『じゅげむの夏』
【著者】最上一平
【絵】マメイケダ
【出版社】佼成出版社
『じゅげむの夏』あらすじ
出版社の本紹介
山ちゃん、シューちゃん、かっちゃん、ぼくの仲よし4人組は、天神集落で同じ小学校に通う4年生。かっちゃんは筋ジストロフィーという病気だけれど、小さい頃から一緒にいるぼくらにとって、かっちゃんは特別な存在ではない。親友のひとりだ。そのかっちゃんが、4年生の夏休みに、川へダイブしたいと言い始めた。天神集落の子どもにとって、川へのダイブは、大人への階段を一歩上がるような、そんなならわしだった。「だいじょうぶ、どぼんて落ちるだけだからさ。来年になったらとべねえかもしんねえし」。人なつっこい笑顔でそう言うかっちゃんの願いをきいてあげたくて、ぼくらは綿密に計画を練ったのだけれど……。
夏の匂いが濃く立ちこめる山あいの村で、死という確かで曖昧なものを共有しながら、めいっぱいいのちを謳歌する少年たちの夏の日をみずみずしく描いたさわやかな作品。
第70回青少年読書感想文全国コンクール、小学校中学年の部の課題図書に『じゅげむの夏』(最上一平・作/マメイケダ・絵)が選定されました。
— 佼成出版社 営業日誌 (@koseishuppan) April 26, 2024
4年生の夏休み、難病の親友の願いを叶えるための冒険を描いた、ワクワクする物語です。
詳しくはこちらをご覧ください↓https://t.co/YmrLsElGA6 pic.twitter.com/2jQcTekE8d
『じゅげむの夏』基本情報
● 2024年 第70回 青少年読書感想文コンクール<小学校中学年の部>課題図書
● 主人公は小学4年生のアキラくん
● 集落で育ち、小さなころから一緒の同級生、親友4人の少年たちが経験した夏の冒険物語
● 4人の仲間のなかに難病の筋ジストロフィー(*1)のかっちゃんがいる
(*1)かっちゃんの病気は進行性で、だんだん筋力が弱まり歩けなくなる。大人になっても長くは生きられないといわれている。【本書に書かれている】
● 夏休みだからこそできることを思う存分楽しもうという「生」のパワー、ワクワクがみなぎっている
● ただ楽しさのなかにも、どことなく「死」「病」がつきまとう
● 楽しさ、恐ろしさ、迫力、優しさ、4人の男子が感じているだろう気持ちが一発でわかる!マメイケダさんの描くすてきなイラストが魅力的
(カラーページもある)
● 作者の最上一平さんの作品(『銀のうさぎ』より短編「糸」)は2021年私立開成中学の入試問題で出題された
● 難しい漢字にはフリガナつき
● ページ数:128ページ
『ぼくはうそをついた』読書感想文のテーマ
『じゅげむの夏』の読書感想文のテーマになりそうなものをピックアップしてみました。
* 読書感想文の書きやすいものを選んでいます。他にもいろいろな視点から物語を読めますよ。
本を選ぶ時の参考にしてください。
実際に大人の私が読んでみて思ったのは、読書感想文を書くという前提で読むと、この本のおもしろさが半減しちゃうので、まずは純粋に物語を楽しんで読んでほしいです。
● 夏休みだからこその体験・冒険を書いてみる
● 「生きているな」「生きるってすごいな、すてきだな」と思ったことを書いてみる
● 自分の友達の紹介文を書いてみる
いいところ、自分と違うところ、尊敬するところ、直してほしいことなどなど(手紙風に書いてもいいかも)
● 夏休みを利用して近所・地元を冒険して、その内容や感想を書いてみる
(危険な場所は絶対に避けて!ご両親に話してから行こう!)
● 将来大人になったときに、今年の夏休みをどう思っているだろうか?を想像して書いてみる
茶箱
自分が書きやすいテーマを選ぶといいね
テーマを組み合わせてみるのも、おすすめです
『じゅげむの夏』の感想
”夏休みはもっと大切なことをする休みだよ”
【p.6】
大事な友達と過ごす、もう二度とこない小学4年生の夏が始まる!
ワクワク感が伝わる夏休み初日の言葉です。
感想文に選んだテーマ
● 「生きているな」「生きるってすごいな、すてきだな」と思ったことを書いてみる
私の夏休みは、こんなにも楽しかっただろうか?
4人の少年たちを、うらやましくこの本を読んだ。
学校に通う毎日とは違う特別な1日1日。
大好きで、大切な友達と過ごす1日1日。
普段できないことに挑戦する1日1日。
もう決して戻ってこない小学4年生の夏休み。
どの冒険にも、少年たちのキラキラした生命力が光り輝いています。
家のなかで座って本を読んでいても、自分も仲間の一人になったような気分になれる本でした。
自然のなかの空気、大きな木の根元に寝転んだとき感じた木の壮大さ。
自転車で道を走る爽快感、転んだ時の痛み。
怖い大人に怒られるかもしれない恐怖、見てはいけない?大人の意外な面をみたときのおもしろさ。
友達の息遣い、笑い声
ふとした瞬間によぎる「病」の恐怖
どれもが「生きている」ことの証しなんだと思った。
私は今日も、おいしい朝食を食べた。
空の雲が流れているのを見ながら、開けた窓から入ってくる雨上がりのもわっとした空気を感じて「生きている」ことを感じた。
食べることがおいしいのだけでも「生きている」証拠。
ありがたいことです。
紹介した本リスト