『希望のひとしずく』
【著者】キース・カラブレーゼ
【訳】代田亜香子
【出版社】理論社
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『希望のひとしずく』あらすじ
出版社の本紹介
オハイオ州の小さな町には、願いを叶えてくれるという井戸がある。中学一年生のライアンは、裕福な家の一人っ子アーネスト、幼なじみのリジーとともに、この井戸を見つける。そして、クラスメイトや町の人たちのさまざまな願いごとを知る。アーネストの亡くなったおじいちゃんが屋根裏部屋に遺していたものたちが、不思議な縁でいろんな人の手にわたり、奇跡的にその願いがかなっていく。悩みや問題をかかえる人々が、ちょっとしたやさしさで救われていく、希望と愛でいっぱいの物語。
『希望のひとしずく』基本情報
● 2024年 第70回 青少年読書感想文コンクール<中学生の部>課題図書
● 主人公は中学1年生のライアン、同級生の裕福な家の一人っ子男子アーネスト、同じく同級生で母親と二人暮らしライアンの幼なじみ女子リジー
● ライアンとともに、友達や家族、先生や近所の人たちも、みんなが生きることに前向きになっていく、元気になっていく、成長していく物語
● だれかの気持ちを考えられる、だれかを助けたいと思う気持ち、人のやさしさや愛がぎっしりつまっている
● 読むほどに、町中の人たちが、どんどんつながっていくゲームのようなおもしろさがある(それを発見する、推理するのが楽しい!)
● とにかく登場人物が多い!
● 外国人の名前が覚えにくい、男女がわかりにくく、人物を想像するのが難しい
● 難しい漢字にはフリガナつき
● ページ数:312ページ
『希望のひとしずく』読書感想文のテーマ
『希望のひとしずく』の読書感想文のテーマになりそうなものをピックアップしてみました。
* 読書感想文の書きやすいものを選んでいます。他にもいろいろな視点から物語を読めますよ。
本を選ぶ時の参考にしてください。
実際に大人の私が読んでみて思ったのは、謎解きあり、人と人がどんどんつながっていくおもしろさあり、まるでゲームを読んでいるかのように楽しめる本です。
ただ、登場人物が多くて、さらに外国人の名前が覚えにくいので、紙に名前とその人のメモをちょっと書きながら読むのがおすすめ。
読書初心者には、けっこうハードルが高いです。
おもいっきり楽しく本を読んだ後、一番心に残ったシーン、お気に入りの登場人物についてなどから、感想文に書きたいテーマを見つけてほしいです。
● だれが自分に似た登場人物がいたかな?その人と自分は、どんなところが似ているのか、その人が物語のなかで、どう成長したかをふまえて、自分はどうなりたいかを書く。
● お気に入りの登場人物はいた?
どんなところが好きだったか?お手本にしたいところはあったか?
● だれのどんな「やさしさ」が一番いいなと思った?
● 物語のように、「モノ」が引き起こした奇跡や偶然を体験したことがある?
その時の体験や感想を書いてみる
● 「だれかの役にたつ」うれしさを経験したことはある?
その時の体験や感想を書いてみる
茶箱
自分が書きやすいテーマを選ぶといいね
テーマを組み合わせてみるのも、おすすめです
『希望のひとしずく』の感想
” ひとりの力で世界をよくすることなんかできない。だけど、世界のかたすみで、それぞれができることをすればいい。
そして、願えばいい。”
(p.304)
ライアンが、たくさんの人たちと出会い、関わり合い、不思議な体験をして、最後に気づいたこと。
大事なことに気づけたライアンは、これから、もっともっとすてきな大人になっていくんだろうな~と思う。
感想文に選んだテーマ
● だれのどんな「やさしさ」が一番いいなと思った?
● お気に入りの登場人物はいた?
どんなところが好きだったか?お手本にしたいところはあったか?
私のお気に入りの登場人物はライアンだ。
この本を読んだ人は、きっとみんな彼のことを好きになっちゃうと思う。
彼は、家族思いだし、友達思いだし、ご近所さんにも優しい。
心のなかでは「めんどくさいな」と思いながらも、先に体の方が前に出て行動してしまう、根っからの優しさがある男の子だ。
そんな彼のやさしさで一番いいなと感じたのは、近所に住むおばあさんヘメルレさんへのやさしさだ。
子どもにとって、老人って不思議な存在だと思う。
身近な大人、両親や先生とはちょっと違う。
動きもおそいし、訳わかんないことを言ったり、忘れぽい気もするし、ガンコな一面ももっているし、優しさがしつこかったり、ふと悲しい顔をしたりする。
私のお気に入りライアンは、老人はなんだかめんどくさいから、あまり関わらずにいようなんてことはない。
もしかしたら、心で少し思うかもしれないけれど、なんせ、体が先にうごいちゃうのだから仕方ない。
ライアンは、ヘメルレおばあちゃんは、記憶がときどきあいまいになっているのだろう、体が昔のように思うようにきびきび動けないのだとわかっている。
さらには、ヘメルレおばあちゃんが、そうなりたくて、なっているわけじゃない、好き好んで老いているわけじゃないのも理解している。
芝刈りのあとに、関節炎で痛いだろう指をつかって、しぼりたてのレモネードをライアンに飲ませてくれる、ヘメルレおばあちゃんの優しさも知っている。
だからこそ、ヘメルレおばあちゃんの気持ちを想像して、やさしくできるのだ。
ライアンは、友達についても、家族についても、気を配って観察しながら、相手の気持ちを理解しようとしているからこそ、やさしくなれる。
ライアンのようになるのは難しいかな?
いいや、ライアンを見習ってみよう。
その人の気持ちを想像するには、まず、その人のいろんな情報が必要だ。
情報を知り、その人自身を知り、そこから気持ちを推理していく。
まるで謎解きのようだと思うと、案外、自分にもできる気がする。
ライアンのように、だれかの気持ちを想像してみる、そして、その人のために行動してみる。
それが、だれかにやさしくできる一歩なんだと思う。
社会のみんなひとりひとりが、「だれかの気持ちを想像して行動する」
それをするだけで、もっともっとやさしい社会ができると思うと、幸せな気持ちになった。
社会のひとりとして、私も実践していきたい。
紹介した本リスト