『ぼくの弱虫をなおすには』
【著者】K・L・ゴーイング (著), 早川世詩男 (イラスト), 久保陽子 (翻訳)
【出版社】徳間書店
『ぼくの弱虫をなおすには』基本情報
● 2022年 第68回 青少年読書感想文コンクール<小学校高学年の部>課題図書
● 1976年アメリカ・ジョージア州を舞台にした物語
● 主人公はパパ、ママと暮らす小学校4年を終えた男の子ゲイブリエル
● 親友のフリータとの夏休みが彼を大きく成長させる
● 「訳者あとがき」に当時のアメリカの状況が書かれている
● いじめ問題や人種問題など、子どもでも自分の頭で考えやすい問題を提起してくれう物語
● 初めての翻訳本を読むのにおすすめ
● 難しい漢字にはフリガナつき
● 256ページ
『ぼくの弱虫をなおすには』読書感想文のテーマ
『ぼくの弱虫をなおすには』の読書感想文のテーマになりそうなものをピックアップしてみました。
* 読書感想文の書きやすいものを選んでいます。他にもいろいろな視点から物語を読めますよ。
本を選ぶ時の参考にしてください。
● 自分の殻を打ち破る方法を考えてみる。
● 苦手なモノを克服する方法を考える。
● 大事な友達とのきずなとは?
● 「自分と違う」「苦手な人」と思っている人たちのことを考えてみる。(なぜ苦手なのか?それは見た目からなのか?)
● 苦手なこと、怖いことを大事な人(友達・家族)のためなら乗り越えられるか?
● 人種差別、貧困差別について考えてみる。
茶箱
自分が書きやすいテーマを選ぶといいわね
『ぼくの弱虫をなおすには』の感想
”自分と違うのが怖いんだ”
いじめられっ子が怖い、クモも怖い、自分の意見を言うのも苦手、自信がない自分が嫌だ。
そんな弱虫のゲイブリエルは、親友のフリータにいつも助けられています。
ゲイブリエルとフリータ、どんな子たちだと想像しましたか?
ゲイブリエルはか弱い女の子で、フリータは体の大きなしっかりものの男の子だと思いましたか?
どちらかが黒人で、どちらかが白人ならどう思いますか?
『ぼくの弱虫をなおすには』のゲイブリエルは白人の男の子で、家は豊かではありません。
一方フリータは黒人の女の子で、お父さんはみんなから信頼される牧師さまで豊かな暮らしをしています。
あれ?と思った人もいるかもしれません。
なぜなら、なんとなく「黒人の人たちの方が生活に苦しんでいるのでは」というイメージを勝手に持っているからかも。
『ぼくの弱虫をなおすには』は、世界中が繋がり、日本社会でもどんどん大きくなっていく異人種の問題について考えるキッカケになる本です
ゲイブリエルは、結局自分と違うものや人、自分と違う考えをもっている人が怖くてたまらなかったんだろうな。
人種の問題は、見た目だけでなく、自分と違う人たちへの嫉妬や恐怖、怖さから生まれてくるのだと思うのです。
では、それは乗り越えられない問題なのか?
いえ、きっと乗り越えられるはずです。
その問題を解決するのは、結局のところ「愛」なんじゃないかなと『ぼくの弱虫をなおすには』は教えてくれました。
愛してくれる人がいれば、何もこわくない
(p.233)
▶▶主人公のゲイブリエルのパパの言葉
『ぼくの弱虫をなおすには』あらすじ
出版社の本紹介
小学校4年のゲイブリエルには、
こわいものがたくさんある。
クモ、いじめっ子の上級生、大きなトラック…。
でも、何よりこわいのは、5年生に進級すること。
5年になると、
いやな上級生と同じ校舎になるから…。
ぜったいに5年生にはならない、と決めた。
親友の女の子フリータは、これに大反対!
ゲイブリエルの弱虫をなおす作戦を考えて、
夏休みのあいだ、その作戦に、
ふたりでとりくむことになった。
とちゅうまでは、うまくいっていた。
ところが、ゲイブリエルのある思いつきのせいで、
フリータの家族をまきこんでしまい…。1976年アメリカ・ジョージア州を舞台に、
偏見や人種差別の問題にふれつつ、
苦手を克服する子どもたちの成長を描いた、
心にひびく物語。