茶箱
生活に根付いたアート「民藝」の世界が目の前に現れる物語よ
『リーチ先生』原田マハ
【著者】原田マハ
【出版社】新潮社
2019年光塩女子学院中等科、2020年立教新座中学校の入試問題(国語)で出題されました。
原田マハ『リーチ先生』あらすじ・読みどころ
プロローグ 1954年
イギリス人陶芸家バーナード・リーチが大分の焼き物の里・小鹿田を訪れる。その世話係を命ぜられた高市は、亡父・亀乃介がかつてリーチに師事していたことを知る。
明治~昭和時代の日本
イギリス人の陶芸家バーナード・リーチを先生と仰ぐ若き陶芸家の卵、亀乃介(高市の父)が語る物語。
亀ちゃんとリーチ先生は、師弟関係でもあり兄弟のような関係。
互いを思いやる愛情あふれる「亀ちゃんの青春日記」のようなストーリーになっている。
エピローグ 1979年
陶芸家になった高市が、心の師リーチ訪ねる。
高市と亀乃介父子の二代にわたる「リーチ先生」との関わりから、生涯をとおして陶芸を突き詰めたリーチの人生がみえる。
2019年光塩女子学院中等科の入試問題(国語)を解いてみた
出題された部分は物語の最初の部分
1954年、大分県小鹿田を訪れたリーチ先生のお世話係になった陶工見習いの高市が、リーチ先生から陶芸を教われるとワクワクするシーン
民藝活動で有名な陶芸家、濱田や河井についてのリーチの話し
リーチが父亀之助から何か遺してもらったかと高市に尋ねるシーンまで
*入試問題文章には、リーチ先生と亀之助の関係は書かれていない。
● 民藝とは何かを知っておくとわかりやすい
➡民藝が生活に根付いたものであることを知っておくと読みやすい
茶箱
原田マハ『リーチ先生』は、”民藝”について書かれた物語だけど、ここでは陶芸について、高市とリーチ先生、ふたりの考えの違いを読み解いていくだけで大丈夫
陶芸・民藝という言葉や、著名な陶芸家の名前が出てくると「難しい」と思ってしまうけれど、そこは深く考えず悩まずに!
とにかく高市少年になりきって問題を解くのがおすすめ
原田マハ『リーチ先生』役立つちょこっとメモ
中学受験生へのおすすめ度
★(3点満点中)
中学受験生が読んでも理解できるけれど、「おもしろい物語」としてまでは読みきれないかなと思う。
物語というよりも、リーチ先生を通して「民藝」について学べる本として考えたほうが読みやすい。
厚い本で長いストーリーなので、ゆっくり読書の時間がない人にはおすすめしない。
*読みどころや試験問題の感想は、あくまでも私個人の意見です。
続けて学ぶための本は?
日本民藝館へいこう
民藝についてちょっとでも知っておくのがおすすめ