スキあらば本を読む!
小さい頃から「頑張りましょう」といわれて育ち、「頑張ること」が美徳だと思って育ってきた人って多いですよね。
そんな人たちって、「頑張って」成果をだしちゃうし、わりと何でもできちゃうから、どんどん「頑張り」に歯止めがきかなくなってしまいます。
「頑張り」が上手くまわっているときはいいんですけれど、ある日突然「頑張り」がプツンと切れちゃうときがあるかもしれません。
「今日も頑張ったな、でも……」と思っている、がんばりやさんにおすすめしたい本『おいしいごはんが食べられますように』を紹介します。
がんばりやさんは、読むと不快になると思うので、ほんとうは読んでほしくない気もするのですが、「頑張り」が間違った方向へ向かったらどうなるのか、という例えとして読んでほしいと思います。
『おいしいごはんが食べられますように』
【著者】高瀬 隼子
【出版社】講談社
【出版年月】2022年3月
【ページ数】162ページ
【形態】単子本(2022年5月現在)
● 短めで読みやすい小説
● (がんばりやさんにとっては)後味の悪い読了感
『おいしいごはんが食べられますように』あらすじ
『おいしいごはんが食べられますように』の主な登場人物
押尾さん(女)➡がんばりやさん
芦川さん(女)➡無理をしない
二谷さん(男)➡二人の女性の間でユラユラ
3人は同じ会社の同僚です。
●出版社による本のあらすじ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。
ままならない人間関係を、食べものを通して描く傑作。
『おいしいごはんが食べられますように』からわかること・学んだこと
『おいしいごはんが食べられますように』は、世の中では、会社では「がんばる」ことが評価されるわけではない。ということが身にしみる小説です。
「無理してがんばらない」に負けてしまうことだってあります。
「がんばる」、「がんばらない」は、どっちが良い悪いじゃない。
「がんばる」、「がんばらない」は、なにを大切にして生きているのか、自分はどんな生き方をするのか、価値観の違いなんだなと思いました。
ちなみに私は、昭和生まれなので「がんばる」のが良いことと思って育っていたし、その価値観で生きてきたので、「無理をしないがんばらない」生き方を当たり前のようにかざす生き方に、イラッとくる派でした。
が、年をとってきて「がんばり」って何だったんだろう?とよく考えるようになりました。
若い時に『おいしいごはんが食べられますように』を読んで、自分の「がんばり」が空回りしていないか考えたかったと思いました。
「がんばり」を決して間違った方向に向けてはいけませんね。
『おいしいごはんが食べられますように』は、せっかくの「がんばり」が悲しいものになりませんように、がんばりやさんにこそ読んでほしいおすすめ本です。
▼紹介した本
『おいしいごはんが食べられますように』の次に読みたい本
「がんばり」が思わぬ方向へ向かっていく、ちょっとユニークな本石田夏穂さんの小説『我が友、スミス』がおすすめです。
『我が友、スミス』石田夏穂
— 茶箱 ℂℍ𝔸𝔹𝔸ℂ𝕆 本とお菓子を愛する (@pooh70inu) 2022年3月28日
筋トレにはまり、大会を目指す女性。
意外な視点から「女性らしいとは」を問いてきた物語だった。
女性らしさとは無縁におもえたボディビル・筋トレが、大会になると競うのが女性としての美しさなんて。
なんだか笑えた。#読了 pic.twitter.com/pewbQPUNGp