2023年11月16日更新
小川糸さんの【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズを紹介します。
タイトルがまったく違うのため、シリーズものと気づかないかもしれません。
読み逃しに注意です!
【最新情報】2023年10月
2023年11月1日に第3巻の「椿ノ恋文」が出版されました。
小川糸さんの【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズは、鎌倉の雰囲気が好き、ほんわかしたマイペースな生き方に憧れている人、おいしい食べ物が好きな人におすすめの本です
小川糸【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズ
【著者】小川糸
【出版社】幻冬舎
【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズはこんな本・あらすじ
鎌倉で文具店を営む鳩子(ポッポちゃん)は、副業で代書屋をしています。
実は雨宮家は、江戸時代から代々、代書屋をしている家系。
鳩子は11代目になります。
「影武者みたいなもので、陽の目はみないけれど、”誰かの幸せに役に立つ”仕事」と代書屋」を引き継ぎます。
代書する手紙ごとに便箋・封筒、筆記具、筆跡や文体を変えて、切手までにこだわり、大切な人への想いを、「ツバキ文具店」の鳩子(ポッポちゃん)があなたに代わってお届けします。
鳩子(ポッポちゃん)を中心に、鎌倉が舞台になった人情物語でもあります
●1巻、2巻、番外編は文庫本あり(2023年10月)
文庫本には可愛いパラパラマンガ付
●2017年、NHKで「ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜」としてドラマ化されている
●舞台となった鎌倉にある実在する、お店や観光名所がたくさん登場する物語
●鎌倉のおいしいモノがぞくぞく出てくるおいしい物語
●1巻目『ツバキ文具店』は2017年本屋大賞第4位
●2巻目『キラキラ共和国』は2018年本屋大賞候補作
主な登場人
ポッポちゃん(雨宮鳩子)
20代後半(1巻目)の女性
先代(祖母)の後を継ぎ、鎌倉で小さなツバキ文具店を営む
副業として江戸時代より続く代書屋として手紙の代書を請け負っている
先代(雨宮カシ子)
鳩子の祖母
常に厳しく鳩子を育てた
QPちゃん(守景陽菜)
5歳(1巻目)のかわいい鳩子の文通相手
鑑文字を書く
母親はいない
守景蜜朗(もりかげみつろう)
QPちゃんの父
鎌倉でカフェを営む
バーバラ婦人
ツバキ文具店の隣人
上品な老婦人で、鳩子とは悩みを打ち明けるほどの仲良し
舞台
鎌倉宮近くにある、小さな文具店「ツバキ文具店」
読む順番
順番に読むのがおすすめです
①『ツバキ文具店』
②『キラキラ共和国』
③『椿ノ恋文』
番外編『ツバキ文具店の鎌倉案内』
番外編『椿ノ恋文画集』
対象年齢・入試出題情報
中学生・高校生くらいから大人まで
大人向けの本ですが、中学生・高校生くらいでも読みやすい本です。
小川糸さんの作品は中学入試でも、数多く出題されています
●『ツバキ文具店』は、2020年中央大学附属横浜中学校(2回目)、2021年 東京女学館(3回目・国際学級)、2023年吉祥女子中学校(2回目)の中学入試で出題されました
●『キラキラ共和国』は、2019年大妻多摩中学校の中学入試で出題されました
●2021年、森村学園中等部の中学入試では『つるかめ助産院』が出題されました。
映像化されたDVD
ツバキ文具店に関わる人たちや、ツバキ文具店のある鎌倉が映像で楽しめるDVDもおすすめです。
2017年NHKで放送されたドラマ「ツバキ文具店 鎌倉代書屋物語」がDVD化されたものです。
主人公ポッポちゃんは、多部未華子さんが演じています。
素敵な挿絵
『ツバキ文具店』の魅力といえば、心がなごむ、かわいらしい素敵な絵も欠かせません!
絵を描いているのは 素描家のshunshunさんです。
第1巻『ツバキ文具店』
あらすじ・読みどころ
祖母が亡くなり、鎌倉になる「ツバキ文具店」を継ぐことを決心したポッポちゃん。
文具店とともに、手紙の代書を請け負う「代書屋」という仕事も引き継ぎます。
離婚のお知らせ、友人への絶縁状、金貸しのお断りの手紙などなど。
新人代書屋のポッポちゃんのところに、代書依頼が舞い込みます!
鎌倉でのポッポちゃんの生活では、都心ではなかなか体験できない、バーバラ婦人といった年上の人たちとのご近所付き合いも大切な日常。
ご近所さんとの交流も読みどころのひとつです。
そして、食を大事にしているポッポちゃんは鎌倉に実在するおいしいお店をたくさん訪れます。
おいしい物語が好きな人にもおすすめの一冊です。
文庫本のページ左下にはかわいらしいイラスト(パラパラまんが)が描かれているのも見逃さないでください
物語にでてくる鎌倉名所、鎌倉のおいしいモノ
◆鎌倉市農協連即売所「レンバイ」
地元(鎌倉市内と横浜市長尾台町)の農家がお店を構え野菜を販売している。
◆「PARADISE ALLEY BREAD & CO.(パラダイス アレイ ブレッドカンパニー)」
「レンバイ」の一角にある小さなパン屋
あんパンにはスマイルマークが描かれている
◆古我邸
20 世紀初めに建てられた洋館を改装したレストラン。
自然いっぱいの庭にカフェがある。
◆「OXYMORON」(オクシモロン)
カリーと甘いものと雑貨のお店
◆寶戒寺
萩の名所として有名「萩の寺」とも呼ばれる
などなど。
第2巻『キラキラ共和国』
あらすじ・読みどころ
鳩子ポッポちゃんのプライベートに大変化が!
文通相手だったカワイイお友達QPちゃんは、小学生になります。
新生活にワクワクしながらも、不安もあるポッポちゃんの日々が語られています。
亡き夫からの詫び状、憧れの文豪からのラブレター、大切な人への遺言などなど。
代筆業も途切れることなく依頼がきますし、鎌倉でのご近所付き合いも健在です。
鎌倉生活にどっぷりはまったポッポちゃんの日常が変わっていき、物語もどんどん面白くなっていきます
物語にでてくる鎌倉名所、鎌倉のおいしいモノ
◆豊島屋
鎌倉土産の定番「鳩サブレー」のお店
◆豊龍 (フェンロン)
町の中華料理屋
◆たい焼き なみへい
鎌倉・由比ヶ浜にあるお店
◆報国寺
竹のお寺で有名
◆荏柄天神社
菅原道真を祀る神社
毎年1月25日に筆供養が行われる
などなど。
第3巻『椿ノ恋文』
あらすじ・読みどころ
2023年11月1日発売
神奈川新聞(2022年4月から)、十勝毎日新聞(2022年6月から)、宮崎日日新聞(2022年8月から)、岩手日日新聞(2023年3月から)などで連載していたもの。
あの可愛かった5歳のQPちゃんは、なんと中学3年生になっています。
鳩子ポッポちゃんの家族形態や、生活もだいぶ変化しています。
先代の秘められた恋が明らかになったり、人間関係は順調だった愛されキャラのポッポちゃんが、新しいお隣さんとのお付き合いに悩んだりします。
そしてなんといっても、あんなに「お母さん、お母さん」とポッポちゃんになついていたQPちゃんが反抗期に!
ポッポちゃんを無視したり、口をきかなかったり。
QPちゃんの反抗期は、ポッポちゃんの、最大の悩みのタネになってしまいます。
(実はちゃんと理由のある反抗なんですけれどね)
とはいっても、相変わらず人助けとなるため、その人にあった代書をして、気ごころのしれた友人たちと生活を楽しんでいるポッポちゃんのステキな鎌倉生活は続いていました。
サザエさん式ではなく、私たち読者とともに、年齢を重ねていくポッポちゃんが楽しめる物語です。
QPちゃんとポッポちゃんの親子の関係、ふたりの成長が読みどころです
物語にでてくる鎌倉名所、鎌倉のおいしいモノ
◆ブンブン紅茶店
紅茶専門店
「逆さまケーキ」が人気
◆Grandar Esemble(グランディールアンサンブル)
シューアラクリーム
◆Oshino Bistoro(オシノ)
牛ハラミステーキ
◆はな
鎌倉レンバイにある、小さなおだんご屋さんの太巻き
◆源平池と平家池(鶴岡八幡宮)
鶴岡八幡宮の境内入り口に架かる太鼓橋の両側に広がる池
などなど
どんどん新しいお店がオープンしている鎌倉!
今回はどんなお店が出てくるのかな?
番外編『ツバキ文具店の鎌倉案内』
【出版元】幻冬舎
あらすじ・読みどころ
ツバキ文具店のポッポちゃん(鳩子)が、【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズ の物語の中で訪れる場所やお店を、物語と合わせて紹介するエッセイ本。
素描家のshunshunさんが描くかわいいイラストがふんだんにあり、【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズ の世界観がたっぷり楽しめる一冊です。
各名所、お店ごとに住所や電話番号、最寄り駅などがきちんと書かれているので、鎌倉巡り、鎌倉旅行のガイド本としてもおすすめです。
紹介されている鎌倉名所、鎌倉のおいしいお店・モノ
◆バーバラ婦人から分けてもらった「Yukkohan(ユッコハン)」のお弁当
◆男爵が代書のお礼でごちそうした「つるや」のうなぎ
◆鳩サブレーと並んで今人気の鎌倉土産「紅谷」のクルミッ子
◆七福神巡りで食べた「光泉」のお稲荷さん
◆落語を聞きに行った「光明寺」
◆バーバラ婦人と出かけた「ガーデンハウス」の朝食
などなど。
読んでいるだけで「あーこの時にこのお店いったよな」「このシーンで、この場所がでてきた!」と、物語を思い出し、ワクワクします
【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズ を何倍にも楽しめるエッセイ本です
番外編『椿ノ恋文画集』
【著者】しゅんしゅん
【出版元】幻冬舎
あらすじ・読みどころ
2023年11月1日発売
【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズ の刺し絵を描いている、しゅんしゅんさんが小説『椿ノ恋文』に導かれ、鎌倉を訪れて描いたスケッチと言葉たちが本になります。
<まとめ>紹介した本リスト
小川糸さんの【ツバキ文具店ポッポちゃん】シリーズ を紹介しました。
鎌倉に興味がある人、ほんわかしたマイペースな生き方に憧れている人、おいしいモノが好きな人おすすめの本です
茶箱
鎌倉を舞台に、ご近所さんや、お客様とのふれあいが、心をほっこりさせてくれます