外国人と接する機会がどんどん増えていく時代
意外ですが、外国人との会話で必要な話題は”日本のこと”なんです
外国の人は、日本についていろいろ知りたがります。
そんな彼らに、日本の伝統の世界を教えてあげられるようになれる物語【日本の伝統文化が読めるおすすめ本】を紹介します。
『櫓太鼓がきこえる』
【著者】 鈴村ふみ
【出版社】 集英社
日本の伝統 知られざる相撲の呼出の世界
ただの相撲の小説とは違う!
裏方ともいえる「呼出」にスポットをあてた物語。
関取以外の人たちに注目して相撲をみている人って少ないはずです。
(ちなみに、私は行司の衣装を見るのが好き)
でも、相撲って関取たちが体一つで闘う争いだけではない、日本の伝統のあらゆるものの上に成り立っていることに気づかされます。
相撲の見方が変わってしまう、相撲を見るのが数倍楽しくなる本です。
あらすじ
親との関係が上手くいかなくなり逃げるように家からでた17歳の篤は叔父のすすめで弱小の朝霧部屋に呼出見習いとして入門した。
関取たちと親方夫婦との暮らしが始まる。
仕事にも自分に自信がまったくもてない篤が、呼出の仕事を通して成長していく物語。
* 第33回小説すばる新人賞受賞作
茶箱
相撲の世界が数倍おもしろくなったわ
『国宝 (上) 青春篇・国宝 (下) 花道篇 』
【著者】吉田 修一
【出版社】朝日新聞出版
日本の伝統芸能 梨園の世界
「国宝」上下 吉田修一
— 茶箱 ℂℍ𝔸𝔹𝔸ℂ𝕆 本とお菓子を愛する (@pooh70inu) July 5, 2020
想定以上の小説
華やかで芸を極める歌舞伎役者の生涯だけではない
家族、友情、女の生き方、梨園のドロドロ、血の繋がりがなくても生まれる信頼、人生のすべてが描かれる
ドラマチックなストーリーに引き込まれて、この土日で読了
当分この物語の余韻浸りたい#読書 pic.twitter.com/gi9yrQSmSc
あらすじ
極道出身と梨園出身という、生い立ちが違う若者二人が、芸の道に青春を捧げていく。
1964年元旦、極道の一門に生まれながらも立花喜久雄は歌舞伎の世界へ。
共に歌舞伎役者の道を歩む梨園出身のお坊ちゃま”俊ぼん”こと俊介と、ふたりの生き方が描かれる。
技をみがき、道を究めようともがき続ける男の姿、信頼と裏切りが繰り返されるドラマチックな物語。
* 芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をW受賞
茶箱
日本の伝統を守り引き継いでいく男の姿に号泣したわ
『たまごをもつように』
【著者】まはら三桃
【出版社】講談社
集中力が試される日本文化 弓道の世界
日本人でも体験したことある人は少ない弓道
私の通っていた中学には弓道部があったけれど、市内に1つしかないため、すぐに県大会出場できるというお得?な部活だった思い出しかありません。
(あ、あと弓道を始めるとバストが大きくなるというウワサがあった)
そんなマイナー弓道に必要不可欠な集中力が、ピリピリと伝わってくる物語です。
無駄を考えず、無駄な力を加えず、ただ自分自身と弓の的にのみ集中して矢を放つ。
自分との闘いが大きい日本伝統のスポーツの魅力がギュッとつまっています。
あらすじ
自信がない不器用だけど頑張り屋さんの早弥(さや)。
弓道の才能に恵まれているがスランプに陥っているトラベルメーカーの実良(みら)。
黒人の父をもち、武士道と真っすぐに向き合う少年、春(はる)。
まったく異なる性格の中学弓道部男女3人は、弓道をとおして徐々に心を通わせていく。
彼らの中学1年生~3年生までの、たまごのように、こわれやすい心がぶつかりあう青春物語。
* 2020年大宮開成中学の入試問題(国語)で出題されました。
茶箱
たまごって割れやすそうで、割れないのよ
弱そうで実は強い、そんな人になりたいわ
『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―』
【著者】森下典子
【出版社】新潮社
日本伝統のこころ 茶道の世界
若い頃、学校の勉強のように茶道を習っていた私。
茶道で一番大事なのはお点前の順番だと思っていた私の頭を、ガツンと殴ってくれた本です。
茶道のたしなみがなくとも、茶道のこころは実生活に役立つものばかりです。
日本の伝統から得る生きる力を教えてくれます。
あらすじ
作者、森下典子さんの物語。
お茶を習い始めて25年。
その時その時で、自分の居場所を探し続けた日々のなかで、気がつけば、そこには必ず「お茶」があった。
どんなことがあっても、めぐるってくる季節を五感で味わう。
「生きている」感動を鮮やかに綴る、感動の成長ヒストリー。
茶箱
茶道の教えは、実生活にも結びつくものなのよ
『和菓子のアン』
【著者】 坂木司
【出版社】光文社
日本特有!季節を表現する和菓子の世界
和菓子といえば、おまんじゅうやモナカしか思い浮かばないなんて、日本人として悲しすぎます!
和菓子は日本の季節や伝統、日本人の心を表現したお菓子なんです。
「え!知らなかった」という人には、ぜひぜひおすすめの一冊(シリーズ)。
たくさんのおいしい和菓子が登場し、和菓子に隠されたウンチクが明らかになるミステリーぽい展開も楽しめる物語です。
* シリーズ化
2作目「アンと青春」
3作目「アンと愛情」
あらすじ
主人公は、ちょっとぽっちゃり気味の梅本杏子(うめもときょうこ)ちゃん、あだ名はアンちゃん。好きなことは「おいしいモノを食べること」。
高校卒業後、宙ぶらりんなアンちゃんが、なにか自分の好きなことが役立てないかと選んだ仕事先(アルバイト)は、デパートの地下にある和菓子屋「みつ屋」だった。
そこは、和菓子の知られざる魅力がつまった素敵な世界が広がっていた!
茶箱
和菓子は日本が誇る、伝統芸術品ともいえるわ