カフェじゃないのよ喫茶店は。
『喫茶店の椅子とテーブル ~村田商會がつないだこと~』
村田商會とは?
村田商會さんを勝手に家具をつくる工房だと思っていましたがちがいました。
村田商會さんは惜しまれながら閉店してしまった喫茶店や、改装をした喫茶店で必要のなくなった椅子やテーブルを引き取り、販売をしているお店でした。
町なかにある喫茶店は昭和感ただようレトロな雰囲気のお店が多く、そんなお店では現在販売していないようなデザインの椅子やテーブルを目にすることが多いですよね。
お店が閉店して今や珍しい椅子やテーブルが廃棄されてしまうのが悲しいと思って、この村田商會を始めたそうです。
すごい、いいところに目をつけたんだ!と感動。
たしかに喫茶店の椅子やテーブルはいま流行りの北欧家具とは違いますが、レトロで、どことなく怪しげな雰囲気おどろおどろしい赤色のシートの椅子や、大理石をつかったテーブルなどはなかなか一般の家具屋さんでお目にかかることのない品物です。昭和の日本人が良しとしていたモノづくりのひとつを見るような一品もあります。
たしかに、そんな椅子やテーブルがただただ廃棄されてしまうなんて、もったいないやら悲しいやらですよね。
村田商會さんの取り組みありがたいです。
私は実際に行ったことのある「銀座月堂」や東京日本橋の「門」の椅子が本に掲載されていてうれしくなってしまいました。
見たことのあるのものでしたし、もしかしたら私が座った椅子かもしれません(笑)
(ちなみに2店とも改装のため椅子・テーブルを手放したが、現在も営業中です。)
喫茶店の魅力
「喫茶店」
大人のダークな魅力、タバコの香り、あやしげな雰囲気、一見さんが入りにくい
といった負イメージもありますが。
最近ではSNSで喫茶店好きの人が喫茶店内部やメニューの写真をアップしてくれ、その喫茶店に入らずとも雰囲気がわかるようになることで、だれでも喫茶店に行きやすくなった気がします。
さらに喫茶店メニューにある固めプリンも人気で、若い人たちにも喫茶店ブームは広がっていますし、昭和レトロただようあやしげな雰囲気が、おしゃれになり喫茶店のインテリアなども注目されています。
この本では注目の喫茶店のあれこれを知ることができます。
喫茶店インテリア
喫茶店のインテリアって独特ですよね。
お店の店主の雰囲気がでるというか、カフェとは違うんですよ。
それがどことなくあやしげな雰囲気を生み出しているのですが。
村田商會さんでは、椅子やテーブルだけでなく、シャンデリアといった照明や、店内にあった棚(箪笥)、ランプ、食器、シュガーポット、カトラリー、食品サンプルなどの取り扱いもあるそうで、こちらも掲載されていました。
喫茶店にあるモノって「どこで買ったんだろう、これ?」というものが多く、なかなか普段見ないデザインのものなどもあり神秘さすら漂わせているものもありますよね。そんな独特の喫茶店インテリアにどっぷりと浸れます。
喫茶店マッチ箱
最近はほとんど見かけませんが 、タバコを吸わない私も気になる喫茶店マッチ箱のデザイン。
マッチ箱はそれぞれのお店の広告なので、そのデザインセンスも重要だったはず。
村田商會さんはマッチ箱を閉店の際に椅子やテーブルと一緒にもらったり、ご自身の趣味喫茶店巡りで集めたそうで、本には全国各地の喫茶店マッチ箱の特集があります。
小さな小さなマッチ箱ひとつからも、どんな喫茶店なのか・だったのかがわかるような気がしますよ。
コレクター心に火をつけるような、マッチに変わる新たな喫茶店グッズが令和の時代にも登場するといいですね。
喫茶店の広告も付けられるものでマッチのようにちょっと粗品感のあるもの、例えば喫茶店ばんそこう、喫茶店メモ帳、喫茶店マスクなどいかがでしょうか。
マッチ箱デザインの本もおすすめ。
以前マッチ箱の展覧会にも行ったのですが、その展覧会の図録のような本としてこの本が販売されていました。たくさんのマッチ箱にびっくりしますよ。
▼▼マッチ箱本の紹介はこちら。
本『喫茶店の椅子とテーブル 』の内容
●村田商會がなぜ生まれたのかということから始まり、これまでも村田商會での仕入れ・販売、お届けについての実績や方法を紹介
●実際に村田商會から椅子やテーブルを買った人(新しいオーナーさん)の感想
●喫茶店マッチの特集
●喫茶店を愛する人たちのコラム
●本の作者・村田商會経営者の村田さんの日本全国喫茶店巡りの旅日記
などが書かれています。
本はオールカラーです。
まとめ
●レトロなものが好きな人
●喫茶店に興味のある人
●村田商會が知りたい人
本『喫茶店の椅子とテーブル ~村田商會がつないだこと~ 』はいかがでしたか?
村田商會さんの閉店してしまった喫茶店の椅子やテーブルを引き取り販売するという取り組みに感動するとともに、喫茶店の魅力に惹きつけられた本でした。
茶箱
「カフェとは違う喫茶店文化が長く続きますように」