茶箱
多感な時期だからこそ読んでほしい!おすすめ面白い児童書17冊 を紹介するわ
大人の私が実際に読んで、子どもはもちろん大人も楽しめる本を選びました。
定番作品ではなくて、ここ数年に出版された本を中心に選んでいます。
茶箱
翻訳本も多めに選んだよ
同じ年くらいの世界の子どもたちのことを知るきっかけになるといいな
多感な時期だからこそ読んでほしい!おすすめ面白くて心に響く児童書17冊
『捨てないパン屋の挑戦』
自分らしく生きる、自分のポリシーを貫きとおすパン屋さんのおはなしです。
茶箱
テレビ朝日『激レアさんを連れてきた。』 に出演できそうな人よ
パン屋さんの悩みの種であるパンの廃棄問題を考えたり、添加物に頼らないパン作りを目指したり。
自分が思い描いたように、地球にやさしい、人にやさしい、自分にやさしいパン屋さんを作りあげていくカッコいい人生が読めます。
小説ではなく、ドキュメンタリー形式の本です。
茶箱
自分らしい人生を生きるってカッコいいわね
『おじいちゃんと最後の旅』
頑固で素直になれないおじいちゃん。
でも心のなかはあったかい人だと孫のウルフはわかっています。
孫のウルフは、見舞う人が少ない入院中のおじいちゃんに会いに行きます。
おじいちゃんの願いを叶えるためにウルフは病院からおじいちゃんを連れ出し、ふたりの旅が始まります。
児童書だけど、おじいちゃんの亡き妻への愛情など、大人が読んでも心がギュっとするシーンや言葉があります。
たくさんの人に、”生きるうえで大事なこととは?”を考える本として読んでほしいです。
茶箱
切ない現実を書いているけれど、ユーモアもある。
一気よみ物語よ
『ぼくのあいぼうはカモノハシ』
ルフスはドイツの小都市に住むサッカー好きの男の子。(小学校2.3年生くらい)
動物園ちかくのバス停裏の茂みで人間の言葉がしゃべれるカモノハシ、シドニーに出会います。
シドニーから、オーストラリアに帰りたいから協力してほしいと頼まれるルフス。
偶然にもオーストラリアはお父さんが長期出張している国だったので、二人でオーストラリアに行くことを決心するのルフスだったが。
当たり前だけど、そう簡単にはいかない。
何回失敗しても、あきらめない二人はもはやコントのようで笑えます。
ふたりは無事にオーストラリアに行けるのか?どんどんハマってしまう物語です。
茶箱
カモノハシの知ったかぶりと、それを素直に信じる少年。
でこぼこコンビのバランスが良くて楽しいのよ
『バウムクーヘンとヒロシマ』
グルグルと、層が何層にも重なったバウムクーヘン、おいしいですよね。
でも、このバウムクーヘンってどこの国のお菓子なのか?いつ日本に伝わったのか知っていますか?
ひとりのドイツ人男性カール・ユーハイムさんの人生を通して、どうしてバウムクーヘンが日本に伝わったのかがわかる本が『バウムクーヘンとヒロシマ』です。
バウムクーヘンは戦争のおかげで、日本に伝わったという衝撃的な内容、甘くておいしいバウムクーヘンからは、想像もつかない悲しい物語。
タイトルどおり広島に落とされた原爆が絡んだバウムクーヘン物語は、涙とともに、戦争の恐ろしさと虚しさが心に残りました。
茶箱
平和な日本しかしらない人、大人にも子どもにも読んでほしいわ
戦争が引き起こす悲しみを忘れちゃいけないわよね
『りぼんちゃん』
子どもだけじゃどうにもならないこともある。
大人が助けをださなくちゃいけなくても、大人は気づきにくい。
人の家庭の事情ってわかりにくいけれど、深刻な助けを求めている子どもって、想像以上に多いのかもしれませんね。
そんなジレンマを抱えた問題がリアルに書かれた物語です。
茶箱
他人が踏みにくいエリアの問題って難しいのよね
『口ひげが世界をすくう?!』
オーストリアに住む1年B組のヨナタン、通称ヨーヨ。
彼が最近心配なのは、おばあちゃんが死んでから元気のないおじいちゃん。
そんなおじいちゃんが突然、「世界ひげ大会」に出てひげのチャンピオンになると宣言します。
ヨーヨーは、おじいちゃんが優勝するために、懸命にお手伝いを始めます。
おもしろいことに、大会に出場して物語は終わると思いきや、大会後もこの物語は続きますよ。
おじいちゃんと孫の二人で過ごす楽しい時が生き生きと書かれた物語です。
挿絵がとっても面白いので、本が苦手な子どもでも読みやすい本です。
茶箱
大会に出場するおじいちゃんのひげの可愛さにビックリ!するわよ
『たまねぎとはちみつ』
小学校5年生のすべて平均くらいの女の子千春の物語です。
”ふつう””個性的ではない”から注目されない自分に不満はない。
だけどもうちょっと成長したいなと思っている人におすすめの本です。
千春は近所に住むエンジニアで発明家のおじさんと知り合い、いろんなことを話すうちに、千春の世界は広がっていきます。
日常の生活で、たくさんのことに悩む千春には共感しちゃいます。
自分を認めてくれる人には、素直に自分の弱い部分を見せて助けてもらうのも大人になる一歩なんだとおもえる物語です。
茶箱
「今日はたまねぎ、明日ははちみつ」という言葉はアラビア語のことわざで、いい日もあれば悪い日もあるという意味だそうよ
『飛ぶための百歩』
目が見えない男の子ルーチョ、中学を卒業したばかり。
目が見えなくてもなんでも自分でできるからと、人を頼るのが嫌い!
たしかに彼は視覚以外の感性をフル活用して、健常者のように驚くほどいろんなことをわかっています。
でも、そんな彼だってどうにもならない時もある
それは目が見える、見えないじゃなくて、人間はだれもそういう時がありますよね。
彼の人懐っこい性格でユーモアたっぷりの人生は、人を頼ることでもっともっと生きやすくなるはずなのです。
目が見えなくて辛いのではない、視覚障害を持つ人の気持ちが素直に伝わってくる物語でした。
茶箱
彼の視覚以外の感性の使い方にビックリしたわ!
魔法を使っているみたいなのよ
『ぼくのまつり縫い』
男の子だから手芸が好きって言いにくい。
そんな気持ちに共感できるひとにおすすめの一冊です。
手芸や料理は女の子の趣味、スポーツやモノづくり作業(DIY)は男の趣味として思っていませんか?
そんなことはまったくありません。
だって一流の料理人の多くは男性ですしね。(それはそれでまた問題があるようですが(笑))
サッカー部だった優人はケガをきっかけに、あれよあれよと被服部のお手伝いをすることになります。
でも、それはみんなに隠しておきたいこと。でも被服部の活動は楽しい。
みんなと同じが安心な中学生には、なかなかヘビーな問題ですよね
そんなゆらゆらする彼の気持ちが痛いほど伝わってくる物語です。
続編、続々編とシリーズ化しているので、優人くんの成長が続けて読めますよ。
茶箱
彼を見守ってくれる仲間たちの優しさにほっこりしたわ
『ハジメテヒラク』
自分が良かれと思ったことが人を傷つけてしまう。
こんな状況を、だれもが生きているうちに経験しますよね。
一言のせいで失敗したから、それ以来言葉を口にだして言うことが怖くなっている女の子あみちゃん。
脳内で思っていることを実況するのがクセになっています。
そんなあみちゃんは、中学生になり華道部に入部します。
ユニークな華道部の人たちと接するうちに、だんだん言葉や想いを口にだす大切さに気づき始めます。
ひとりの女の子の成長物語です。
茶箱
心で伝わるのは理想だけど、口にださないと、なかなかわかってもらえないものよね
『5000キロ逃げてきたアーメット』
転校生は悩みを抱えてやってくるのが、物語では”あるある”ですよね。
舞台はイギリスです。
クラスに突然やってきた少年アーネットは、しゃべらないし、笑わないし、ランチのときもいなくなっちゃうし、どんな子なのかまったくわからない。
でもライオンのような気高く孤独な目をしていると思った同じクラスのアレクサ(9歳の女の子)は、直感的に友達になりたい!と思うのですが。
じつはアーネットはシリアからの難民で、英語が喋れないのです。
アーネットがぶつかっている現実の苦しみ・問題を解決してあげたいと、アレクサと仲間は、突拍子もない行動を起こします。
友達の助けてあげたい
そんな素直なアレクサと仲間たちの心と勇気を誇りに思える物語です。
物語にはいろいろな考えの子どもたち、ウワサ好きな子、転校生を毛嫌いする子、理由なくいじめをする子が登場するのも、リアルでおもしろいです。
イギリスが抱える難民問題を知ることもできます。
茶箱
どこの国でも、意地悪な子っているのね
本好きの高学年におすすめ本
『ぼくはイエローでホワイト、でブルー2』
イギリスが舞台になっている本をさらに紹介します。
イギリスに住むブレディ一家は、お父さんが英国人で、お母さんが日本人(作者のみかこさん)、息子さんの3人家族です。
この本は、小学校とまったく異なる環境の中学に進学して、いろんなことに悩んだり、不思議に思ったり、考えたりする息子さんの姿が、母親の目から語られるエッセイです。
息子さんは、環境の違いや、人種といったことに加えて、思春期ならではの友達との関係や、勉強のこと、親子関係についても悩みます。
大ヒットした1冊目に続いて2021年秋には続編が出版されました。
2冊目では成長した息子さんが、さらに自分のことだけでなく、政治のこと環境のことにも目を向けていきます。
イギリス社会の現実、日本との違い、日本人が海外で暮らすとはを学べるエッセイでもあります。
* 過去に中学入試で出題されています。
茶箱
息子さんと一緒に、母であるみかこさんもお父さんも成長していくのよ
『奏のフォルテ』
「人と協調して生きるって難しい」と思っている人におすすめしたい本です。
主人公は中学校2年生ホルン奏者、遠峰奏。
音に対して天才的な才能をもつ彼は、普通の中学生活を送るのが難しい。
さらに海外の有名音楽学校の受験に落ち、友達との衝突が繰り返され、家族の経済的問題が浮上し、彼を取り巻く状況が悪化していきます。
そんな中新しい友達でありライバルがきっかけになり、彼の音楽への気持ち、生き方、人との接し方がどんどん変化していきます。
青春時代のみなぎるパワーと、それが空回りしてしまう虚しさ、でもそれがまた新しいパワーになっていく力強さを感じる物語です。
茶箱
ライバルがいてこそ、自分自身も高めていけるのよね~
『アドリブ』
音楽つながりでおすすめしたい本があります。
舞台は日本を離れたイタリア!
こちらはフルートの天才少年15歳のユージが主人公です。(物語はユージの10~15歳のおはなし)
決して裕福ではない母と二人でくらす少年が、音楽の道を迷いながらも切り開いていく物語です。
自分が困ったときに音楽を愛する者が助けてくれる。
演奏をするしないに関わらず、音楽を純粋に愛する者同士だからこそわかり合える気持ちがあるんですね。
順風満帆とはいかない人生にも明かりはあることを教えてくれる、涙あふれる感動物語です。
* 中学入試で出題されました
茶箱
音楽学校で繰り広げられる、厳しい争いも見どころよ!
『ブラザーズ・ブラジャー』
高校1年生のちぐさは、父の再婚によって義理の弟(中学2年生の晴彦)ができます。
ある日偶然、ちぐさは晴彦がブラジャーを身につける姿を見てしまいます!
晴彦は美しいブラジャーを愛する(家では身につけたりもする)男の子でした。
そんな弟を「普通だ」と理解していると思っていたちぐさだったのですが、それは晴彦に対して、勝手に彼の人格を自分のなかで作りあげていたことに気づきます。
ちぐさは、自分だって周囲の人に、本当の自分をわかってもらえないと憂いているのに。
人はどうして、他人と比べて、自分は普通だと安心したり、普通と違う自分が嫌いになったり、おちこんだりするんだろうかとつくづく思っていまいます。
普通なんて誰がきめたことでもないのに。
「普通という枠なんてない」と勇気づけられる物語です。
茶箱
物語にはいろんな名言があふれているの
心にグサリとつきささる言葉ばかりよ
『オリオンの上』
「わたしが生まれた意味があるの?」なんて子どもに聞かれたら、大人は考えただけで泣きそうになります。
そんな風に考えてしまうほど、家族に人生を振り回される子どもが主人公の本を紹介します。
中学校1年生の麻由子は自分ではどうにもならない、父親のことで悩んでいる。
なんと、幼なじみの朋也の母親と、麻由子の父親がただならぬ仲だという。
家庭は崩壊寸前、麻由子はなにをしていても家族が気になって仕方ない。
どんどんひとりで思いつめる麻由子の内面が書かれていて、心が痛くなります。
人が人を好きになるってどういうことなの?
誰かが誰かを好きになれば、誰かが傷つくことになるの?
自分も誰かを好きになったら、誰かを傷つけてしまうのだろうか?と思うと悲しくなってしまう麻由子。
ごくごくふつうに同級生を好きになって失恋するとか、友達と三角関係になるとかで恋愛を悩むならまだしも、両親の恋・愛で悩むなんて、なんて酷なストーリーなんだろうと泣けてきます。
さらには自分が生まれてきた意味さえも考えてしまう麻由子。
生きていればいいことばかりじゃないし、自分ではどうにもならないこともある。
特に自分で生計を立てられない子どものうちは、家族に振り回されることも多い。
でも、自分は自分。
自分の人生は自分のモノということを忘れずに生きようと思える物語です。
茶箱
児童書なのに驚きの設定に、ビックリ!
でも暗い内容だけではなく、幼なじみの朋也のカッコよさにグッときたり、吹奏楽部の顧問のサヒメ先生の魅力も楽しめる本よ
『二番目の悪者』
ちょっと難しいテーマにも挑戦してみたい時におすすめの本、”ひとのウワサ”を題材にした物語を紹介します。
学校に行くと、社会に出ると、一番大切なのは人と人との関係です。
いろんな考えの人たちがいるし、いろんな事件が起こりますし、いろんなウワサが飛び交います。
人のウワサが連鎖となって引き起こる、この物語はヒンヤリと怖いのですが、でもきちんと知っておきたい、自分ならどうするかを考えたい物語です。
茶箱
社会で生きていくのに大事なことを教えてくれるわ
まとめ
2022年冬 【小学中学年・高学年向け】多感な時期だからこそ読んでほしい!おすすめ面白い児童書13冊 はいかがでしたか?
子どもだけでなく大人が読んでもおもしろい、そして心に響く物語を中心に紹介しました。
●『捨てないパン屋の挑戦』
地球にやさしい、人にやさしい、自分にやさしいパン屋さんのおはなし
●『おじいちゃんと最後の旅』
おじいちゃんと孫の心に残る旅の物語
●『ぼくのあいぼうはカモノハシ』
ドラえもんとのび太のようなおもしろコンビの物語
●『バウムクーヘンとヒロシマ』
バウムクーヘンを日本に伝えたドイツ人のおはなし
●『りぼんちゃん』
助けを求める勇気をふりしぼったリボンをつけた女の子の物語
●『口ひげが世界をすくう?!』
おじいちゃんと孫の仲良しさが生き生き書かれた物語
●『たまねぎとはちみつ』
ふつうの女の子の成長物語
●『飛ぶための百歩』
目の見えない男の子の成長物語
●『ぼくのまつり縫い』
手芸好きを誰にも知られたくない、悩み多い男の子の物語
●『ハジメテヒラク』
思っていることを言葉にするのが怖い女の子の成長物語
●『5000キロ逃げてきたアーメット』
転校生はシリアから難民の男の子だった!イギリスの小学生のおはなし
高学年向けのおはなし
●『ぼくはイエローでホワイト、でブルー2』
イギリスで今を生きる親子
●『奏のフォルテ』
中学校2年生ホルン奏者、奏の生きにくい人生の物語
●『アドリブ』
イタリアで生きるフルート奏者ユージをめぐる音楽を愛する人たちの物語
●『ブラザーズ・ブラジャー』
義理の弟をとおして高校1年生の千春が考える「普通とは?」の物語
●『オリオンの上』
自分ではどうにもならない悩みがある中学校1年生の麻由子の物語
●『二番目の悪者』
ウワサについて考える物語
茶箱
おもしろくて物語にはいりこんで読んじゃう本ばかりよ