茶箱
人生は決まっていないし、思い通りにはいかない
アドリブばかりだよ
『アドリブ』佐藤まどか
【著者】佐藤まどか
【出版社】あすなろ書房
2021年鷗友学園女子中、早稲田佐賀中の入試で出題されたそうです。
▼作者の佐藤さんのツイッターでも話題になっています
今年の中学入試でけっこう使って頂いている様です。
— 佐藤まどか (@Madoka_Sato_IT) February 2, 2021
受験生の皆さん、おつかれ様でした!
受験が終わって、ふと思い出して一冊まるごと読んでもらえるとうれしいな...😊 https://t.co/FF8TNdUtq6
あらすじ・読みどころ
舞台はイタリアの小さな町
そこで母親と二人で暮らす少年、ユージ(母もユージも日本人)
10歳の夏、フルートと電撃的な出会いをし、音楽院に入り憧れの先生に教わるようになる。
生活はキツキツ、学校と音楽院とダブル生活もたいへんなのだが、フルートに関しては順調に上達していくユージ。
フルートを憧れから始めて5年目
ユージは、プロになれるのはひと握りという音楽界のきびしさをひしひしと感じ、お金の心配や将来への不安、音楽との向き合い方、なにもかもに悩んでいた
15歳のユージはどうするべきなのだろうか?
「アドリブ」とは
ラテン語の ad libitum(アド リビトウム)「自由に」から来ているのだ
【引用:『アドリブ』p190】
茶箱
続けるべきか、やめるべきか
音楽界、芸術の世界、スポーツの世界、なんでも本気の世界に一歩足を踏み入れた人ならだれでも陥るジレンマなのよね
人生は決めた通りに進んでくれない
難しいわよね!
● 自分の好きなことで生きていく難しさと楽しさの表裏一体
● 自分でどうにもならないとわかっていることにどう向き合うのか
● だれかと自分を比べてしまう人間の性(自分の魅力って?)
本の世界に入って想像力を鍛える
本の世界に入りこんで、自分が本の登場人物になったらどうするかを考えてみました。
自分の魅力って知っている?
茶箱
大人の私が物語終盤で「なるほど~」と思ったユージの魅力
それは困ったときには、誰かが助けの手を差し出してくれる、助けてあげたくなるような少年がユージなのよ
「土壇場でうまくいくのは物語だからじゃない?」と思ったら、さみしいわね(笑)
さっそく、自分にもなにかしら魅力があるかしら?と身近なひとに聞いてみたくなったわ
ちなみに私は「ガチャピンの物まねが上手いので憎めないところ」と言われたわ(笑)レベルが低い話よね
ユージの意識の変化は?
茶箱
ユージは楽しくて仕方なかったフルートの演奏が、テクニックだけになってしまうことに悩んだり、学校の同級生と自分の演奏や家庭環境を比べて落ち込んだりと、スランプに陥ってしまっても、先生やフルート仲間たちによって助けてもらって乗り越えていくの
でも先生やフルート仲間にも助けられないのが、ユージの家庭の金銭問題なのよ
お金の壁に対するユージの決断が、この本の山場だったわ
(ここで私、号泣!)
山場を乗り越えた彼は、一回りも二回りも成長していくのよ
『アドリブ』佐藤まどか 役立つちょこっとメモ
●主人公:音楽学院に通うユージ(10歳~15歳)
●舞台:音楽学院 家庭
●難しい漢字にフリガナあり
●本の長さ:236ページ(単行本)
●初版:2019年10月
●作者の佐藤さんはイタリア在住。同じく15歳の少年が主人公が椅子つくりに挑戦する『一〇五度』は2018年度「第64回 青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書になっています。
茶箱
人生はアドリブばかり
いいアドリブもあれば、悪いこともある
人生は決めた通り、思った通りに行かないけれど、結局は自分が自分の人生を決めるのよね
*読みどころや想像の世界は、あくまでも私個人の意見です。
続けて学ぶための本は?
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小学生向け イラスト・写真多め、字も大きく読みやすいです 音楽コラムも多くあり、クラッシックの基本を学べます
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