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朝比奈あすか『人間タワー』 社会問題になった組体操ピラミッドが題材 あなたはどう思う?

朝比奈あすか『人間タワー』

 

人間タワー

 

【著者】朝比奈あすか

【出版社】朝日新聞出版

 

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ざっくり本紹介

 

 社会問題になっている運動会の組体操ピラミッドを軸とした短編6話

 

 登場人物など短編6話がそれぞれ絡み合ったストーリーになっている。

 

 大人同士の社会、子どもの社会、大人と子どもの社会、老人の社会、小学校の運動会競技「人間ピラミッド」をとおしていろいろな社会関係が見えてくる、

 

 小学生から老人まで、どの年代の人でも入りこめるストーリー

 

 2020年の早稲田実業中学の国語の入試問題にもなった

 

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人間タワー

人間タワー

 

 

6つの短編集

 

小学校の運動会の競技「人間タワー」が軸になって、6つのストーリーがえがかれています。

 

「人間タワー」とは、少し前に話題になった組体操のピラミッドです。

30代より上の人だったら、「小学校の運動会でやったよ」という人も多いかもしれませんね。

 

人の上に人がのり、ひとりひとりが大事なコマとなって、ピラミッドを作っていく。

協調性や、みんなでなにかをやり遂げる達成感みたいのを学ぶためのモノなんでしょうかね?

 

危ない競技として社会問題になったときも、賛否両論ありましたが、この本のなかの登場人物たちも「人間ピラミッド」に対していろいろな想いや意見を持っています。

 

小学校の頃に「人間ピラミッド」を経験した人

「人間ピラミッド」をやる小学生とふれあった老人

「人間ピラミッド」を作りあげる当事者のこどもたち

「人間ピラミッド」を作る子どもを指導する先生たち

「人間ピラミッド」を作る子どもの親たち

 

当事者の子どもから老人まで

年齢も立場もまったく違う人たちの「人間ピラミッド」への想いや意見が飛び交います。

 

朝比奈さんは、それぞれの立場を見てきたかのようにリアルに書かれているのにびっくりします。

 

大人びた考え方をする小学生

教師の自分の感情で動いてしまう行為

昔の栄光がわすれられない老人のふるまい

離婚した夫を人生から切り離せない女性

子どものことを考えているのに、子どもの立場は考えられない親

 

どの登場人物も、傍目からみれば、人間の弱い部分が表に出ている、イヤ~な感じの人たちなんですが、なんだかどの人にも共感できてしまいます。

人間だから、言葉にしなくても、行動をしなくても、心では同じように考えているからだと思うんです。

 

結局、人間なんてみんな自分勝手なんですよ(笑)

 

この本『人間タワー』は、運動会で「人間タワー」を実施するのが、いいか悪いかを判断する本ではありませんし、それを考えるような本ではないです。

 

「人間タワー」が、浮かび上がらせる人間の本能的に自分を守る、自分が一番、自分の意見が叶うならなんでもするといった、自己中心的な人々たちが際立ってくる恐ろしさがあります。

 

おもしろかったのは、人間タワーに対して情熱を持つ普段は冷静な教師と

教師たちの気持ちをもうすでにこの年齢で読み取り、客観視している小学生でした。

 

私なんて、教師が神のように扱われていた(笑)小学時代を送ってきたので、教師の言うことを疑ったことはないピュアだった自分がなんだかちょっとバカらしく感じてしまいました。

 

もしこの本を小学生の頃に読んでいたら、どんなふうに感じていたのだろうか?

小学生の私に聞いてみたくなる本でした。

 

ちなみに、この本は社会問題を取り上げているのですが、小学生や中学生といった学生さんには感想文は書きづらいかな~と思います。

 

でも、人間の愚かさを知るには、小学生高学年くらいからぜひ読んでほしい本です。

もしかしたら、自分もこんな風に思っていた!と共感できる子どももいるかもしれませんしね。(いや、たぶんたくさんいるはず)

 

実はこの本、2020年の早稲田実業中学の国語の入試問題にもなっています。

小学生が読んでどんなふうに思うのか、さらに知りたくなってきます。

 

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人間タワー

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