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中学・高校入試で出題された本を読む!小中学生におすすめ朝読書本探し

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一木けい『9月9日9時9分』10代におすすめの本!初恋に胸キュンしながらも厳しい決断が求められる究極の物語【小学校高学年から】

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 茶箱

家族のために自分の恋を諦められる?

 

『9月9日9時9分』

 

9月9日9時9分

☝画像をクリックするとアマゾンへ

 

【著者】一木けい

【出版社】小学館 (2021年3月12日発売)

 

読みどころ

 

● 家族の絆ってなんだろう?

 

● 人間の本当の姿って見極められるのかな?

 

 

あらすじ

 

バンコクからの帰国子女である高校1年生の漣

父と母と離婚して実家に戻ってきている姉の4人家族だ。

 

高校入学後、廊下でとある先輩朋温(ともはる)に一目ぼれ。

が、彼はぜったいに好きになってはいけない人だった。

 

それでも朋温が好きな漣は、大好きな家族に嘘をつくようになる。

 

ドキドキする恋のあとに待ち受けた恋の行方は?

家族を守りぬくと決めた漣の思いが純粋すぎて心に痛く響く物語

 

  

【YAブック】10代に読んでほしい本

 

中学生・高校生向け

 

● 夫婦DVの辛い状況の描写あり

 

DVについては社会問題にもなっているので知っておいてもいいと思うが、デリケートな問題なので気になる方は事前に親が読んでみるのをおすすめします。

 

10代が楽しめるのは特に前半部分

 

漣と朋温の恋愛は大人が読んでも胸キュンものです。

 

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トレンディドラマのように、二人が海外でバッタリ出会うとか、ありえない状況でも胸キュンしちゃうのよ

 

印象に残ったフレーズ

 

大きな問題を抱えた家族の物語だけに、心に残るセリフが目白押しでした。

 

● 漣が信頼している安良田先生の言葉

 

 

『困ったときはプロに頼れ』

(p.321)

 

 

● 素直に生きている漣ちゃんが同級生(漣の友達米陀さんの言葉)に言われた言葉

 


あんたはいつもただ見ているだけだもんね。表面的っていうかさ
(p.93)

 

 

● 母が姉が受けたDVの内容を漣に話した時の母の言葉

 


自分が見たもの以外は信じないのは悪いことじゃない。ほんとうかなって思ってしまうのも仕方ない。感情、というか反応だから。でもそれを言葉にする前に、すこし用心した方がいいかもしれない。誰かの気力を奪う可能性があるよ
(p.135)

 

 

このほかにも心にビリビリと響く言葉がたくさん書かれています。

 

 

親子でも夫婦でも、人間関係に唯一の正解なんかないでしょう?

(p.350) 

 

 

 

悩んで迷って、自分で考えた道は不正解じゃありません。

(p.362)

 

 

 

思い込みというものは厄介だ

(p.341)

 

 

 

疑われる方もしんどいだろうけれどさ、疑う方もしんどいんだよ

(p.328)

 

 

『9月9日9時9分』感想

 

私は漣の”性善説を信じる”のに近い感情をもった。


姉がしつこいくらいのDV夫への恨みつらみを家族にぶつけてくるのが、読んでいて辛かった。


家族でDVについて考えたり、学んだりするよりも、まずは姉を専門病院へ連れていくべきではと感じた。
残念だけど家族で守ってあげられるなんて、たいしたことじゃない

それこそ専門家に任せるべき

 

起こってしまったことはもう取り返せない
もっと家族は未来を見るべきではないかな

 

漣だって恋を諦める必要なんかない
だって漣も朋温も姉のDVとはまったく関係ないんじゃないかな

 

でも当事者や当事者家族にならないとわからないことが多いから、本を読んで何かを思ったり考えたとしても、表面的にしか物事を見てないってことになっちゃうのかな?

 

DVを家族が受けたら自分が受けたら自分は何ができるだろうか?

自分も表面的にしか人や物事をみていないんじゃないか?

自分にとってゆずれない大事なモノはなんだろうか?

人は一度失敗したらもう信頼は取り戻せないのか?

DVをする人は救いようのない悪人なんだろうか?

 

いろんなことを考えるきっかけになる物語だった。

 

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正解はわからないけれど考えることって大事よね

 

次におすすめしたい本

 

家族の問題は10代にとっては大きな悩みつながりで2冊紹介します。

 

『星の子』今村夏子

 

 

林ちひろは中学3年生。

家族そろって「あやしい宗教」に入信している家族の物語。

家族は好き、でも自分の将来を考えるとこのままでいいのか?

 

『羊の告解』いとうみく

 

 

ある日突然「加害者家族」となった中学3年生の涼平

父が犯した罪は殺人

涼平と涼平の家族、父はこれからどう生きていくべきなのか、中学3年生の涼平には思っていた以上に重い問題だった。

 

紹介した本