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2021年雙葉中入試(国語)で出題 小川洋子『偶然の祝福』「キリコさんの失敗」女子校受験なら必読かも

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 茶箱

不思議な体験をすることが多い子ども時代 

 

大人になって、あれって現実のことだったのかしら?と思いかえすことってない?

 

小川洋子『偶然の祝福』「キリコさんの失敗」

 

偶然の祝福 (角川文庫)

 

【著者】小川洋子

【出版社】角川

 

2021年の難関私立中学校、雙葉中学校の国語入試問題として出題されました。

 

過去にも、2013年頌栄女子学院中学校、2016年香蘭女学校中等科の入試(国語)でも出題されています。

 

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 茶箱 

中学入試の世界では人気のある小川洋子さんの小説

小学生にも読みやすい、不思議なストーリーに、言葉の正確さがかみ合った物語なのよね

 

過去の出題傾向から見ると、女子校を受験するなら読んでおいたほうがいいのかしらね

 

あらすじ・読みどころ

 

『偶然の祝福』は7つの短編からなる連作短編集

 

小さな息子と、犬と孤独な日々を暮らす小説家である”わたし”が、子ども時代から今に至るまでに失ってきたモノや人たちについて書かれた物語集

 

何かを得て失っていくもの

人生はその繰り返し

 

そこには不思議な出会いや不思議な出来事がまとわりついていた

 

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 茶箱 

ちなみに、作者の小川さん自身、両親とも金光教の信者という家庭で育ったそうよ

物語の主人公の”わたし”のお母さんも、教会に通っている熱心な信者さんなので、主人公の小説家の”わたし”は小川さん自身なのかしらとも思っちゃうわ

 

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 茶箱

ひとつひとつの物語は完璧に独立したものとして読めるのよ 

 

不思議な話しで夢なんじゃない?と思うような物語が、小川さんの静謐で独特のセンスある文章で、当たり前のように思えてくるのがすごい 

  

読みどころ

 

● 孤独な小説家”わたし”の抗うことのできない運命が導き出す物語

 

● 現実と夢、ハイブリッドな世界が広がる

 

● 静ひつな、人を寄せ付けない、いやでもどこか人情味も感じる なんともいえないセンスあふれる小川さんの文章

 

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 茶箱 

わたしの好きな作品は「失踪者たちの王国」

 

叔母さんが嘔吐袋をコレクションしている部分に「ピン!」ときたのよ

だって、私も飛行機やバスに乗るときは、必ず持ち帰っていたから

 

あれ、持ち歩いているとなんだか安心できたのよね~

 

2021年雙葉中入試(国語)の入試問題を解いてみた

 

出題されたのは短編「キリコさんの失敗」の一部

主人公の”わたし”が子どものころ(11歳から12歳)にお世話になった家政婦さんがキリコさん

キリコさんは”わたし”が失ったものを、さらっと取り返してくれる名人だ

 

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 茶箱

出題された部分は物語の始めの部分

主人公の”わたし”は仕事でヨーロッパへ行っていた父親からお土産に万年筆をもらうことから始まる 万年筆を気に入った”わたし”は使い続けインクが無くなってしまうのだがキリコさんが助けてくれる部分よ

 

文章問題は長くないので、ちょっと安心

中学入試を受験する子どもたちと同じくらいの年齢の女の子の物語なので、さらに読みやすいと思う

 

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 茶箱

あ~、これからがおもしろいのに

 

ほんの序章部分で問題文は終わってしまうのよ 残念

 

大人の私が解いてみた!

 

● 気持ちを読み取る問題は少なめ

 

● 子どもの”わたし”、”わたし”の周りの大人の気持ち、そして、大人でも子どもの”わたし”よりのキリコさんの気持ちを読み取る問題がある

 

● 「説明しなさい」「考えを述べなさい」といった文章で解答するのが多い

 

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 茶箱

大人と言っても、結婚前の娘さんであるキリコさんはピュアな気持ちをもっている女性

大人びた小学女子にキリコさんの気持ちがわかるかしら?と、ちょっと意地悪な気持ちになったわ

 

記述解答は難しい気がするけれど、逆に考えれば自分の考えを言葉にできればある程度の点数はもらえるんじゃないかなと期待しちゃう

 

ただし記述式問題も解答は80文字以上といった問題もあり難問よ

 

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 茶箱

2016年の香蘭中で出題されたのも同じ物語の最初の部分(香蘭中ではさらにリコーダーを無くす部分が出題されている)

 

記述式、選択肢式という違いはあるけれど、問題で問われている部分は似ている気がしたわ 

問いたくなる部分はどこも同じなのね

 

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 茶箱

2013年の頌栄中で出題されたのも同じ物語の最初の部分(頌栄中ではさらに、歯医者に行った帰りの部分も出題されている)

 

万年筆を手にいてた”わたし”の興奮した気持ちが問われているのは、どこも似ているわね

 

小川洋子『偶然の祝福』「キリコさんの失敗」 役立つちょこっとメモ

 

●主人公:11歳から12歳の”わたし”

●舞台:家庭

●フリガナなし

●本の長さ:72-101ページ(文庫本)

●初版:2000年12月

●作者の小川さんは1962年生まれ

1991年『妊娠カレンダー』芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞など、さまざまな賞を受賞している実力派の作家さん

 

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 茶箱

小川洋子『偶然の祝福』「キリコさんの失敗」は、子どものころ自分にも同じような出来事があったような無かったような、そんな物語だったわ

 

失ったものが、ひょんなところから出てきたり、その代わりになるものが手に入ったり

 

人生には不思議なことが多くあるわよね

 

私も小学生の頃、どうしても見つからなかった計算カードがあるの

 

 

なかなか親に言えなくて、でも、打ち明けて、怒られて、買いなおしたとたんに、教室のロッカーの裏で見つかったのよ!

 

もうちょっと早く見つかっていれば親に怒られなかったのに、買いなおさなくってすんだのに

それとも、親にばれて怒られたから見つかったのかしら?

 

今でもほんとうに不思議なのよ

 

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 茶箱

「キリコさんの失敗」を含む『偶然の祝福』は、子どもよりも大人が読んで楽しめると思うの

 

小学生よりも、いろんな人生経験をしてきた大人だからこそ楽しめる物語がつまった一冊だったわ

 

*読みどころや試験問題の感想は、あくまでも私個人の意見です。

 

紹介した本はこちら

 

続けて学ぶための本は?

 

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