『優等生サバイバル:青春を生き抜く13の法則』
【著者】ファン・ヨンミ
【訳】キム・イネ
【出版社】評論社
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『優等生サバイバル:青春を生き抜く13の法則』あらすじ
出版社の本紹介
成績に一喜一憂する寝不足な日々。
さらに、はじめてのホントの恋まで! さあ、どうする?首席で進学校に入学してしまったジュノ。入学初日から生徒を成績でランク付けする学校のやりかたに違和感を感じながらも、高校生活が始まる。父は田舎で病気の療養中。母は父についていき、叔父とふたりで暮らしている。
入学してからはトップをとれず、思い悩む日々。家計を思い、塾にも行っていない自分が、この学校で競い合っていけるのかと不安になる。同じ中学出身の親友、ゴヌに誘われて入った時事討論サークル「コア」だけが、晴れやかな気持ちになれる貴重な場だ。びっくりするくらい博識で、知的な刺激を与えてくれるボナ先輩、まっすぐな性格の同級生ユビン、そしてゴヌ。「コア」の仲間には、おしこめた不安や焦りも口に出すことができた。ジュノは次第に、独特なユーモアでまわりを笑わせるユビンに惹かれていく。
ところがある日、ユビンから、転校を告げられる。観光経営学科のある学校に転校し、卒業したら大学には行かず、旅行会社に就職するつもりだと。将来は自分の会社をつくりたいと言うユビンが、とても大人びて見えた。「ぼくは、はっきりとした目標があって大学に行こうとしているのだろうか」――。
テスト、課題、進路、SNS、そして恋……。1日は24 時間。やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことは満載!! ハードな高校生活を生き抜くために、“ 優等生” のジュノが見つけた法則とは?未来のための今も、今のための今も、どっちも大切なぼくたちの時間。
『優等生サバイバル:青春を生き抜く13の法則』基本情報
● 2024年 第70回 青少年読書感想文コンクール<高校生の部>課題図書
● 主人公は韓国の高校1年生、ジュノ
● 韓国の超進学校にトップで入学したジュノの悩める青春物語
● ジュノの勉強あり、恋愛あり、サークル(時事討論サークル)あり、SNSありの忙しい毎日と、悩みのつきない日々が書かれている
● 韓国の大学受験への気合がすごい(進学校だけなのかな?)
● 青春には欠かせない恋愛模様あり!
● 韓国人の名前が覚えにくい、男女がわかりにくいため物語を想像しにくい
● 韓国生活に興味がわく!特に、おいしそうな料理がたくさん出てくる
● ページ数:232ページ
『優等生サバイバル:青春を生き抜く13の法則』読書感想文のテーマ
『優等生サバイバル:青春を生き抜く13の法則』の読書感想文のテーマになりそうなものをピックアップしてみました。
* 読書感想文の書きやすいものを選んでいます。他にもいろいろな視点から物語を読めますよ。
本を選ぶ時の参考にしてください。
実際に大人の私が読んでみて思ったのは、韓国の大学受験って恐ろしい!です。
本自体は、登場人物の名前と性別を覚えてしまえば、ページ数も少なめで、読みやすかったです。
韓国のリアルな高校生活に、ビックリしたり、共感したりしながら読み進められます。
楽しく本を読んだ後、一番心に残ったシーンなどから、感想文に書きたいテーマを見つけてほしいです。
● ジュノのように今の生活や未来に悩んでいないか?今の自分が好きか?自分で考え選んで生きているか?
● ユビンやジュノのように、高校時代に、自分の未来に向けてできる準備はあるか?考えてみる
● 自分と韓国の高校生とを比べてみる。
似ているところ、違うところ、びっくりしたところ、共感できるところなどなど。そこから、自分ならどっちを選ぶか?その理由は?
● ジュノ、ゴヌ、ユビン、ビョンソ、ハリム、ボナ先輩
自分に近いのは誰?どんなところが似ているか?自分だったら、どんな高校生活を選んで送るか?
● 登場人物好きな人は?どうして好きなのか?
● 登場人物のなかで理解できない人は?どうして理解できないのか?
● 自分がジュノだったら、これからどうすべきだと思う?
茶箱
自分が書きやすいテーマを選ぶといいね
テーマを組み合わせてみるのも、おすすめです
『優等生サバイバル:青春を生き抜く13の法則』の感想
” 自分で判断できるということは、自分自身を尊重できるということなんだ。だれかが決めた基準で流されている限り、ぼくは永遠に不安の奴隷として生き続ける以外にない。たとえどんな結果になろうとも、ぼくは運命の主導権を可能な限り自分で握るんだ”
(p.181)
試験ができなかったらどうしよう。
みんなの前で失敗したらどうしよう。
やりたくないけれど、みんなと同じじゃなくちゃ心配だな。
本当の気持ちを言って、笑われたり、気持ち悪がられたらどうしよう。
不安でいっぱいになったら、ジュノが気づいた「運命の主導権を可能な限り自分で握るんだ”」を思いだして、自分はどうすべきかを考えたい。
感想文に選んだテーマ
● 登場人物のなかで好きな人は?どうして好きなのか?
こんな友達が欲しいなと思ったのが、ゴヌだ。
ゴヌは明るいムードメーカーだ。
ジュノが、ほっておくと殻にこもってしまいそうなタイプなので、ゴヌが友達でよかったな~と思う。
ゴヌはただ明るいだけじゃない。
親友のジュノの気持ちや立場を考えられる優しさをもっている。
その優しさは、押しつけがましくなく、さらりと当たり前のようにしてしまう、天然の優しさだ。
そして、自分の気持ちを素直に言葉にできる人でもある。
これは、カンタンなようで難しい。
プライドや、見栄があって、弱い自分をさらけだすのは怖いのが普通だと思う。
ゴヌだって、テストができなかったり、ジュノにテストで負けているのはくやしいし、恥ずかしさもあるだろう。
でも、ゴヌはそんな自分の弱さもきちんとジュノに見せているし、言葉にしてジュノに伝えているのだ。
弱い自分を認めて、人に理解してもらおうとするのって、実は強くないとできないと思う。
そう、ゴヌは、強い人なんだ!
ゴヌは、ジュノにべったりの親友ではない。
自分にとって塾に行くことが最優先だと思えば、塾へ行く。寝たいときは寝る。食べる時はいっぱい食べるし、おしゃべりも大好きだ。
ゴヌはすごく勉強ができるタイプでもなければ、リーダーシップのある子でもないし、弁がたつわけでもない。
でも、友達思いで、純粋で、自分の弱さと向き合える力、好ましい愛嬌があって、好きな人がいて、前向きに生きるパワーをもっている、カッコいい人だと思った。
食べ物をおいしく食べるのもいい!
ゴヌを見習って、自分の弱さをされけだせる勇気や、さらに友達や周りの人の良い面を素直に認められる人になりたい。
ゴヌのようになれたなら、勉強はつらくても、生きるのが楽しくなりそうだ。
そして、そんなゴヌの周りには、明るい希望、ステキな人たちが引き寄せられる気がする。
ジュノは、「自分で判断できるということは、自分自身を尊重できるということなんだ。ぼくは運命の主導権を可能な限り自分で握るんだ」と決めた。
ジュノが決めたように自分で自分自身を決めることも、未来への準備の一歩だと思うが、私は、ゴヌのもつ「明るさ」「やさしさ」も未来を明るくする大切な一歩だと思う。
ゴヌがジュノとともに、これからも互いに、いい面や悪い面を認め合って、補い合って、明るい未来を切り開く姿が、最後に見えた気がした。