スキあらば本を読む!
コンクールやコンペ、試験や受験までいかなくても、人生は競争の繰り返しです。
会社の会議・学校の話し合いで、自分の意見が採用されず相手の意見が採用される
➡負け!
友達同士での話しあいで、自分の希望が通らなかった
➡負け!
家族のなかで自分の考えを否定される
➡負け!
「負け!」ってショックですよね。
そのことだけが採用されなかったのに、自分のすべてが否定されたように感じてしまい、どっと落ち込んでしまいます。
いま、まさにそんな状態です。という人に、おすすめしたい本が五十嵐貴久さんの『コンクールシェフ! 』です。
『コンクールシェフ! 』
【著者】五十嵐 貴久
【出版社】講談社
【出版年月】2022年3月
【ページ数】266ページ
【形態】単子本(2022年5月現在)
● 読みやすい小説
● さわやかな読了感
『コンクールシェフ! 』はこんな本・あらすじ
『コンクールシェフ! 』あらすじ
●出版社による本のあらすじ
選ばれるのは才能か、果てしない努力か。超人気TV番組『料理の鉄人』に携わった著者渾身の料理バトル。日本最大の料理コンクールでYBG(ヤング・ブラッド・グランプリ)で、最終審査に残った6人の俊英たちが競う。
45分の闘いを制し、世界に羽ばたくのはーー?
『コンクールシェフ! 』からわかること・学んだこと
人生で何回も繰り返されるだれかとの競争や比較。
その結果の「負け!」ってショックですよね。
そのことだけが認められなかっただけなのに、自分のすべてが否定されたように感じてしまいます。
でもそんなことないんですよね。
『コンクールシェフ! 』はそんな大切なことを改めて教えてくれます。
真剣に戦っているから、負ければくやしい。
でもコンクールで負けたって、べつに”人”そのものが否定されたわけでもありませんし、その人の実力を決めたものでもありません。
コンクールので勝つことは大切だけど、コンクールの結果は結局一期一会の結果にしかすぎないのです。
またコンクールは、だれかと競うことで自分自身の弱さや強さを見つけられる利点もあることも教えてくれます。
コンクールの結果負けたとしても、競争相手を認め、自分自身の負けを分析し、次へとつなげればいいだけなんですよね。
まあ、そうはいっても実際にはそんな爽やかに考えられるかといえば難しいのですが(笑)
『コンクールシェフ! 』には、相手を陥れたり、コンクール道具に細工したり、大事なことを教えてくれなかったりといった、昭和のドラマや、韓国ドラマのような憎たらしい悪役が登場しませんでした。
だからこそ、自分の負けをきちんと受け止められたのかもしれません。
正々堂々と戦う!
スポーツマンシップって負けを認めるためにも必要なんですね。
『コンクールシェフ! 』は競争や比較、コンクールやコンペに負けたとしても、自分の負けを「なぜ負けたのか?」「次はどうすべきなのか」「自分の良さをどうすれば認めてもらえるのか」と、負けを前向きにとらえる大切さ教えてくれます。
負けは、あなた自身を否定しているわけではない。
あなたの意見や作り出したものが、その時点では選ばれなかっただけなんですよ。
と、『コンクールシェフ! 』は「負け」を爽やかにとらえて、励ましてくれる本でした。
▼紹介した本
『コンクールシェフ! 』の次に読みたい本
爽やかなコンクールといえば、ピアノコンクールを題材にした恩田睦さんの『蜜蜂と遠雷』がおすすめです。