生き方すら変えてしまう名著だった
『茶の本』のオリジナルは岡倉天心が書いた本ということは知っていても、どんな内容の本だか知っていますか?
実は『茶の本』は現代人の私たちが読みやすいようにマンガになって発売されています。
マンガになっていて読みやすかったのにも関わらず、内容は驚くほど濃厚な内容でしたので紹介しますね。
マンガ『茶の本』
『茶の本』は岡倉天心の世界的名著です。
岡倉天心の本名は岡倉覚三、ニューヨークで『茶の本 THE BOOK OF TEA』を出版しました。
『茶の本』が書かれたのは日本が近代化・西欧化路線が主流であった明治時代、西洋に強い憧れがある時代でした。
そんな時こそ異国の地で日本文化のすばらしさを書いた岡倉天心を尊敬します。
マンガなので読みやすい
難しそうな内容の『茶の本』もマンガになると一気に読みやすくなります。
主人公はごくごく普通のサラリーマンなので、自分のように、身近な友達のように感じます。
主人公の男性は「そうそう、そんな風に思っていた」とずっと疑問に思っていたことなんかを、さらりと茶道の先生に尋ねます。
ごく普通の茶道のお稽古でもなかなか聞きにくいことをズバリと聞いてくれます(笑)。
ありがとう!
彼が教えを請うた内容の一部は以下の感じ。
●茶の歴史
●禅と茶道の関係
●茶花のこと
●茶室について
●利休七則
知りたくなることばかり。
主人公の男性に「ナイスな質問!」と声をかけたくなりましたよ。
茶道への疑問に答えてくれる
今や馴染みのない人にとって茶道の世界が未知の世界という日本人も多いですよね。
茶道はただお茶を点てて飲むだけだと思っていませんか?
このマンガでは、そんな人にこそ茶道の世界に導いてくれますよ。
といっても、お点前の順番が書かれているわけではありません。茶道をたしなむための意識や考え方が書かれているのです。
ちなみに、茶道を10年以上習っている私も勉強になることがたくさんありました。
(私が勉強不足ということもありますが)
マンガといえども本質をついている
茶道だけではなく普段の生活の意識・行動にも大きく関わることが書かれています。
特に「利休七則」は普段の生活に役立ちますよ。
私は第六則「降らずとも雨の用意」を心がけ、いつもバックには折りたたみ傘をいれています(笑)。
大げさに言えば、このマンガを読んだ後あなたの生き方は変わってしまうかもしれません。
茶道をやっていなくてもだれもが読んでほしい一冊です。
西洋と日本との違い
西洋と日本の文化の違いについても書かれています。
『茶の本』が書かれた明治時代は、今とは違い西洋と日本の文化の違いはびっくりするほどの違いだったに違いありません。
そんななかで岡倉天心はどちらが良い、悪いではなく、客観的に違いを認めています。
”花”ひとつをとっても自然や美意識の違いや、家の装飾に対しての考え方の違いについて書かれていました。
現代はグローバル社会といえども、脈々と引き継がれてきた文化はやはり大きく異なります。
明治時代から西洋に憧れ続けている私たち日本人にも、素晴らしい文化があることを再発見できると思います。
まとめ
マンガ『茶の本』はいかがでしたか?
茶道の本だと思っていたらもったいない。
生き方さえも変えるほどインパクトのある本でした。
茶道に興味のある人、茶道に興味のない人でも多くの人に読んでほしい一冊です。
名著がマンガで読めるのもうれしいです。