『ふみきりペンギン』

【著者】おくはらゆめ
【出版社】あかね書房
『ふみきりペンギン』あらすじ
自分にしか見えない「もの」ってある?
見たのに、信じてもらえなかったことってない?
仲良しのおともだちはひとりだけ。
えんぴつは右手で持つもの。
自分にとっては、ふつうのことなのに「それってヘンだよ!」って言われちゃったことがある人におすすめの本です。
ふみきりのむこうに並ぶペンギン、白いヘビのうわさ、鏡のなかのしゃべるライオン、天気占いをするフクロウ。
実は、世の中には不思議なことでいっぱいなのですから。
あなたのふつうは、ふつうじゃないかもしれないのです……。
『ふみきりペンギン』基本情報
☟作者おくはらゆめさんのインスタグラム
● 2025年 第71回 青少年読書感想文コンクール<小学校中学年の部>課題図書
● 登場するのはおなじ学校に通う小学3年生男子のゆうと、そうすけ。小学3年生女子のるり、ななこ、まい。小学6年生のさき。
● ひとつの本のなかで、いくつかの短い物語にわかれているが、登場人物がリンクしていて、どんどん物語がつながっていく
⇒連作短編集のおもしろさが味わえる
● 日常の学校生活でリアルにありそうなこと、友達のことや、授業で書いた作文のことなどがでてくるので、自分のことのように感じられて、物語にはいりこみやすい
● リアルな学校生活のなかで起きる、不思議な現象がおもしろい
● 登場人物が男子だったり、女子だったりするので、性別を問わずに読みやすい
● 不思議な物語が好きな人におすすめ
● いろんな動物(フクロウ、ペンギン、犬、ライオンなどなど)がでてくるので、動物好きさんにおすすめ
● ページ数:111ページ
● 文中にイラスト多め
● 初めて厚めの本を読む本としておすすめ
『ふみきりペンギン』読書感想文のテーマ
『ふみきりペンギン』の読書感想文のテーマになりそうなものをピックアップしてみました。
* 読書感想文の書きやすいものを選んでいます。他にもいろいろな視点から物語を読めます。
本を選ぶ時の参考にしてください。
● 自分と似た登場人物はいたか?どんなところが似ているのか?
● 動物がしゃべるとか、物語の中とおなじような不思議な体験をしたことがある?どんな体験だったのか?それはだれかに話した?なにか言われた?
● お友達から自分が考えていたこと、当たり前だと思っていたことと、ちがうことを言われたことある?それはどんなこと?
● 友達やお父さんお母さんから「それってヘンだよ」といわれたことある?どんなときに、そういわれたの?どう思った?
● お友達から「これってふつうだよ」といわれたことに、「あれ?そうなの?」っと思ったことある?どんなときに、どうしてそう思ったの?
● そもそも「ふつう」って何だと思う?それっていいことなの?
● 印象に残ったシーン、言葉はあった?それが、どうして印象に残ったのか説明してみて

茶箱
本を読んだあとに、家族で本についておしゃべりするのをおすすめします。
みんなで話した後だと、本の感想がかきやすいと思います。
実際に大人の私が読んでみて。
『ふみきりペンギン』は、連作短編集のような形態の本になっています。
一見ちがう物語と思いきや、登場人物がリンクしていて、すべての物語がつながっているのです。
「あの人がここにもでてくる!」「あの言葉の意味はここにつながってくるのか」などなど。
ゲームのように、本を読むのが楽しめる連作短編の魅力を経験できます。
1回だけじゃなくて、2回目に読むとさらに新しい発見もあるかもしれません。
ただ、感想文を書くとなるとちょっと悩んでしまうかもしれません。
本が子どもにはおもしろすぎるからです(笑)
本のおもしろさのと、感想文の書きやすさは比例しているわけじゃないのです。
『ふみきりペンギン』の感想文は、楽しく本を読むだけでは書きにくいと思います。
なので、『ふみきりペンギン』を読書感想文課題図書として選んだ場合、楽しく本を読んだ後、「いろんな考えのお友達がいっぱい出てきたな」とおもいながら、感想文をかいてみるのがいいかなと思います。

茶箱
自分が書きやすいテーマを選んでください。
テーマを組み合わせてみるのも、おすすめです。
『ふみきりペンギン』心に残った言葉

“おれは、おれのふつうを こわしてみたい
「ふつう」という言葉にふりまわされるゆうとくんが、つぶやいた一言。
大人の私が『ふみきりペンギン』感想文を書いてみた
私が感想文に選んだテーマは
● そもそも「ふつう」って何だと思う?それっていいことなの?
⇒大人になっても「ふつう」に振り回される毎日です……。
「ふつう」が何か?なんて、哲学ぽくてかっこいいなと思いながら考えてみる。
私が学生のころは、”みんなおんなじ”が当たり前だった。
学校に行くのも、持ちものも、授業で発言する内容も、着ているものも、好きなものも、行きたい場所も、食べるものも、なにもかもだ。
”みんなおんなじ”が、仲間はずれにされない重要ポイントだったなあと、大人になった私は遠い目をして過去を振りかえる。
大人になって社会にでても、「それが普通ですから」「今までどおり普通にやりましょう」「普通に〇〇してください」と、多くのことに説明はなく、当然のように「普通」が求められた。
しかし、それが、いま建前では、みんなちがっていい、みんなとちがうのがかっこいい、オンリーワンがこそが当たり前だというのだ。
こんどは”みんなちがう”のが「ふつう」になるのか。
なににせよ「ふつう」はわたしたちの前から消えることはないようだ。
もし、「ふつう」じゃないことにこだわるのが「ふつう」になったら?
それはそれで、たいへんなんだろうと思う。
なんにせよ、変わらない「ふつう」なんてないのかもしれない。
もはや、今の自分が、自分でよいと思えばそれが自分の「ふつう」でいいんじゃないかなと。
「ふつう」をだれかと(友達)と共有する楽しさと安心さ。
そして、「ふつう」を人(友達)と共用しない心地よさ。
「ふつう」は自分で決めること、それは変わっていくこと。
自分の「ふつう」をだれかに共用しないこと。
私の考える「ふつう」は今はこんな感じだ。
紹介した本『ふみきりペンギン』はこちら
出版社の本紹介
小学3年生のゆうとは、ふみきりでペンギンの話を聞く。るりは、白いヘビのうわさを確かめたい。ななこは、鏡のなかのライオンと会う。そうすけは、天気占いをするフクロウが見える。「ふつうってなんだろう?」という不安な気持ちにたいして、決めつけず、気にせず、それぞれの子どもたちの自分らしさを肯定する。おくはらゆめの作絵による、やさしい物語。版元を超えて活動する「らいおんbooks」編集による読み物作品の第二弾。
