おどろきの日本の姿が見えてくる
現場の小学校はこんな感じなのか?
おいしい小説のはずなのに、じっくり考えこんでしまった
遠藤彩見『給食のおにいさん』
【著者】 遠藤彩見
【出版社】幻冬舎文庫
● 学校給食の楽しい部分と闇の部分がみえる
● 子どもの給食ならではの工夫がわかる
● 日本は本当に豊かなんだろうか?と考えてしまう
● 仕事の楽しみ方がわかるかも
ざっくり本紹介するよ
★ フランス料理ではコンクールで優勝するほどの腕前を持つシェフ佐々目宗。
仕事場では人間関係が上手くいかず、自分のお店も火事にあい、小学校の学校給食の調理員として働くことに。
子ども嫌いな彼の前には問題を抱えた子どもたちがわんさか登場(笑)
子どもと接していく中で、佐々目も成長できるのだろうか?
★ ひとりひとりが同じではないように、ひとりひとりが違う問題を抱えている小学生たち。
教室に入れない保健室登校の子ども、親から食事を十分にもらえない子ども、親からの期待が大きすぎるストレスを抱えた子ども。
実際にいるだろう子どもたちの姿が見えてくる
★ 子ども嫌いな佐々目だが、実際に子どもが給食を嬉しそうに食べる姿を見るのがうれしいことに気づく。
もっともっとおいしい給食を作りたいという気持ちも増えてくる。
どんな仕事をしていても、自分の仕事が誰かを喜ばせることを感じられるのが大事だなと思う。
★ おいしい小説と思いきや、心がつまるシーンが何度もあった。
親から食事をまともにもらえない小3年の陽くん。
子どもの気持ちや親に配慮しながら対応する先生や栄養職員さんなどの優しさや手助けにグッとくる。
★ 小説に書かれているような食事を十分に食べられない子どもが本当にいるのだろうか?
ニュースで見たことはあったがレアなケースだと思っていたのだが。
飽食で廃棄食糧も多いと思っていたが、その一方では食に困る現状をもつ人もいるという現代日本を知っておかなければと思った。
大人気でシリーズ化
『給食のおにいさん』は大人気
合計5冊の本が出版されているシリーズものになっています。
第2弾『給食のおにいさん 進級』
第3弾『給食のおにいさん 卒業』
第4弾『給食のおにいさん 受験』
第5弾『給食のおにいさん 浪人』
どんどん佐々目くんも成長していきますよ。