伊吹有喜さんの本は、とにかく感動まちがいなし!
号泣ものの本だらけです。
伊吹有喜さんの本は、読みやすくて、人物の描写がとても丁寧で共感しやすい文章のため、自分とはまったく違う環境、時代、生き方の人たちの物語なのに、気づくとあっという間に本の世界に入りこめる魅力があります。
私が実際に読んで、読み終わったあとに「ああ、読んでよかったな」とつぶやいた本を紹介します。
気になる本があったらぜひ読んでみてください。
『雲を紡ぐ』
【著者】伊吹有喜
【出版社】文芸春秋社
あらすじ・読みどころ
時を超えて、時をこえて親子三代につながる「心の糸」の物語
一回こじれると厄介なものに「親子の関係」があります。
血が繋がっていて、似てないようで似てるし、近いけれど遠いような。
カンタンに分かり合えそうだからこそ、分かり合えない、理解できないこと、話せないことがたまっていくと……。
親子だって相性があるのでしょうか?
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生の美緒は、母と口論になり、岩手県盛岡市の祖父(ほとんど会ったことのない!)の元へ家出をしてしまうことからこの物語は始まります。
美緒の成長物語とおもいきや、物語は時を超えて、家族全体のからみあった関係が明らかになっていくのです。
素直な気持ちをうまく伝えられない不器用な家族。
そんな性格はそっくりなので、血のつながりはやっぱりあなどれません!
祖父の住む岩手県盛岡市の魅力が満載なのも、読みどころです!
『彼方の友へ』
【著者】伊吹有喜
【出版社】実業之日本社
あらすじ・読みどころ
戦争に振り回される女性の人生&恋物語
戦前、戦中、戦後という激動の時代に、仲間たちとともに雑誌づくりに夢と情熱を抱いていた佐倉波津子の物語です。
戦争が悪化し、言語統制や出兵、空襲の影響で、華やかに見えた雑誌の仕事は変わっていく日々。
そして、憧れや尊敬がほのかな恋ごころに変わっていく波津子想いは、伝えられないままになってしまうのです。
数十年後、平成の老人施設でひとりまどろむ波津子に、最後に明かされる恋の行方は?
戦争が自分の人生をかき乱しても、それに負けず、強く、できる範囲で楽しみ、生きる喜びを味わう、そんな波津子の生き方に心うたれて号泣でした。
ああ、戦争ってひとりひとりの人生をこんなにもカンタンに変えてしまうんですね。
『四十九日のレシピ』
【著者】伊吹有喜
【出版社】ポプラ社
あらすじ・読みどころ
大切なひとを亡くした人の四十九日間を描いた感動の物語
妻(後妻)の乙美を亡くした良平、離婚によって傷ついている娘の百合子。
人生のどん底にいる二人のもとに、真っ黒に日焼けした金髪の女の子が現れた!
彼女はだれ?
なんのために現れたのか?
突然あらわれたこの彼女こそが、良平と百合子に新しい力をわきあがらせてくれるのです!
なにかを引き継ぐって「うれしいこと」「幸せなこと」なんだと感動します!
『犬がいた季節』
【著者】伊吹有喜
【出版社】双葉社
あらすじ・読みどころ
昭和から平成、令和へ 高校生と犬のコーシローが物語をつむぐ連作短編集
犬のコーシローが、12年間高校で暮らし、生徒と学校生活を送ってゆくなかで、見て触れた18歳の青春とは……。
誰にも言えない家族の悩み、将来への不安と期待、自分へのモヤモヤや苛立ち、伝えられない恋心、何かへの熱中する気持ちなど。
青春を過ごす高校3年生たちの心は、たくさんの感情であふれているのです。
どんなにつらくても、その時「今」が輝いて見える青春のまぶしいさに感動&号泣です。
時代が変わっても、変わらぬ青春のきらめきや切なさは変わりません。
『ミッドナイト・バス』
【著者】伊吹有喜
【出版社】文藝春秋
あらすじ・読みどころ
新しい家族、そして家族それぞれの再出発物語
故郷の新潟で、深夜バスの運転手をしている利一のバスに乗ってきたのは、16年前に別れた妻だった!
離婚によって一度はバラバラになった家族は、十数年の時を経て、新しい家族のかたちを作りあげていきます。
時間がたったからこそ見えてくるものはなにか?
今、家族のあいだにある問題や憎しみ、苦しみ、怒りも時間がたてば、許し、理解、思い出に変わっていくのかもしれません。
一緒にただ住んでいる時よりも、離れて見てもっと家族を知るとことができる。
新しいスタートを切る家族に号泣です。
家族の定義ってなんだろうか?と考えちゃいます。
『なでし子物語』シリーズ
【著者】伊吹有喜
【出版社】ポプラ社
あらすじ・読みどころ
耀子という女性の28年にわたる人生波乱万丈物語
2024年8月にとうとう最終巻が発売されたシリーズ小説です。
はじまりの舞台は1980年、静岡県にある遠藤家の別荘”常夏荘”。
二人暮らしだった母に突然捨てられ、祖父に引き取られたた耀子(小学4年)と、複雑な生い立ちをもち、遠藤家の家系の重圧を感じるお坊ちゃまの立海(小学1年)。
正反対の立場のふたりは、”常夏荘”で出会い、友情を深めていくのです。
かわいい幼馴染みの初恋物語かしら?
1作目の「なでし子物語」からそう思ったら、大間違い!
シリーズがすすんでいくと、二人の関係はそんな簡単には収まらず、さらに耀子は、もっともっと波乱万丈の人生を送ることになります。
耀子はどんな生き方をするのか?
そして耀子と立海はどうなるのか?
ワクワク、イライラ、驚き、そして涙しながらシリーズを読めます。
☟『なでし子物語』シリーズの詳しい記事はこちら
シリーズ本1冊1冊読むたびに、耀子に幸せになってほしいと願いながら毎回本をとじました。