額賀澪さんの【タスキメシ】シリーズを紹介します。
額賀澪さんの【タスキメシ】シリーズは、スポーツ好き、駅伝好き、おいしい料理が好きな人におすすめの本です
【タスキメシ】シリーズ
【著者】額賀澪
【出版社】小学館
●1作目、2作目文庫本あり(2023年10月)
登場人
眞家早馬(まいえ そうま)
高校3年生(1作目)
父と弟と3人暮らし
陸上部で長距離選手だったが、怪我をしたためリハビリ中
陸上を続けるか悩む中で、伊坂都に出会い、料理に目覚める
眞家春馬(まいえ はるま)
早馬の弟
高校2年生(1作目)
兄の早馬と同じ高校の陸上部に所属し、長距離選手として活躍中
食べ物の好き嫌いが激しい
井坂都(いさか みやこ)
高校3年生(1作目)
料理研究部(部員はひとりだけ)
離婚した父親とふたりで暮らしている
料理上手で、早馬に料理を教えるようになる
助川亮介(すけがわ りょうすけ)
高校3年生(1作目)
陸上部の部長
井坂都の幼なじみ
舞台
1作目:私立神野向高校
2作目:紫峰大学駅伝部
3作目:東京オリンピック会場ほか
読む順番
順番どおりによむのがおすすめです
①『タスキメシ』
②『タスキメシ 箱根』
②『タスキメシ 五輪』
『タスキメシ』
●文庫本あり
●一章「去る者」、二章「追う者」の連作小説としても読める
●第62回青少年読書感想文全国コンクール課題図書
あらすじ・読みどころ
陸上部で長距離選手として頑張っていた眞家早馬は、大けがを負い、長くリハビリ中。
そんななかで、一人で料理研究部として活動している井坂都と出会い、料理を教わるうちに、料理に夢中になっていきます。
母親がいないため、眞家の家の食事は悲しいものだったので、今まで食べ物について深く考えたことがなかった早馬(兄)。
おいしくて栄養がある料理で、春馬(弟)の走りを料理で応援したいと早馬(兄)の想いがあったのです。
一方では春馬(弟)は、早馬(兄)が競技に戻ってくることを切実に待っているですが、実は、早馬(兄)は、春馬(弟)には、長距離では勝てないと認めているのです。
すれ違う兄弟の想い。
早馬(兄)は陸上に戻るのか?
そして、この物語の、もうひとつの読みどころは伊坂都ちゃんの物語です。
➡第2章「追う者」
料理上手の彼女には、そうならざるおえなかった家庭の事情があったのです。
白熱した駅伝シーンもあり、おいしい料理が山のようにでてくる、人の心の温かさに涙する、読みどころ満載の物語です。
物語にでてくるおいしい料理
偏食が激しい春馬(弟)が栄養をつけやすい料理
一章「願う者」
◆アスパラと里芋と豚肉の照り焼き炒め
◆鯵のなめろう丼
◆ピーマンの肉巻き
◆カブと手羽元の煮物
などなど。
二章「追う者」
◆焼き茄子
◆ローストビーフ
◆チンゲン菜とハムの炒め物
◆トマトのドライカレー
などなど。
スポーツを愛する心、誰かを大切に想う心が、ふんだんに詰まった感動物語です
第2弾『タスキメシ 箱根』
●文庫本あり
●一章「願う者」、二章「挑む者」の連作小説としても読める
あらすじ・読みどころ
大学卒業後、管理栄養士になった早馬(兄)は、大学院でスポーツ栄養学を学びながら、紫峰大学駅伝部のコーチアシスタント兼栄養管理として、部員たちと箱根駅伝初出場を目指すことになります。
夢をもちながらも、嫉妬、諦め、挫折を経験した早馬(兄)は、栄養管理に基づく料理と、箱根駅伝出場への想いで、一度も箱根駅伝に出場できない弱小チームの部員たちに寄り添います。
そんな一生懸命な早馬(兄)を、受け入れられずにいたキャプテンの仙波千早。
駅伝部は、ひとつになれるのか!
お正月の風物詩、箱根駅伝の予選から本選の臨場感たっぷりのハラハラドキドキのシーンや、丁寧に書かれた箱根駅伝に挑戦する彼らたちのそれぞれの繊細な心の内。
ランナーとしてはエリートではない若者たちの、箱根路への想いがたっぷりつまった、駅伝物語です。
そして、今回もおいしい栄養たっぷり料理が満載です。
物語にでてくるおいしい料理
駅伝部員たちへ栄養たっぷりの料理
一章「願う者」
◆キャベツの胡麻和え
◆蜂蜜味噌カステラ
◆隠し野菜ハンバーグ
◆蜂蜜レモンソーダ―
などなど。
二章「挑む者」
◆チーズと鰹節のおにぎり
◆焼肉手巻き寿司
◆ハムチーズほうれん草おにぎり
◆餅入り和風スープ
などなど。
料理を食べるために、早馬(兄)と結婚したくなります
第3弾『タスキメシ 五輪』
●一章「祈る者」、二章「選ぶ者」の連作小説としても読める
あらすじ・読みどころ
一章「祈る者」は、前作(第2弾)『タスキメシ 箱根』で登場した千波千早と、第一弾から登場している伊坂都が中心になった物語です。
コロナ禍のなかで、開催されるかどうかもわからない状態が長く続き、ようやく開催された東京五輪が舞台になっています。
大学を卒業し、食品会社に就職した千波千早は、会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、伊坂都と仕事仲間になります。
それでも、千波千早と伊坂都が、東京五輪選手村食堂では裏方として世界のアスリートたちを支える立場になり、成長していくお仕事物語です。
伊坂都ちゃんのお友達として、早馬(兄)もちょこっとでてきます。
後半の「選ぶ者」では、春馬(弟)はパリ五輪を視野に入れ世界陸上に参戦します。
春馬の高校時代、陸上部の部長だった助川亮介や、高校大学時代のライバル陸上エリートの藤宮らは、年齢を重ね、アスリートとしてこれからについて悩みはじめます。
彼らの自分との闘いと、競技での戦いが始まるのです。
それぞれの登場人物が社会人となり、高校時代からは想像できない世界に立つ”今”の自分と闘っています。
でも走ることを愛し、走る人を応援する心は、誰一人として変わっていません!
スポーツを愛する人たちへのエールを贈る物語です。
物語にでてくるおいしい料理
一章「祈る者」
◆アスパラとアサリの春たっぷりピザ
◆鶴亀印の焼き餃子
◆蜂蜜レモン
などなど。
二章「選ぶ者」
◆鯛の昆布締めちらし寿司
◆レバニラ炒め
などなど。
第三弾は、登場する料理が少なめだったのが残念でしたが、スポーツを愛する人たちの心、楽しみや苦しみが、リアルに丁寧に描かれていました
<まとめ>額賀澪【タスキメシ】シリーズ
額賀澪さんの【タスキメシ】シリーズを紹介しました。
スポーツ、駅伝が好きで、おいしい料理が好きな人におすすめの本です
茶箱
スポーツのもつ、人を感動させる力が存分に味わえる
そしておいしい料理も味わえちゃう物語です