どうして戦争はなくならないのか?
人間は同じ過ちを何度も繰り返すんだろうか?
ニュースをみて悲しい気持ちになっている人におすすめの本(絵本)『動物会議(どうぶつ会議)』を紹介します。
”大切な人のことを考えたら、戦うことなんてできなくなる”
”戦いで傷つくのは弱き者たち”
当たり前のことだけど、大事なことを教えてくれる絵本です。
『動物会議(どうぶつ会議)』
【著者】エーリヒ・ケストナー (文) ヴァルター・トリアー(絵)池田香代子(訳)
【出版社】岩波書店
『動物会議(どうぶつ会議)』はこんな本
舞台は第二次世界大戦後の世界。
世界平和のために人間たちは国際会議を開きますが、自分たちのことばかり考える人間たちの話し合いばかりで成果があがりません。
人間の愚かな態度に怒った動物たち。
北アフリカの動物会館にあつまって、「(人間の)子どもたちのために」動物会議をひらこうと決心します。
【「どうぶつかいぎ展」19/100】
— PLAY_2020 (@PLAY_2020) January 24, 2022
第1幕 まったく、人間どもったら!
北アフリカのチャド湖のほとり。
ゾウ、ライオン、キリンの3匹はかんかんに怒っていました。なぜなら人間たちがいつまでたっても戦争をやめないから。
「子どもたちのために、なにかしなくちゃ!」。物語はこうして幕を開けます。 pic.twitter.com/pwCECCf5mD
絵本『動物会議』は、愚かな人間をユーモアたっぷりに批判する物語です。
絵本とは思えないほどの文章量で読みごたえあり
なんと84ページもある、読みごたえたっぷりの絵本です。
大きめサイズの絵本で、絵本とは思えないほど文字数はかなり多めです。
作者のエーリッヒ・ケストナーはドイツ人の作家。
『エーミールと探偵たち』『ふたりのロッテ』など、今でも世界中で人気の児童書を書いています。
可愛い動物たちもたくさん登場!大切なテーマを扱っているが笑いもある
『どうぶつ会議(動物会議)』は、戦争」について書かれた絵本です。
とっても難しくて大切なテーマなのですが、可愛い動物たちがたくさん登場し、笑いもあり、読みやすいです。
ー物語のなかの動物たちは、じつに「人間らしい」姿で描かれます。新聞を読み、電話をかけ、身だしなみを整えて、ときにわがままを言いながら、自分たちが批判する人間たちと同じ「会議」という手段によって、平和のための決定を下すのです。
— PLAY_2020 (@PLAY_2020) March 4, 2022
寄稿:独文学者 西尾宇広https://t.co/OgEDl5Uvpp pic.twitter.com/UB3rbo23ug
まったく見通しの見えない会議を繰り返す人間に「ギャフン」といわせるような行動を起こす動物たち。
シロクマが風邪をひいたり。
同じセリフを繰り返すライオンを象とキリンがツッコミをいれたり。
あの世界的に有名なねずみが登場したり。
ー風刺家を自任するケストナーにとって、ユーモアと笑いはとても大切なものでした。そもそも私たちは何を笑うのでしょうか。人は「対照(コントラスト)」を笑うのだ、というのがケストナーの答えです。
— PLAY_2020 (@PLAY_2020) March 8, 2022
寄稿:独文学者 西尾宇広https://t.co/OgEDl5Uvpp pic.twitter.com/RVp7zTF12J
面白いシーンがたくさんあります。
茶箱
ユーモアを通して大切なことを伝えてくれるのよ
80年ほど前に書かれたとは思えない内容
驚くのは絵本『どうぶつ会議(動物会議)』が書かれたのは、第二次大戦が終わってすぐの頃(1949年)だということ。
世界では戦争は途絶えることなく、核の保有や、爆弾による抑止力のにらみ合いが続いています。
今にいたるまで、人間はずっと同じような戦いを繰り返してきたのです。
人間には「話し合う」という方法をもっているのにも関わらず。
つくづく人間の愚かさを痛感します。
茶箱
動物たちがわかっていることを、どうして人間は気づけないのかな?
「弱き者」を忘れてはいけない
政治、外交、人種、宗教、国益、防衛、難しいことはわからなくても、だれもがわかっていることがあります。
戦いの犠牲になるのは、子どもたちや普通の暮らしをしていた人たちといった「弱き者」だということ。
『どうぶつ会議(動物会議)』では動物たちが大活躍をしますが、現実の世界では動物も発言のできない弱き者です。
春になったら一気に芽吹くだろう花や草木も弱き者。
無事なのかしらと心配になります。
茶箱
犠牲になるのは人間だけではないんですよね
絵本『動物会議』
— 茶箱 ℂℍ𝔸𝔹𝔸ℂ𝕆 本とお菓子を愛する (@pooh70inu) 2022年3月13日
とことん人間であることが悲しくなる。動物はわかっているのに人間だけが気づけない。戦争の無意味さ。傷つくのは弱き者。大事なのは自分や自分の国のことばかりという愚かさ。人間は何度同じことを繰り返すのか?なんのために歴史を学んでいるのか?と思う。#読了#読書好き pic.twitter.com/UW9m737gWf
『どうぶつ会議(動物会議)』は戦争を繰り返す人間の愚かさを教えてくれる本
動物たちが人間に大切なことを教えてくれる絵本『どうぶつ会議(動物会議)』を紹介しました。
人間がほんとうに愚かな生き物なんだと悲しくもなりますが、大切なことをぜったいに忘れないためにも繰り返し読みたい絵本です。
茶箱
大切なことを忘れがちな大人にこそ読んでほしい本です