2022年1月21日更新
茶箱
大人にも人気急上昇中の青山美智子さん
中学受験生にもぜひ読んでほしい物語を書いているわよ
茶箱
人の数だけ人生があるのを感じる物語が多いわよ
今回紹介している5冊はどれも短編集なので、気に入った短編をアットランダムに読むという楽しみ方もできます。
茶箱
ここ数年で、中学受験の入試問題でも出題されることが多い作家さんのひとりになったから大注目よ!
●青山美智子さんは1970年生まれの作家さん
『木曜日にはココアを』
【出版社】宝島社
あらすじ・読みどころ
12編の短編集
川沿いにある小さな喫茶店「マーブル・カフェ」で繋がる人々
カフェに集う人々の日常は決してドラマティックな毎日じゃない。でもふつうの生活をみんな頑張って生きている。
東京とシドニーのどちらかが舞台
(著者の青山さんはシドニーの日系新聞社で記者として勤務経験あり)
ひとつひとつの物語に色をつけた、12色のカラフルな短編集になっています。
心に潜む心配事、悩み事があっても、自分を認めてあげて、毎日を精一杯生きようと元気がでてくる物語。
中学受験生におすすめ短編は?
2.「きまじめな卵焼き」(Yellow)
働くママ朝美が、夫で専業主夫の輝也がいない日に突き詰められた現実とは?
3.「のびゆくわれら」(pink)
幼稚園のベテラン先輩先生の小言がめんどくさくなった幼稚園先生歴1年半のえなちゃん
中学受験 2016年開成中学入試(国語)で出題
出題された短編は「きまじめな卵焼き」
ほぼ丸ごと1篇が出題されています
バリバリ働く朝美が主人公。
幼稚園生の一人息子がいるが、普段は主夫の輝也が家事から育児の中心をこなしている。
輝也が泊りがけの外出をしたときに、朝美は輝也の代わりにやったことがまったく上手くできず、自分のふがいなさにがっかりしてしまう。
さらにその夜、玉子焼きすら焼けない自分は、家族に必要な存在なんだろうかと泣きだしてしまうのだった。
普通の人たちの日常にもドラマがある
悩む日もあれば、自分が認められる日もあるし、さみしい日もあるし、友達と意見の合わない日もある
でも何かひとつのことがきっかけで良い方向へ進んでいく、人生の素敵な展開を感じられる本だったわ
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『鎌倉うずまき案内所』
【出版社】宝島社
あらすじ・読みどころ
不思議な短編6編
鎌倉で道に人生に迷子になった人が迷いこむ、ふしぎな案内所「鎌倉うずまき案内所」。
そこには双子の内巻き・外巻きおじいさんとなぜか所長のアンモナイトがいるのだ。
鎌倉うずまき案内所にある洗濯機ほどの大きさの甕をのぞくと見える、グルグル巻いてあるモノが、悩める主人公を助けてくれるアイテムになるのです。
グルグルしていた気持ちがスッキリする、目の前が大きく明るく開ける、気持ちを明るくしてくれる物語。
6編の短編に登場する人物の人生の出来事が年代別にわかる平成31年間の年表が文庫本についています。
『鎌倉うずまき案内所』は、短編ひとつひとつは違う物語ですが、登場人物がリンクする形になっているので、年代別に登場人物の状況が把握できると物語がさらに面白くなります。
中学受験生におすすめ短編は?
● 「2013年 つむじの巻」
YouTuberを目指す息子を改心させ大学に進学してほしい母親
● 「2001年 ト音記号の巻」
クラスで孤立するのが怖い女子中学生
➡2022年の栄東中(東大特待1)入試問題で出題されました。
【中学受験】2020年品川女子学院中等部入試(国語)で出題
出題箇所
出題された短編は「2001年 ト音記号の巻」
主人公は中学3年生のいちかちゃん
同級生の男子乃木くんと「仲がいい」と、女友達にからかわれてしまい、乃木君を否定する発言をしてしまった後
いちかちゃんが、いとこで教師のさくちゃんから、自分らしく生きるアドバイスをもらうシーンから、乃木君へのプレゼントを買うところを女友達に見られてしまうシーン
『鎌倉うずまき案内所』の短編6編は、平成時代の31年間に起こった物語なの
平成が遠くなり、いつか「平成、懐かしい」と思ったときに、もう一度読みたいわ
『猫のお告げは樹の下で』
【出版社】宝島社
あらすじ・読みどころ
7つのやさしい短編物語
他の人からみたら大したことがない悩みであっても、本人にとってみれば大きな悩みを抱えた人たちが主人公
そんな彼らは、神社に突然現れるお尻に星のマークがついた猫ミクジから、文字の書かれたタラヨウの葉っぱを授わる
タラヨウの葉っぱに書かれたなんでもない言葉をきっかけに、悩める人たちの世界が前向きに変わっていく。
自分が勇気をだして一歩ふみだすことで良い具合に風向きは変わり、そこから人生は大きく変わるんだと、読者の私たちをやさしく励ましてくれる物語
中学受験生におすすめ短編は?
● [二枚目]チケット
中学生の娘と仲良くなりたい父親が主人公
● [五枚目]マンナカ
学校に行くのがつらい転校生の和也
なんだかよくわからない葉っぱのお告げが、幸運をもたらす!
私も神社に行って猫と葉っぱを探したくなったわ
でもお告げも大事だけど、ほんとうに大切なのは「想う気持ち」なんだと思ったわ
本気で想うパワーが幸運を引き寄せるのよね
『ただいま神様当番』
【出版社】宝島社
あらすじ・読みどころ
5編の連作短編集
バス停で一緒になる毎朝決まった顔ぶれのメンバー男女5人
彼らは毎日の生活にウンザリ気味のOL、小学女児、男子高校生、外国人男性、おじさん
そんな彼らの元に、順番に神様が降臨!
神様の要望を叶える「神様当番」に任命されてしまう。
当番は、神様が納得するまで終わらない
彼らの必死の奮闘が始まる
中学受験生におすすめ短編は?
2.小学生女児「松坂千帆」
毎日、がさつでアホな弟にイライラする千帆ちゃん
3.男子高校生「新島直樹」
携帯電話を持ったらSNSを駆使してイケてる男子高校生になると思っていた高校1年生の直樹
おもしろキュートな神様が降臨!
わがままな神様の態度は、お当番さんに「自分を変えるのは、自分しかいない」ことを教えてくれる
神様のおかげで、自分が自分を不幸にも幸せにもするんだと悟ったわ
『お探し物は図書室まで』
【出版社】ポプラ社
あらすじ・読みどころ
新しい明日に踏み出す5人の短編物語集
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が、小さな図書室で出会う不思議な図書館司書の小町さゆりさん
見た目はマシュマロマン、ベイマックス、『らんま1/2』の早乙女玄馬のパンダ、巨大な鏡餅と迫力満点だけど、悩めるひとたちは、なぜか本の相談だけでなく気づくと自分の悩みをも彼女に話してしまうのだ。
不思議な司書がおすすめする本と、彼女からもらう本のおまけの羊毛フェルトが彼らの人生を変える!
それぞれの年代や性別によって異なる、仕事の悩みに立ち向かう5人の主人公たち
彼らが本当に「探している物」「悩んでいること」は何だったのか?
明日への活力が満ちていく物語。
*「2021年本屋大賞」第2位
中学受験生におすすめ短編は?
● 「浩弥 三十歳 ニート」
イラストレーターに憧れたが、なんとなく人生がうまくいかずニートになってしまったの浩弥
年代や性別によって仕事の悩みはどんどん変わるけれど、悩みがないときなんてあるのかなと思うほど、仕事の悩みって尽きないのよね
自分ひとりがどうにもならないことが、だれかのフォローでいい具合に進みだし、新しい世界が広がっていく
人との繋がりの大切さを感じる、心あたたまる物語だったわ
【青山美智子さんの作品】中学受験生に読んでほしいおすすめ本5冊を紹介しました。
茶箱
中学受験生も青山さんの不思議な物語の世界が楽しめると思うわ
自分に似た主人公がみつかるかもしれないわよ
▼2021年難関中学受験で出題された本(小説)を読んだ記事はこちら