『わたしは食べるのが下手』

【著者】天川栄人
【出版社】小峰書店
『わたしは食べるのが下手』あらすじ
おいしいもの食べるの大好き
甘いお菓子大好き
友だちと一緒に給食を食べるの楽しい
家族で外食するのってワクワクする
「食べる」って当たり前のことだし、みんな大好きじゃない??
と思っている人、びっくりしてください。
そして、今まで「食べること」が怖かった人。
それは、決してあなただけじゃないって安心してください。
物語に登場する中学生は、こんな悩みをもつのは自分だけ?と思っているのです。
少食で食べるのが遅い、食べることにプレッシャーを感じる中学生の葵ちゃん。
保健室常駐のクラスの問題児、誰にも言えない「食」に悩みを抱えている咲子。
ムスリムの教えで食べられないものがあるラマワティ。
「食べることへの問題」で結束を固めた3人は、給食をめぐって給食改革に乗り出すことに……。
敵は、「変えたいと思うなら、変えればいいんですよ」という新任のイケメン栄養教諭・橘川だ!
3人の望む給食は、どんな給食なのかな?
『わたしは食べるのが下手』基本情報
● 2025年 第71回 青少年読書感想文コンクール<中学校の部>課題図書
● 「食べること」に問題を抱える中学生の物語
● 「食べること」イコール楽しい、うれしい、好きという概念をくつがえす
● 「食べること」に問題を抱える人たちの気持ちをがわかる
● あたりまえだけど、自分が好きなことが苦手な人もいることに改めて気づかされる
● いい子ちゃんと問題児 正反対の女子中学生ふたりの友情に「いいな」と思える
● 宗教上食べられないものがある外国人のクラスメイト、ラマワティちゃんから知る食の文化に気づく
● なにげない言葉や行動に傷つく気持ち、自分がイヤになる気持ち、仲間をみつけたうれしさ、自分をわかってもらえたときのうれしさ、仲間と同じ問題に取り組める楽しさ、登場人物たちの揺れ動く気持ちがわかりやすい
● 「食べること」を栄養面から科学的に知ることができる
● 自分ってヘンなんじゃないかと思っている人におすすめ
● 自分のことが好きじゃないと思っている人におすすめ
● ページ数:254ページ
『わたしは食べるのが下手』読書感想文のテーマ
『わたしは食べるのが下手』の読書感想文のテーマになりそうなものをピックアップしてみました。
* 読書感想文の書きやすいものを選んでいます。他にもいろいろな視点から物語を読めます。
本を選ぶ時の参考にしてください。
● 自分が葵ちゃんだったら?
● 自分が咲子ちゃんだったら?
● 葵ちゃんや咲子ちゃんのように、人とちがった気持ちで悩んだ経験はある?
● ラマワティちゃんのように「食」の文化が違う人がいるのは知っていた?「食」の文化についてどう思っている?
● 登場人物のなかで、自分に近い人はいた?
● 印象に残った言葉はあった?どうしてその言葉が気になったのか書いてみて

茶箱
本を読んだあとに、家族で本についておしゃべりしてみるのがおすすめです。
家族で話したことを、本の感想として書いてみると感想文が書きやすいと思います。
実際に大人の私が読んでみて。
『わたしは食べるのが下手』は、「食べること」、特に給食に違和感を感じている女子中学生のナイーブな気持ちがていねいに書かれている。
クラスのみんなは当たり前のように給食を食べているのに、しかも、とっても楽しそうに食べているのに……。
どうして自分はみんなが当たり前のことができないのか?自分はわがままなのか?と悩む葵ちゃん。
大人の私は、実は葵ちゃんに共感する人って多いんじゃないかなと思いました。
そして、大人の私が特に好きだなと思ったのは、咲子ちゃん。
繊細な心をもちながらも、女王様キャラで生きている咲子ちゃん。
見た目はかわいいのに、はっきりしていて、口は悪いし態度もでかい。
強がっていても不安でいっぱいで、気持ちも弱い。
でもでも、やっぱり強い女の子です(笑)。
大人の私は、そんな咲子ちゃんが大好きになりました。
『わたしは食べるのが下手』の感想文は書きやすいと思います。
楽しく本を読んだ後、一番心に残ったシーンなどから、感想文に書きたいテーマを見つけてほしいです。

茶箱
自分が書きやすいテーマを選んでください。
テーマを組み合わせてみるのも、おすすめです。
『わたしは食べるのが下手』心に残った言葉

“みんなどこかが不完全で。
みんなどこかが不健康で。
みんな泣きながら、戦っているのだ。
生きていくって、そういうことなのだ。“
最後に咲子ちゃんが思う言葉。
咲子ちゃんの言葉って、大人の私にも心にしみいるものが多かった。
咲子ちゃん語録を作りたいくらいです。
大人のわたしが『わたしは食べるのが下手』感想文を書いてみた
私が感想文に選んだテーマは
● 印象に残った言葉はあった?どうしてその言葉が気になったのか書いてみて
⇒大人の私は、咲子ちゃんにメロメロです。
この物語で主人公の葵ちゃんと同じくらい主要な登場人物といえば、保健室常連の問題児咲子ちゃんだ。
咲子ちゃんは「いい子ちゃん」代表の葵ちゃんとはまったく違うタイプの子だ。
咲子ちゃんは、口が悪い(思ったことをストレートに口にだしてケンカ腰)だし、朝が弱くて遅刻魔だし、クラスではトラブルメーカーで、保健室では禁止されているスマホをさわってうたた寝をしているし、学校にも来たり来なかったり、そして給食を食べない。
でも咲子ちゃんは、葵ちゃんと同じく「食べること」に恐怖を感じている子なんです。
咲子ちゃんは、「食べること」自体ではなくて「食べること」でだれかから嫌われたり、失敗するのが怖いのです。
豪快な態度とはうらはらに、繊細な心をもつ咲子ちゃんの言葉は「いい子ちゃん」たちにはガツンときます。
ずっと「いい子ちゃん」を目指してきた大人の私にも心に響きました。
この本から、わたしが「いい!」と感じた咲子ちゃんが語った思った言葉を集めて”咲子語録”をつくってみました。
「嫌なことは嫌って言えばいいじゃん。」
う~ん、「いい子ちゃん」や、ぐっと自分の気持ちを飲み込んじゃう大人にはうっとりする言葉です。
「給食食べんのがそんなにえらいのかよ」
当たり前だと思っていた給食が……と、みんなと同じが大事、決められたことは守るのが当然の「いい子ちゃん」にはガツンとくる言葉。
大人もおんなじです。会社のランチ休憩の1時間、毎日みんな同じ時間に同じだけとることに意味はあるのでしょうか?
「きっと嘘だ、お世辞だ、おべっかだ、本心ではぶす、デブって思ってんるんだ……って。そんなの妄想なのに。わかっているのに。やめられない。」
素直な「いい子ちゃん」とはちがう、嘘で囲まれた世界を知っているからこそ思ってしまう、逆に傷ついてしまう咲子ちゃん。
邪悪な気持ちが渦巻く大人の世界を知っている大人の私は、とっても共感しちゃいました。
「変わらなきゃいけないって、わかっているけど、同じだけの強さで、変われない。あたしはずっとこのままだって、思ってしまう。」
自分がイヤになったとき思う言葉。
自分を変えるのって自分しかできないのはわかっているんだけど……。
でもこんな風に感じるのは、自分だけじゃないと思うとちょっと心が軽くなります。
「あたしは、綺麗だ。
生きているだけで、美しい。」
命にふれて咲子ちゃんが「生きる」ことに前向きになる言葉。
あ~、この世界は美しいんだよ、生きようよと大人の私は泣けてきました。
そして最後に咲子ちゃんは、こう思うのです。
「みんなどこかが不完全で。
みんなどこかが不健康で。
みんな泣きながら、戦っているのだ。
生きていくって、そういうことなのだ。」
「あたしは食べるのが下手。
生きるのが下手。
でも、たぶん、生きるのが上手な人とか、いないし。
だから、まあいっか。
ほどほどに頑張って、ほどほどにあきらめて、まあいっか、で生きていけば。
しんどいことは多いけど、それでも、やっていくしかないのだから。」
ひとりで、がむしゃらにがんばって生きてきた咲子ちゃんだからこその言葉。
大人の私をも勇気づけてくれるほど、力強い言葉でした。
これからの咲子ちゃんの姿もみてみたいです。
葵ちゃんとラマワティちゃんとお互いを支えあえる仲間でいてほしいし、今まで通り自分の気持ちをきちんと言える子であってほしいし、母親を好きなまま助けてあげられる優しい子でいてほしい。
そして、どんな自分でも(ほどほどでも)「自分が好き」と堂々といえるかっこいい咲子ちゃんでいてほしいです。
紹介した本『わたしは食べるのが下手』はこちらから
出版社の本紹介
少食で食べるのが遅い葵は、食事の時間が苦手。とくに給食は……。「小林さんさ、たぶん君、会食恐怖症だわ」。無理に油淋鶏を飲みこんで気持ちが悪くなった葵は、保健室でクラスの問題児、咲子にそう言われる。実は咲子も、食にかかわるある悩みを抱えていた。咲子の勢いに押されて給食ボイコットを企てるも不発に終わるが、新任のイケメン栄養教諭・橘川に焚きつけられて、給食改革に乗り出すことに……。「変えたいと思うなら、変えればいいんですよ」。ムスリムの教えで食べられないものがあるラマワティや、給食が大好きな浩平たちとのかかわりを通して、葵と咲子の食との向き合い方は少しずつ変化していく。わたしたちが望む給食って、いったいどんなだろう?
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