店です
耳の聞こえない子どもとその母親、バンドを辞めてそれぞれの道を歩き出す大学生の女の子たちなど、7つのストーリに登場する彼らの心の音楽はどんな音楽なんでしょうか?
● 人生の区切りめ、人生の壁にぶち会ったった時にどうするのか
● ストーリーにあうオルゴール音楽が聞こえてきそうなすてきな物語
2019年桜美林中学入試(国語)を解いてみた
茶箱
2019年桜美林中学と立教女学院、淑徳与野中学、3つの中学で出題された短編は『バイエル』よ
主人公は小学3年生の香音ちゃん
音楽の才能に恵まれた彼女は、ただピアノを弾くのが大好きで、ピアノを弾くことでみんなが喜んでくれるのがうれしかったのに。
コンクールで予選敗退したあと、自分では達成感があったのにお母さんが取り乱すほどがっかりする姿をみて、ピアノに向き合うことができなくなってしまった。
ピアノのレッスンを無断で休んでしまった香音ちゃんは、オルゴール店にいた。
出題されたのは物語後半部分
①香音ちゃんがオルゴール店で店員さんと会話をしながら、ピアノのことを考えているシーン
②先生宅の前で母親と話すシーン
● 文章問題量は普通
➡物語の時系列を並べる問題があるので、全文読まないとならない
● 選択問題と書き出し問題
➡自分の意見を聞かれるような記述問題はない
● 香音ちゃんの気持ちの変化にそって問題を解いていく
➡ピュアな気持ちをもつ香音ちゃんになりきって問題を解いていけば大丈夫
茶箱
ポイントは、ピアノを弾くのが大好きで、自分のピアノの音でみんながよろこんでくれるのが一番うれしい香音ちゃんになりきることよ!
女優になったとおもって問題を解いてみてね
瀧羽麻子『ありえないほどうるさいオルゴール店』役立つちょこっとメモ
中学受験生へのおすすめ度
★★★(3点満点)
短編『バイエル』は中学受験生、特に女子におすすめ
そのほかの短編も中学受験生でも十分に理解できる物語なので読んでみてほしい
●7つの短編集
●フリガナなし
●本の長さ:245ページ(単行本)
●初版:2018年5月
●作者の瀧羽麻子は1981年生まれ
『うさぎパン』で第2回(2007年)ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞している。
茶箱
瀧羽麻子さん『ありえないほどうるさいオルゴール店』は、自分の心にある音楽をオルゴールの音で聴くことで、人生を前向きに歩き始める人たちのすてきな短編物語集だったわ。
私の心の中にある音楽は何かしらね?
*読みどころや試験問題の感想は、あくまでも私個人の意見です。
続けて学ぶための本は?
小俣麦歩『ピアノをきかせて』
音に対する感受性が豊かな小学校6年生の響音はある日、姉のピアノの音が変わったことに気づく。この姉のピアノの音の変化は、響音、家族に大きな変化を及ぼすことになる。