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『ピアノをきかせて』小俣麦歩 自分に自信がなくなったときに読みたい児童書

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『ピアノをきかせて』小俣麦歩

 

ピアノをきかせて (文学の扉)

 

【著者】小俣麦歩 

【出版社】文芸春秋社

 

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ざっくり本紹介

 

 音に対する感受性が豊かな響音は、ある日、素敵だった姉のピアノの音が変わっていることに気づく。その姉のピアノの音の変化は、家族の変化にも大きな影響が。

響音は自分を表現することで姉や家族をもう一度つなげ合わせようとする。姉や家族に、響音の音は響かせることができるのだろうか?響音ちゃん一家は、みんなの音を聞きあうことで和をとりもどせるのか?

 

 小学校6年生の響音が、なんとなく親や姉に遠慮をしてしまう姿に共感。自分の子ども時代を思い出してしまうかも。

 

 大人だがらって完璧ではない、失敗するのは当たり前と教えてくれる。

 

 小学生は自分のことのように読めるし、大人は子ども時代を思い出したり、自分の子ども・孫と照らし合わせて読めるストーリー。大人にもおすすめの児童書。

 

 感想文向きの本。自分と主人公を比較して書いたら書きやすい。

 

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ピアノをきかせて (文学の扉)

ピアノをきかせて (文学の扉)

  • 作者:小俣 麦穂
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本
 

 

響音ちゃんがとってもいい子。

 

でも、いい子だからこそ、ありがちな、心配事を親や大人に上手に伝えられない。

それをまた、いい子の響音ちゃんは、自分が悪いと思ってしまう。

 

いい子と言われてきた子供には、よくあることですよね。

 

本当はこういう子こそ、気をつかってあげなくちゃいけないけれど、「あの子は大丈夫、いい子」だからと思ってしまう大人たち。

 

でもこの本『ピアノをきかせて』の大人たちは、微妙な響音ちゃんの変化を感じ取り、追及することなく、うまい具合で心の中の想いをはきださせることに成功しています。

 

あれやこれや聞き出すのではなくて、そばにいて、なにげなく子どもがはなしてくれることを待っている。そんな大人たちの対応もこの本の見どころのひとつです。

 

大人になって気づくのだけど、大人だって完璧な人間じゃない

 

間違うこともあるし、わからないことだってたくさんある

 

でも、自分よりも弱い子どもだちを必死で守って育ている。その育て方は、当たっているのか間違っているのかなんてわからないのに。

 

家族がバラバラになっている状態のお父さんにおじいちゃんは

 

「子育てなんてなあ、子どもの百人いりゃ百とおり、親が百人いりゃ千とおりってもんよ。そうそううまくいってたまるかい。おしあいへしあいして成長するもんだ」

 【引用:『ピアノをきかせて』P.112】

 

さらに、おばあちゃんは

 

「母親だって父親だっていっても、はじめての経験だもの。失敗くらいいくらでもするわよ。わたしだって、『おばあちゃん』をやるのははじめてなんだから」

 【引用:『ピアノをきかせて』P.112】

 

 

それを聞いた響音ちゃんも、自分だって「お父さんとお母さんの娘」「おねえちゃんの妹」ははじめてやっているんだ。まちがえることだってたくさんあるんだと思うのです。

 

そうそう、だれだって初めてはあるんだし、失敗したらやり直してみればいいじゃないとみんなが語っているシーンが一番印象的でした。

 

何より、おじいちゃん、おばあちゃん、ナイスフォローです!

核家族化で両親ふたりだけで子育てをしていたら、上手くまわらなくなるとどんずまりになりがちですが、祖父母を含めて他の大人が入ってくるだけで、その人が潤滑油になって、子育てが上手く回りだすことがありますよね。

 

児童書なんですが、子どもだけでなく親になった人、おじいちゃんおばあちゃんになった人など大人にもぜひ読んでほしい本です。

 

子どもが感想文を書くのにも向いている本です。

家族関係や、自分の想いを表現できない子ども心について、自分と比較して書いたら書きやすいのではないかと思います。

 

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ピアノをきかせて (文学の扉)

ピアノをきかせて (文学の扉)

  • 作者:小俣 麦穂
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 単行本