本が好き、ミステリーが好きな人におすすめしたい!
書店や図書館が舞台になっていたり、作家が探偵として活躍したりと「本」にまつわるミステリーを紹介します。
シリーズ化されている人気の本が多いので、お気に入りの本をみつけて、じっくりと楽しんでもらえるとうれしいです。
気軽に楽しめるコージーミステリー
『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』
マーダー・ミステリ・ブッククラブ 〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ (創元推理文庫)
【著者】C・A・ラーマー
【翻訳】高橋恭美子
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
クリスティ読書会から生まれたミステリーとは?
ミステリ好き、クリスティ好きなアリシアとリネットの姉妹の主催する読書会のメンバーのひとりが行方不明に!
本好きが憧れる読書会の雰囲気を楽しみながら、ミステリーも楽しめる本です。
<マーダー・ブッククラブ>シリーズ
読書会メンバーの特徴、関係性を知るためにも、順番通りに読むのをおすすめします。
2作目『危険な蒸気船オリエント号』
➡読書会の雰囲気がないのでちょっと残念な内容 クリスティの『オリエント急行の殺人』をオマージュ?
3作目『野外上映会の殺人』
➡2作目に懲りず読んでほしい(笑)
クリスティの『白昼の悪魔』を原作とする映画『地中海殺人事件』を見に行く読書会メンバー
4作目『ライルズ山荘の殺人』
➡読書会メンバーが増える!読書会の課題書はクリスティの『そして誰もいなくなった』
読書会の雰囲気が楽しいのも魅力。読書会に憧れている人におすすめです。
『図書室の死体』
【著者】マーティ・ウィンゲイト
【翻訳】藤井美佐子
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
ミステリー黄金期の名作をオマージュした殺人!
ミステリー黄金期と言われる
イングランドの美しい古都バースにある、アガサ・クリスティなどの初版本を収集した初版本図書室の新米キュレーター、ヘイリー(バツイチで大学生の娘がいる40代女性)が主人公です。
うらやましいことに、彼女の住まいは膨大なコレクションが所蔵されている図書室と同じ館(ミドルバンク館)にあるのです!
が、あのクリスティの『書斎の死体』と同じように、そのステキな図書室でなんと死体が見つかってしまいます!
忙しいヘイリーが食べる軽食、ビスケットやスコーンがおいしそうなのも、このミステリーの魅力です。
<初版本図書館の事件簿>シリーズ
2作目『殺人は展示する』
➡セイヤーズの『殺人は広告する』をオマージュした殺人が起きる!
実はミステリー本に疎いというキュレーターに、ミステリー初心者は親近感がわきます!
『雪山書店と嘘つきな死体』
雪山書店と嘘つきな死体: クリスティ書店の事件簿 (創元推理文庫)
【著者】アン・クレア
【翻訳】谷泰子
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
書店に集うミステリー本好きさんの仲間になれる
雪山にあるミステリ好きの集う書店<ブック・シャレー>を営むエリーと、姉と看板猫が活躍するミステリー。
物語は「参加してみたい!」と言いたくなるような、<ブック・シャレー>のラウンジで行われる読書会(課題図書はクリスティの『シタフォードの秘密』)から始まります。
クリスティ『春にして君を離れ』の初版本を残した男の刺殺体が発見される!と同時に、書店から女性がひとり姿を消してしまう……。
二人は知り合いなのか?
本を愛するアガサ・クリスティ本があちこちに登場する、クリスティ愛の強さがが魅力的です。
かなりの長編なので、読みごたえがあります。
書店<ブック・シャレー>の雰囲気を想像しながら読むと何倍も楽しめます。
『ウィンダム図書館の奇妙な事件』
ウィンダム図書館の奇妙な事件 〈イモージェン・クワイ〉シリーズ (創元推理文庫)
【著者】ジル・ペイトン・ウォルシュ
【翻訳】猪俣 美江子
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
1990年代とは思えない古き良きイギリスの雰囲気がたまらない!
1992年、ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジが舞台。
携帯電話やインターネットもまだ普及していなく、どことなく1950~60年代を彷彿させる雰囲気がただようミステリーです。
死体の発見場所は、「図書館」!
しかもこの「ウィンダム図書館」にはちょっとおかしな規約があるのです。
にしても、本と死体の相性はバツグンです。
大学の学寮付き30代女性の保健師〈カレッジ・ナース〉イモージェン・クワイが、謎を解き明かしていきます。
学寮付き保健師〈イモージェン・クワイ〉シリーズ
2作目『ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎』
3作目『貧乏カレッジの困った遺産』
〈カレッジ・ナース〉イモージェン・クワイの誠実な人柄に好感がもてます。
『公爵家の図書係の正体』
【著者】ジョン・コナリー
【翻訳】田内志文
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
兄になりすました40歳女性がミステリーに巻き込まれたら!
時は18世紀イギリス、今では想像つかないほど女性が生きにくい時代のミステリーです。
が、設定がおもしろくハラハラドキドキしながら読めます。
突然兄の死に遭遇した40歳のティファニーは、生き抜くためにためにとった行動とは……。
なんと、兄に変装して兄として公爵家の図書係として働くことだった!!
そこで殺人事件が起きてしまいます。
どうするティファニー。
ミステリー以上に、兄に入れ替わっているティファニーにハラハラします(笑)。
本格ミステリー
『8つの完璧な殺人』
【著者】ピーター・スワンソン
【翻訳】務台夏子
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
有名ミステリー本の名作が一緒に楽しめる!
ボストンでミステリー専門書店を営む店主マルコムの元にFBI捜査官がやってくる。
ミステリーの名作といわれる8作品をオマージュした“完璧な殺人”が起きたのだ!
①『赤い館の秘密』
②『殺意』
③『ABC殺人事件』
④『殺人保険』
⑤『見知らぬ乗客』
⑥『溺殺者』
⑦『死の罠』
⑧『シークレット・ヒストリー(『黙約』)』
その他にもクリスティの『アクロイド殺し』『そして誰もいなくなった』も登場します。
あなたはいくつのミステリーとの関係に気づけるかな?
ミステリー好きなら興奮度マックスの一冊です。
どの殺人でどの人が殺されたのかわからなくなってくるので、メモしながら読みました(笑)。
読んでいない名作ミステリーも読みたくなります。
『「グレート・ギャツビー」を追え』
【著者】ジョン・グリシャム
【翻訳】村上春樹
【出版社】中央公論新社
あらすじ・読みどころ
舞台も謎も「本」だらけのミステリー!
ミステリーの舞台は、フロリダにある独立系の本屋さん「ベイ・ブックス」、主人公は店主のブルース・ケーブル。
プリンストン大学図書館から、あっという間に盗まれてしまったフィッツジェラルドの直筆原稿。
保険金総額は、なんと2500万ドル!
捜査線上に浮かんだ男は独立系書店「ベイ・ブックス」を営む名物店主ブルース・ケーブルだった。
真相を探る依頼を受けた新進小説家の女性は、名物店主に近づき秘密の核心に迫ろうとするミステリー小説です。
続編あり
『狙われた楽園』
➡フロリダに大型ハリケーンが上陸して明らかになる恐怖!とは。
またまた「ベイ・ブックス」の店主ブルース・ケーブル/が謎に挑みます。
日本と違ったアメリカの本屋さん文化が見えるものおもしろいです。
『殺しへのライン』
殺しへのライン ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)
【著者】アンソニー・ホロヴィッツ
【翻訳】山田蘭
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
作家&探偵の凸凹コンビが活躍する(ホームズとワトソンぽい)!
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ第3弾の作品です。
このシリーズはユニークな設定になっていて、作家のアンソニー・ホロヴィッツ(この作者と同じ!)が、探偵ホロヴィッツの謎解きの様子を本にするために書いているという形のミステリーになっています。
3作目では、作家(著者)のホロヴィッツが『メインテーマは殺人』(このシリーズの1作目!)の出版に向けてプロモーションとして探偵ホーソーンと参加した、文芸フェスで奇妙な殺人が起きます!
ラストは大どんでん返しでした!
ミステリーとともに、アメリカでは定番の文芸フェスの雰囲気や、参加する作家同士の会話や本音、悩みなど、本にまつわるあれこれが楽しめます。
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ
1作目『メインテーマは殺人』
2作目『その裁きは死』
3作目『殺しへのライン』(この作品)
4作目『ナイフをひねれば』
5作目『死はすぐそばに』(2024年11月現在の最新刊)
今作中では『エアーズ家の没落』(おそらく読書会の課題本という)を読んでいる探偵のホーソン。ホーソーンが参加している読書クラブも気になります。
ミステリーではないけれど
『失われたものたちの本』
失われたものたちの本 〈失われたものたちの本〉シリーズ (創元推理文庫)
【著者】サマンサ・ラーセン
【翻訳】吉野山早苗
【出版社】東京創元社
あらすじ・読みどころ
スタジオジブリ映画「君たちはどう生きるか」の元ネタのひとつ、本をめぐる冒険物語
母親を亡くして孤独な12歳のデイヴィッドは、本の囁(ささや)きが聞こえるようになります!
不思議な力をもつようになったデイヴィッドはおとぎ話の登場人物(赤ずきんやシンデレラ)たちが存在する、世界、幻の王国に迷い込んでしまいます。
元の世界に戻るため、『失われたものたちの本』を探すデイヴィッドの冒険がはじまります。
続編があり
『失われたものたちの国』
➡子どもが昏睡状態に陥った女性が、魔女や人狼、巨人たちがうごめく不思議な世界に迷い込みます。
本のもつすごい魅力に気づかされます。
『ページズ書店の仲間たち(1) ティリー・ページズと魔法の図書館』
ページズ書店の仲間たち1 ティリー・ページズと魔法の図書館 (ページズ書店の仲間たち 1)
【著者】アナ・ジェームス
【翻訳】池本尚美
【出版社】文響社
あらすじ・読みどころ
あの名作本の登場人物たちが目の前に現れる!
あなたの目の前に本から出てきた「赤毛のアン」が現れたら!?
ロンドンで書店を営む、おじいちゃんとおばあちゃんと住んでいる11歳のティリーが主人公です。
本の中の世界に入れるようになったティリーは、親友オスカーと冒険に挑みます。
赤毛のアン、不思議の国のアリス、小公女、宝島、シャーロック・ホームズといった名作本から、続々と出てくる登場人物たちにワクワクしてしまいます。
ちょっとしたミステリーも楽しめます。
〈ページズ書店の仲間たち〉シリーズ
2作目『ページズ書店の仲間たち2 ティリー・ページズと消えた童話』
3作目『ページズ書店の仲間たち3 ティリー・ページズと物語の地図』
児童書だけど大人が読んでも面白い!親子で読むのもおすすめです。
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