茶箱
2021年大河ドラマの主人公、渋沢栄一
映像化するには地味な経済人としての生涯を送った渋沢の生き方は、学校で歴史の勉強をしただけでは知らないことばかり
大河ドラマに先駆けて渋沢栄一の人生がわかる本を紹介します。
茶箱
戦いなしで”ドラマチックな生涯”というわけではなさそう
つまらなくて読むの断念しちゃうかも
読むのを断念しないように、子どもも読みやすいレベルの本3冊を選んでいます。
『幕末明治サバイバル! 小説・渋沢栄一』
【著者】加納 新太 (著), 野間 与太郎 (イラスト)
【出版社】KADOKAWA
*小学中学年くらいから読める本
【生き方の参考になる本】
● 渋沢栄一のカッコいい生き方を学べる
● ドラマチックな小説仕立てなのでよみやすい
● 自分で考える大切さを知る
● フリガナつき・文中にイラストつき(小学高学年から読める)
● 【弱点】渋沢栄一の生涯の後半部分はかなりあっさり
➡民間企業立ち上げのはなしはさらりと説明のみ
心に残ったフレーズ
勉強する、と思うと、気分はちょっとゆううつになるが、すこしだけ大人の仲間入りをするのだと思えば、わくわくする
(P.42)
『だれも答えをしらない疑問』につきあたったら、栄一はどうする?
<中略>
自分の頭で考えて、自分で答えをだすしかない。
学問というのは、自分の頭で考えて、自分で答えをだせるようになるのが目的なんだよ
(p.48)
自分と似たような意見をきいたってしょうかないからだ
(p.101)
すききらいと、必要なことを、わけて考えられるのが栄一のいいところである。
(外国人はきらいだが、フランスのことを知るにはフランス語ができたほうがいいから、フランス語を習おうと思える)
(p.172)
茶箱
渋沢栄一のパワフルな生き方は、元気をもらえるわ 毎日マンネリだななんて思っているのがバカらしくなるはずよ
『渋沢栄一伝: 日本の未来を変えた男』
【著者】小前 亮 (著)
【出版社】小峰書店
特に小学校高学年~中学生におすすめ
小説としても、歴史の勉強用としても、両方使える内容
渋沢栄一の成長と、日本の資本主義へ向かう明治政府の混乱から成長への成り立ちが同時にわかる本
茶箱
大人が読んでいても恥ずかしくない!楽しめる本よ
【渋沢栄一と彼の生きた時代背景が学べる】
● 農家に生まれたのに、武士になり、「日本資本主義の父」と呼ばれるまでになる渋沢栄一の波乱と冒険に満ちた生涯を小説として楽しめる歴史青春ストーリー
● 幕末から明治時代の歴史を学べる
➡討幕派、尊王派、攘夷派となんだかよくわからない幕末のゴタゴタが見えてくる
● 渋沢と関係のあった明治時代の実業家たちを知る
● 文字が大きくフリガナがついていて読みやすい
➡小学校高学年や中学生におすすめ
● 【弱点】女性関係や失敗談が少ない
内容紹介・あらすじ
● 第一部「立志篇」
渋沢の14歳から34歳までの青年期を描く。(民間企業立ち上げの前まで)
渋沢栄一の半生が小説として楽しく読める
● 第二部「知命篇」
渋沢がどのような企業を立ち上げてきたか、渋沢の経営哲学を紹介。
教科書ぽい内容 大人としてはちょっと物足りないが、渋沢の功績(民間企業立ち上げ)が大まかに把握できる
● 第三部「明治時代の実業家たち」
渋沢と同時代を生きた実業家たちを評論的に解説。
実業家たちの人間らしさも書かれた面白い人物紹介
茶箱
岩崎弥太郎と渋沢栄一の考えや経営方針の違いなどがおもしろいわ
「渋沢栄一伝: 日本の未来を変えた男」
— 茶箱 ℂℍ𝔸𝔹𝔸ℂ𝕆 本とお菓子を愛する (@pooh70inu) May 8, 2021
児童書のため美談多し
渋沢は自分を信じて突き進む生き方で仕事や事業を成し遂げていく
渋沢流
何かを始めるときは「人の話を聞く」のがまず大事
仲間も敵でも相手の話を聞いてから自分の考えを伝える この順番を間違えちゃいけないんだな#読了 pic.twitter.com/JbwZZssCpC
茶箱
渋沢の確固たる信念がありながらも、人と協調しながら、相手を仲間にしながら、説明をして相手を納得させて、行動を遂行していくやり方は参考になるわね
『渋沢栄一の経営教室 Sクラス』
【著者】香取 俊介 (著), 田中 渉 (著)
【出版社】日本経済新聞社
中学生~高校生くらいにおすすめの本
【渋沢スピリッツを学ぶ】
ビジネス本ではなく小説ですが、実際にビジネスに取り組むなかで役立つ”渋沢スピリッツ”が満載の本です。
あらすじ
● 物語の前半
16歳の少年がタイムスリップして鳥になり、渋沢栄一のそばにつき彼の生活を間近で見て、彼の生き方や考え方、ビジネスの基本を学んでいく
● 物語の後半
渋沢から学んだビジネスの仕方”渋沢スピリッツ”を参考にして、少年は友人3人とともに食堂を立ち上げる
● 人なつっこさ、人の話をよく聞くなど、人としての渋沢の魅力がわかる
● いいと思ったことには、とことん食らいつく渋沢の姿勢を学ぶ
➡あらゆる場面で出てくる渋沢のしつこさ
● タイムスリップしたり、恋模様もあって物語として楽しめる
● 【弱点】経営教室というがビジネス本ではない
茶箱
渋沢栄一は完璧な人間ではなかったけれど、彼のいい意味での”しつこさ”は学ぶべきだよね
【渋沢栄一】本3冊を読んでみて
戦いもない、読みごたえのない渋沢栄一の生涯物語と思っていたけれど、渋沢の日本を良くしたい!という強い思いを感じました。
茶箱
3冊とも、しつこいけれど人懐っこい渋沢栄一のイメージは一致しているわよ