誰かが隣を歩いてくれるだけでいいそういう気持ちになる瞬間が人生で一度は必ず行ってきます 隣を歩いてくれるのは寄り添ってくれるのは人間じゃなくてもいいんです動物でも盲導犬でもいいんです
(p.318 「ランウェイ」)
▶▶盲導犬訓練士の阿久津の言葉 犬には娘を任せられないと思っている母親に向かっての一言
『わんダフル・デイズ』
【著者】横関大
【出版社】幻冬舎
盲導犬の理解が深まる一冊です。
誰かと一緒に生きられるって本当にありがたいことだとじわじわと感じられた。
もちろん相手が人間でなくても。
そして、自分も、誰かにとって「隣を歩いてくれてありがたい」存在になれるといいなと思った。
悲しいことに物語の中では、盲導犬と毎日過ごしている人、盲導犬を理解している人でさえ自分勝手な思い込みで、大切な盲導犬を知らず知らず傷つけ、安易に扱ってしまう事件が多発する。
盲導犬に限らず、自分の隣を歩いてくれる大切な人を、自分は傷つけていないかなと自分の行動を振り返るきっかけにもなった。
また、この本のいちばんの魅力は盲導犬についてがわかるようになっている物語であること。
盲導犬はただ目の見えない人の助けとなって行動するだけではない。
動物のもつ生き物としての温かさと、犬が持つ利点を生かして訓練され仕事をする役割、両方を備え、目の見えない人が信頼できるパートナーだ。
物語をとおして、盲導犬がどんな風に訓練されているのか、盲導犬の現状がわかり、盲導犬への理解はぐっと深まる。
茶箱
盲導犬への信頼もぐっと高まったわ
あらすじ
*盲導犬訓練施設で働くトラブルバスターズ(研修生の歩美と訓練士の阿久津)が活躍する6つの連作短編集
町で起こった盲導犬がらみの事件や出来事を二人が解決する6つの物語です。
盲導犬の凛々しい活躍や、生きものとしての可愛らしさとともに、心あたたまる真実が
事件解決のキーポイントになっています。
事件には、10代の子どもや学生が主人公になるものもあります。
●「パピーウォーカー」は小学2年生の男の子が引き起こす事件
●「ステーション」は大学生の女の子の事件
●「ピーク」は大学生のブラインドサッカーチームに参加している大学生の事件
●「ランウェイ」では盲目の美少女ピアニストの事件
茶箱
中学生くらいから十分に読めるし、大人も楽しめるから、親子で一緒に読める本よ
横関大『わんダフル・デイズ』で悩み解決
横関大『わんダフル・デイズ』は、盲導犬の理解が深まる本です。
この本を読めば、盲導犬のあれこれを、イケメン訓練士の阿久津さんが教えてくれます。
茶箱
”王子様”と呼ばれる阿久津さん
「ドラマにするなら、だれに演じてもらおうかしら」と考えながら読むと楽しいわよ
次に読みたいおすすめ本
『犬がいた季節』
【著者】伊吹有喜
【出版社】双葉社
*2021年本屋大賞第3位
ある日、高校に迷い込んだ子犬コーシロー。12年間高校で暮らし、生徒と学校生活を送ってゆくなかでコーシローが見た触れた18歳の青春
昭和から平成、令和へ時代が変わっても、変わらぬ青春のきらめきや切なさは変わらない!
高校生と犬のコーシローが物語をつむぐ連作短編集
平成時代が青春だった人たちは、自分の青春時代と照らし合わせて、まるでその時代に戻ったような気分になれる一冊
▼関連記事はこちら