教科書では学べない戦後の日本について考えられる本
子どもから大人まで
戦争・戦後を知らない人みんなが読むべき本だったよ
私たちは「新しい時代」を実現できているのかな~?
古内一絵『鐘を鳴らす子供たち』
【タイトル】『鐘を鳴らす子供たち』
【著者】 古内一絵
【出版社】小峰書店
● 戦後日本の姿の一部がみえる
● 子どもはもちろん、大人も戦争について目を背けている自分はいないだろうか?
● 戦後の新しい世界ってなんだろうか?
● 日本のこれからはどうなっているのか
ざっくり本紹介するよ
★ 舞台は昭和22年夏の東京。
ある小学6年生がNHKのラジオ小説に参加することから話は始まる。
ラジオという大人の世界に足を踏み入れた彼らがみた戦後の日本の姿とは?
戦後の子どもたちの姿や心の中は?
今の日本からは想像できない戦後の東京(日本)の姿が目の間に広がる本。
★ 昭和生まれの私ですら想像できない戦後の東京の状況がみえる。
闇市や配給、GHQ(進駐軍)と日本人との関係性など思いもつかない世界が広がる。
多くの人が食べるものも着るものもままならず、さらには戦災孤児は犯罪のような行動をしながら食べるものを手に入れ野宿をして生きている姿があった。
これでさえ、きっと本当の姿の一部なんだろうな。
★ 戦争後の日本を励ます目的のラジオ小説すら、本当に苦しい人たちからは「ウソ」と言われてしまう現実。
自分の想像する人の苦しみや悲しみなんてほんの一握りなんだと思う。
★ 日本は今に至るまでかつての「戦争」に対して背を背けている気がする。でも、それがいいのか悪いのかはわからない。
戦後に向き合ったところで、今の自分はどうすべきなのか?
ただ本当に起こっていたことを受け止める、想像できるくらいの知識や理解力をもっておきたいと思った。
★ 小説は実際にNHKで制作された連続放送劇「鐘の鳴る丘」をモチーフにしたフィクション。
小説の中にでてくる脚本家の菊井さんのモデルは菊田一夫さん、音楽担当の古坂さんは朝ドラでおなじみの古関裕而さんです。
「鐘を鳴らす子供たち」にも古関裕而さんが登場するので(小説の中では古坂先生)、毎朝「エール」を楽しみに見ているのですが、久志が「フラダン」の宙彦(おきひこ)にしか思えないのです…😂🤣😂 pic.twitter.com/D1ull8lgDC
— 古内一絵🎊感謝御礼「マカン・マラン」シリーズ11万部突破 (@gunei19) July 2, 2020
★ 「新しい時代」への期待を胸に秘めていた大人や子どもたち
現在の日本は「新しい時代」を実現できたのだろうか?
次に読むなら 中島京子『夢見る帝国図書館』
中島京子さんの『夢見る帝国図書館』を読みたい。
【著者】中島京子
【出版社】文藝春秋
日本で最初の図書館、帝国図書館の設立が書かれた小説
帝国図書館を利用した大正時代の作家たちが続々登場するのも、リアルで面白い
一方、並行して喜和子さんという年配の女性の生涯も書かれています。
彼女の生涯を通して、戦後東京の現実が明らかになっていきます。
小説の舞台は東京上野周辺。
普段この辺りを散歩したり、遊びに来たことのある人も多いはず。
現在ののどかでたくさんの人が平和に過ごせている場所が、かつては多くの人の血の流れた場所だったことにびっくりするはずです。
国立国会図書館に掲げられている国立図書館法の前文の一部
「本がわれらを自由にする」
この言葉の意味が深く心に迫る一冊です。
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子どもでも読めるかな?
●『鐘を鳴らす子供たち』
小学高学年でも十分に読める内容。
というか、ぜひぜひ読んでほしい。
●『夢見る帝国図書館』
内容は小学生高学年くらいだと難しい。
愛人の話などがでてくるので大人が一度確認してから子どもにおすすめしたほうが無難。