茶箱
多感な子どもの気持ちが上手に書かれた物語(児童書)だったわ
「わたしが生まれた意味があるの?」なんて子どもに聞かれたら。
大人は考えただけで泣きそうになる。
もしそんな風に考えている考えたことのある子ども、特に家族に振り回される生き方がつらいと思っている子どもにぜひ読んでほしいおすすめ本を紹介します。
『オリオンの上』
【著者】 有島希音
【出版社】文研出版
*『オリオンの上』は児童書なので、小学高学年くらいから読める本です。
人って、どうして生まれてくるのだろう……。
誰かを傷つけるために、生まれてくるのだろうか。
(p.126)
▶▶親のせいで傷ついた麻由子の思い
親のせいで傷つく子どもがいる
中学校1年生の麻由子は勉強のこと、友達のこと、体のこと、恋のことで悩んでいるのではない。自分ではどうにもならない、父親のことで悩んでいる。
なんと、幼なじみの朋也の母親と、麻由子の父親がただならぬ仲だという。
児童書なのに信じられない設定に、ビックリしました!
家庭は崩壊寸前になるし、なにをしていても家族が気になって仕方ない。
どんどんひとりで思いつめる麻由子の内面が書かれていて、心が痛くなります。
大人の私でも、何が正しいのか、どうしていいかわからないことを、思春期の多感な少女が一人で悩まなければならない。
人が人を好きになるってどういうことなのか?
誰かが誰かを好きになれば、誰かが傷つくことになるのだろうか?
自分も誰かを好きになったら、誰かを傷つけてしまうのだろうか?と思うと悲しくなってしまう麻由子。
ごくごくふつうに同級生を好きになって失恋するとか、友達と三角関係になるとかで恋愛を悩むならまだしも、両親の恋・愛で悩むなんて、なんて酷なストーリーなんだろうか。
さらには自分が生まれてきた意味さえも考えてしまう麻由子。
麻由子にはまったく非はないのに。
生きていればいいことばかりじゃないし、自分ではどうにもならないこともある。
特に自分で生計を立てられないうちは、家族に振り回されることも多い。
でも、自分は自分。
子どもには、自分の人生は自分のモノなんだということだけは忘れてほしくない。
茶箱
生まれたことに意味があるのだろうか?なんて子どもが思うなんて
読んでいて切なかったわ
あらすじ
中学校1年生の麻由子は父親のことで悩んでいる。
幼なじみの朋也の母親と、麻由子の父親がただならぬ仲だという。
しかも周囲の人にも知られてしまっているようだ。
学校に行っても、部活をしても両親のことが気になって仕方ない彼女を助けてくれたのは、仲間や先生、そして一番の救いになったのは、頼りないと思っていた父親の不倫相手の息子、幼なじみの朋也だった。
中学1年生の少女麻由子は、北海道北西部の町で両親と妹と暮らしている。所属する吹奏楽部で、コンクールに向け練習に励む毎日だ。
そんなある日、父が同級生朋也の母と不倫関係にあることを知る。ショックを受ける麻由子に、母の言葉が追いうちをかける。「あんたができなかったら、結婚なんかしなかったのに」。
生きる意味を見いだせず、思い悩む麻由子だったが……。美しくも厳しい自然を背景に、多感な少女の心の成長を描く。【引用:アマゾン『オリオンの上』より】
茶箱
暗い内容だけではなく、朋也のカッコよさにグッときたり、吹奏楽部の顧問のサヒメ先生の魅力も楽しめる本よ
次に読みたいおすすめ本
もしも父親が犯罪者になったら!
衝撃的なストーリー設定に驚きながらも、あり得ないはなしでもないとグイグイ物語に引きこまれてしまう本を読んでみませんか?
『羊の告解』
こうなったら、一家離散?一家心中?と悪いことばかり頭には浮かんでしまいますが。
親や家族は、あなたのすべてではないんですよ。
茶箱
父親のせいで人生が一変してしまう家族はどうなるのか気になりますよね
【著者】いとうみく
【出版社】静山社
いつもと同じ光景、いつもと同じ朝食、いつもと同じ朝、中学3年生の涼平の父親が、逮捕された。容疑は殺人―。何かの間違いか、そうでなければ事故だったと信じたい涼平だったが、父親は家族との面会をかたくなに拒む。真相も知らされないまま、突如“カガイシャカゾク”となった涼平は、父と同じ加害者なのか、それとも憐れむべき被害者なのか…。
【引用:アマゾン『羊の告解』より】