茶箱
「普通って何?」、「自分自身にモヤモヤしている」と悩んでいる人におすすめしたい本(児童書)よ
集団で生活をしていると、自分と他人を比べてしまいます。
「普通ってなんなんだろう?」
「みんなと同じ考え方や生き方をしないと仲間はずれになっちゃうかも」
と思いませんか?
学校生活や家庭のなかで、自分の存在がぼんやりしている、自分自身がモヤモヤしてよくわからないと思っている人にぜひぜひおすすめの本です。
この本を読んでお悩み解決『ブラザーズ・ブラジャー』
【著者】佐原ひかり
【出版社】河出書房新社
こんな悩みを持つ人におすすめ
● 普通って何?と思っている
● 集団生活(学校生活や家庭)のなかでの自分の存在がぼんやりしている
● 自分自身がモヤモヤしてよくわからない
この本の役立ちポイント 悩み解決へ
両親の再婚で姉弟の関係になったふたりから、「普通って何?」とモヤモヤする気持ちを解決するヒントがもらえます。
「普通」に縛られない生き方を考えるきっかけに!
ふたりを取り巻く人たちの生き方や意見も参考になります。
茶箱
突然、家族になった姉と弟の関係だからこそ、お互いの生き方や考え方にツッコミを入れやすいのかもね
『ブラザーズ・ブラジャー』おすすめポイント
おすすめの年代
● 中学生・高校生むけ(本好きなら小学生高学年から読める)
● 大人でも読みごたえあり
あなたに似た人はいるかな?主な登場人物
◆ちぐさ
父と二人暮らしだったが、父の再婚で4人家族になる
第一章では高校1年生、第二章では高校2年生
◆晴彦
ちぐさの弟になる
第一章では中学2年生
おしゃれの観点からブラジャーの美しさを愛している
◆智
ちぐさの彼氏(彼からの告白で付き合い始めた)
かっこよくて生徒会の役員、サッカー部というパーフェクト男
心に響いた言葉
▶▶ちぐさの想い 彼らとは智(彼氏)のように強い側の人たち
彼らがつくる「ふつう」は、いつだって私を刺せる。
刺すつもりもなく、刺せる。
(p.44)
▶▶ちぐさの言葉 ブラジャーをつける弟に理解あるようにふるまった自分に対して
タヨウセイってやつを大事にできないやつは良い人失格なの
(p.106)
▶▶晴彦(弟)の言葉 勝手に弟のキャラをつくっているちぐさ(姉)に対して
見せていることがすべてじゃないだろう。
見えているものが、すべてでもない。
(p.183)
▶▶ちぐさの彼氏智の言葉 「ちぐさは弟優先」という智に反発したちぐさへ対する言葉
自分のことは自分で見えないもんな。
おかめはちもくだよ。
(p.129)
茶箱
どれも名言!
人から見て「普通」という枠に入れば安心と思っていた私には、心にずっしり響いたわ
どんな本?あらすじ・感想
両親の再婚で姉と弟になったちぐさと晴彦。
晴彦(弟)は美しいブラジャーを愛する(家では身につけたりもする)男の子だった。
そんな弟を「普通だ」と理解していると思っていた姉ちぐさだったが、本当に彼のことをわかっていたのだろうか?
中2の晴彦が美しいブラジャーを身につけるシーンは、なかなか衝撃的なシーンでした(笑)
ちぐさは、周囲の人に、本当の自分をわかってもらえないと憂いているのに、晴彦に対しては勝手に彼の人格を自分のなかで作りあげてしまいます。
これって一番人を傷つけるパターンですよね。
ちぐさは、「弟は普通だ、感受性がするどい」などと周囲には言うのに、本心は「普通じゃないんでは」と思っているのです。
人はどうして、他人と比べて、自分は普通だと安心したり、普通と違う自分が嫌いになったり、おちこんだりするんだろうかとつくづく思っていまいます。
普通なんて誰がきめたことでもないのにね。
この本の物語の良さは、「普通という枠なんて本当はない」と気づく大人になって、ようやく理解できるのかなと思いました。
* 第2回氷室冴子青春文学賞大賞
義理の弟・晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇した、高校生のちぐさ。「おしゃれでやってるんだよ!」と言う晴彦に、ちぐさは……?
【引用:アマゾン『ブラザーズ・ブラジャー』より】
感想文を書くなら おすすめテーマ
本を読んで一番心に残ったことを書くのが一番いいけれど、頭の中で上手くまとまらない時におすすめしたい感想文のテーマ
① 「普通」って何だろう?それって例えばどんなこと?
② ブラジャーを愛する弟がいたらどう思う?
③ 自分に近い登場人物は誰?
茶箱
学生時代に、”周囲の見る自分”と”自分が見る自分”の違いに悩んだことを思い出したわ
あわせて読みたいおすすめ本
大人だって「普通って何?」という悩みを抱えています。
大人だからこそ「普通」(と思われている)を超えた発言は躊躇してしまう。周りにあわせて、自分の気持ちを言えないんですよね。
そんな大人の気持ちがわかるおすすめの本を紹介します。(大人向けです)
『声の在りか』
【著者】寺地はるな
【出版社】KADOKAWA
家庭をもち、子どもをもち、大人になるにつれて、どんどん自分の気持ちを外にはきだせなくなっている希和。
自分のなかでモヤモヤがずっと続いている
でも民間学童で働きはじめたことをきっかけに、どんどん自分の気持ちがあふれでてきて、抑えられなくなってくる。
大人の女性の成長物語。
茶箱
子どものためと思うと、やっぱり母は強いわね!
まとめ
『ブラザーズ・ブラジャー』は、「普通って何だろう?」と悩んでいる人におすすめの一冊です。
ブラジャーを通してお互いの距離を縮めた義理の姉弟の成長を通して、「普通」を超えた自分らしい生き方を考えるきっかけになります。
学校生活や家庭のなかで、自分の存在がぼんやりしている、自分自身がモヤモヤしてよくわからないと思っている人にぜひぜひおすすめの本です。
茶箱
読んでみてね