2020年11月
年末年始にむけて、新作映画の封切りもドシドシ続きます
その中には小説が原作の映画も数多くありますので、どんな小説があるのか紹介しますね。
11月公開映画には、人の生き方を題材にした作品が多いよ。
- 『十二単衣を着た悪魔』
- 『おらおらでひとりいぐも』
- 『感謝離 ずっと一緒に』
- 『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』
- 『ドクター・デスの遺産』
- 『さくら』
- 『水上のフライト』
- 『日本沈没』
- 『ホテルローヤル』
- 『家なき子』
- 『滑走路』
- 『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』
- 『アーニャは、きっと来る』
- 『叶えられた祈り』
『十二単衣を着た悪魔』
【著者】内館牧子
【出版社】幻冬舎
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月6日公開
●キャスト:伊藤健太郎、三吉彩花ほか
源氏物語の世界に紛れ込んだ現代の青年、雷は、陰陽師として、強い弘徽殿女御に見いだされる。
雷は、息子を異母弟・光源氏との帝位争いに勝たせるべく闘う彼女に振り回されながらも次第に手腕を発揮しだす。
源氏物語では良いイメージの無かった弘徽殿女御が、まったく違った印象をもつ、強くてたくましいカッコいい女性になったよ。
こんな風に源氏物語を楽しんでいるなんて、平安時代の紫式部もびっくりだろうな。
『おらおらでひとりいぐも』
【著者】若竹千佐子
【出版社】河出書房
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月6日公開
●キャスト:田中裕子, 蒼井優ほか
昭和・平成・令和を生きるひとりの女性の人間ドラマ。
75歳の桃子さんが主人公。
24歳東京オリンピックの年に上京し、結婚し子どもを産み育て、家族のために生きた彼女。
夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんの残りの人生は?
*第158回芥川賞と第54回文藝賞をダブル受賞したベストセラー作品
人間、最後は独りというけれど
さて、私は独りで生きていけるのかしら?と思う今日この頃。
桃子さんの独りになった後の生き方は衝撃だったけれど、それこそ人それぞれ。周りの目を気にしていたら、生きていけないよね(笑)
『感謝離 ずっと一緒に』
【著者】河崎啓一 (著)
【出版社】双葉社
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月6日公開
●キャスト:尾藤イサオ,中尾ミエほか
朝日新聞「男のひといき」欄に投稿され大きな反響を呼んだエッセイが本に。
定年まで勤めた夫と、いつも明るく前向きに夫を支えてきた妻。二人で仲良く暮らしていたある日、妻は倒れ他界してしまう。
62年間連れ添った愛する妻を亡くした遺品整理をする夫の気持ち、そして終活とは?を赤裸々に書いた感動エッセイ。
終活とは?
だれもが自分の人生の終わりはわからないのだから、いくつからでも始めてもおかしくない終活。
この本を読んで自分の終活の参考にしてもいいけれど、まずは両親にプレゼントしてみようかな。
『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』
【著者】渡辺俊美
【出版社】マガジンハウス
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月6日公開
●キャスト:井ノ原快彦、関西ジャニーズJr.のユニット「なにわ男子」の道枝駿佑ほか
映画の原作となった本はこちら、渡辺俊美によるエッセイです。
「高校3年間、毎日お弁当をつくる!」
シングルファーザーの怒涛のお弁当ライフ(笑)
破天荒なイメージがあるミュージシャンですが、二日酔いでも、早朝でもお弁当を作り続ける男親の姿がカッコいい!
お弁当を介して男同士のやりとり、感動します。
▼映画のノベライズ本はこちら
【著者】丸山智
【出版社】朝日出版社
思春期になると難しくなる男同士の親子関係
お弁当が二人の間をつないでいるのがおもしろかったよ。
言葉にできなかったら、何かで表現しないと愛情は伝えるのが難しいよね。
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『ドクター・デスの遺産』
【著者】中山七里
【出版社】KADOKAWA
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月13日公開
●キャスト:綾野剛,北川景子ほか
安楽死を手口にする「ドクター・デス」と呼ばれる医者がいた
安楽死といった連続殺人犯に挑む!
人気シリーズ、刑事犬養シリーズの四作目の小説
社会問題ともなっている「安楽死」を題材にした小説
自分は「安楽死」についてどう考えるのか?悩ましいなと思ったよ
社会の倫理やルールが正しいのか、自分の生き方は自分で決めるべきなのか。
社会はどんな答えを今後出していくのだろうか?
『さくら』
【著者】西加奈子
【出版社】小学館
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月13日公開
●キャスト:北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、寺島しのぶと永瀬正敏ほか
長谷川家の兄のハジメは20歳で事故により他界した。ハジメの死をきっかけにバラバラになってしまう家族。
数年後、いなくなった父が帰ってくるという!
壊れかけた家族はどうなるのだろうか?
家族にはいろんなことが起きる
いい時もあれば、困難な時もあるし、疎遠になるときもあるし。
でも「家族は家族なんだ」と思えるのが、なんだか幸せでうれしいと思えたよ
『水上のフライト』
【著者】土橋章宏
【出版社】徳間書店
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月13日公開
●キャスト:中条あやみ、杉野遥亮、大塚寧々、小澤征悦ほか
不慮の事故で走り高跳び選手としての夢を絶たれた女性が、パラカヌーとの出会いを通して希望を取り戻していく物語。
いつもパラリンピックをみると、体が不自由な人たちの強靭な意志で競技にうちこむ姿に驚く。
一人一人に物語があって、そこまでたどり着くにはどんなにたいへんだったのだろうかと思うと、ぐっと胸が熱くなる。
「私だって負けてられないよ!」と前向きになれる小説だったよ。
『日本沈没』
【著者】小松左京
【出版社】KADOKAWA
**映画情報**
「日本沈没2020 劇場編集版 シズマヌキボウ」
●映画公開日:2020年11月13日公開
オリジナル解釈を加えてアニメ化した「日本沈没2020」の劇場版
小松左京が1973年に発表した名作SF小説
日本列島の下で何かが起こっている!
「日本沈没」を警告する田所博士の指示で、政府は“D‐1”計画を立て、極秘に調査を開始した。
大地震との闘いが続く日本の姿は、数十年前から変わっていないのかなと思ってしまう。
2020年の現代の目を持って読んでも古臭さは感じられない
SF小説なのに、恐怖と不安で背筋がヒューと寒くなるような小説だったよ
『ホテルローヤル』
【著者】桜木紫乃
【出版社】集英社
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月13日公開
●キャスト:波瑠、松山ケンイチ、安田顕ほか
著者の桜木紫乃の自伝的小説。
北海道の小さなラブホテル、ホテルローヤルが舞台
現実の世界とは違う世界が広がる、ラブホテルの中で繰り広げられる男と女の非日常が書かれた7つの短編物語集。
*149回直木賞を受賞した作品
ラブホテルというどこか秘密めいた雰囲気のある場所が舞台となって繰り広げられる物語。
人間の弱さが痛々しかった。
でも、ふとした瞬間、人と人との繋がりや優しさを感じられたことに救いを感じたよ。
『家なき子』
【著者】チョ・ナムジュ著/斎藤真理子訳
【出版社】筑摩書房
**映画情報**
『家なき子 希望の歌声』
●映画公開日:2020年11月20日公開
●キャスト:マロム・パキンほか
原作はフランスの名作児童文学「家なき子」
南フランスの農村で暮らす8歳の少年レミ。幸せに暮らしていたのに自分が捨て子と知り、家を追われてしまう。
レミは旅芸人の情の深い親方に売られてしまうが、レミはそれをきっかけに長い波乱万丈の家族探しの旅にでる。
たくさんの出会いを通してレミの成長や生涯をえがいた小説。
本当の幸せ、本当の家族ってなんだろうと長いあいだ探し求めるレミ
が、探し物が見つかったからといって幸せになれるわけではない。
児童文学だけど大人も”幸せ”ってなんだろうと考えてしまう物語だったよ
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『滑走路』
【著者】萩原慎一郎
【出版社】KADOKAWA
**映画情報**
●映画公開日:2020年11月20日公開
●キャスト:浅香航大、水川あさみほか
映画は萩原慎一郎歌集を原作に、現代をもがき生きる人々の苦悩と希望をオリジナルストーリーで描いた人間ドラマ。
32歳で命を絶った夭折の歌人・萩原慎一郎
いじめ、非正規雇用といった人生の逆境に負けず、生きる希望を歌い続けた歌人がいた。
若き歌人が遺した295首。
▼映画のための小説はこちら
萩原慎一郎歌集を原作に、現代をもがき生きる人々の苦悩と希望をオリジナルストーリーで描いた人間ドラマ小説。
生きることは難しいよね。
どんな社会だって、だれだって、難しいことは難しい。けれど、私はその中を鈍感さをもって生き抜くよ。と作者の萩原慎一郎さんに言いたくなった。
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『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』
【著者】ジュディス・カー (著, イラスト), 松本 亨子 (翻訳)
【出版社】評論社
**映画情報**
●『ヒトラーに盗られたうさぎ』
●映画公開日:2020年11月27日公開
ドイツの絵本作家ジュディス・カーが少女時代の体験を基につづった自伝的小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」
1933年2月。ベルリンで両親や兄と暮らす9歳のアンナは、突然家族(ユダヤ人一家)でスイスに亡命することに。
アンナは大好きなピンクのうさぎのぬいぐるみに別れを告げ、過酷な逃亡生活が始まる。
ジュディス・カーさんの絵本『おちゃのじかんにきたとら』の明るいイメージが強くて。
そんなジュディスさんが、困難な人生を過ごしたなんてと驚いたよ。
強制収容所に送られたユダヤ人だけでなく、ナチスによって人生を大きく変えることになったユダヤ人もたくさんいたことを忘れてはいけないな。
そして、なにより私たち日本人は戦争の悲惨さと誠実に向き合っているのかなとも思う。
『アーニャは、きっと来る』
【著者】マイケル モーパーゴ (著)
【出版社】評論社
**映画情報**
映画公開日:2020年11月27日公開
●キャスト:ノア・シュナップ、ジャン・レノほか
イギリスの児童文学作家マイケル・モーパーゴの小説
第二次世界大戦中、ナチス占領下のフランスが舞台
羊飼いの少年ジョーは、ある日山の中で見知らぬ人とめぐりあい、ナチスの迫害をのがれたユダヤ人と知り合い、ユダヤ人の救出作戦に関わることに。
戦時中のユダヤ人の生きる困難さが題材になった作品が続くよ。
戦争を知らない世代は物語を読むことで、戦争のもつ恐ろしさを知らなくちゃね。
『叶えられた祈り』
【著者】トルーマン・カポーティ
【出版社】新潮社
**映画情報**
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』
●映画公開日:2020年11月6日公開
●20世紀アメリカ文学を代表する作家トルーマン・カポーティの栄光と転落を描いたドキュメンタリー。、“未完の絶筆”とされる問題作『叶えられた祈り』を巡るミステリーをひも解いていく。
『叶えられた祈り』は、カポーティ自身をモデルにした作品。
30代の作家志望兼男娼のジョーンズと、彼に関わるハイソサエティな人々の退廃的な生活ゴシップが満載の物語
カポーティといえば『ティファニーで朝食を』のイメージが強かったので、かなり衝撃的な作品だったよ。
成功した男だからこそ闇の部分はあるんだな~。
この記事で紹介した本リスト
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