2021年4月23日更新
『茶の本』は岡倉天心が書いた本ということは知っていても、どんな内容の本だか知っていますか?
読みにくそう、難しそうな『茶の本』が現代人の私たちが読みやすいようにマンガになっいます。
マンガになっていて読みやすかったのにも関わらず、内容は驚くほど濃厚な内容でしたので紹介しますね。
『茶の本 (まんがで読破)』
【著者】岡倉 天心 (著), バラエティアートワークス
【出版社】イースト・プレス
生き方すら変えてしまう名著だった
『茶の本』は岡倉天心の世界的に有名な作品です。
岡倉天心の本名は岡倉覚三は、1906年(明治39年)ニューヨークで『茶の本 THE BOOK OF TEA』を出版しました。
『茶の本』が書かれたのは日本が近代化・西欧化路線が主流であった明治時代、西洋に強い憧れがある時代でした。
そんな時に異国の地で日本文化のすばらしさを書いた岡倉天心を尊敬します。
マンガで読みやすい
明治時代に書かれた難しそうな内容の『茶の本』もマンガになると一気に読みやすくなります。
しかも主人公は、現代に生きるごくごく普通のサラリーマンになっているので、自分のように、また身近な友達のように感じられます。
主人公の男性は、普段わたしたちが「そうそう、そんな風に思っていた」とずっと疑問に思っていたことを、さらりと茶道の先生に尋ねます。
主人公のサラリーマンが教えを請うた内容の一部
●茶の歴史
●禅と茶道の関係
●茶花のこと
●茶室について
●利休七則
茶箱
主人公の男性は私が茶道のお稽古で、先生に聞きにくいことをズバリと聞いてくれていたわ(笑) ありがとう!
「ナイスな質問!」と声をかけたくなりましたよ
茶道への興味がわく
”茶道の世界は未知の世界”という日本人も多いですよね。
茶道はただお茶を点てて飲むだけだと思っていませんか?
このマンガでは、そんな人にこそ茶道の世界に導いてくれます
といっても、お茶を点てるお点前の順番が書かれているわけではありません。
茶道をたしなむための意識や考え方が書かれているのです。
私が勉強不足ということもありますが、茶道を10年以上習っている私も勉強になることがたくさんありました。
マンガといえども本質をついている
『茶の本』には、茶道に役立つだけではなく、普段の生活の意識・行動にも大きく関わることが書かれています。
特に「利休七則」は普段の生活に役立ちますよ。
茶箱
私は第六則「降らずとも雨の用意」を心がけ、いつもバックには折りたたみ傘をいれています(笑)
大げさに言えば、このマンガを読んだ後あなたの生き方は変わってしまうかもしれません。
茶道をやっていなくてもだれもが読んでほしい一冊です。
西洋と日本との違い
『茶の本』では、西洋と日本の文化の違いについても書かれています。
『茶の本』が書かれた明治時代は、びっくりするほど西洋と日本の文化の違いがあったなか、岡倉天心はどちらが良い、悪いではなく、客観的に違いを認めています。
”花”ひとつをとっても自然や美意識の違いや、家の装飾に対しての考え方の違いについて書かれていました。
現代はグローバル社会といえども、脈々と引き継がれてきた日本文化はやはり大きく異なります。
明治時代から西洋に憧れ続けている私たち日本人にも、素晴らしい文化があることを再発見できると思います。
まとめ
マンガ『茶の本』は茶道の本だと思っていたらもったいない!
普段の生き方さえも変えるほどインパクトのある本でした。
茶箱
茶道に興味のある人、茶道に興味のない人でも多くの人に読んでほしい一冊です。
名著がマンガで読めるのもうれしいですね。