2020年11月13日更新
苦しいのに仕方なく学校に行くのは当たり前なのかな?
もしつらいことがあるなら、違った方法をかんがえてみたらどうかな?
学校に行くように図書館に通ってみたらどうだろう。
自分なりに生きる方法を考えるたくましい少女が主人公の小説だよ。
『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井とりお
【タイトル】『虹いろ図書館のへびおとこ』
【著者】 櫻井とりお
【出版社】河出書房新社
● 図書館の魅力がたっぷり
● 子どもなりの大人への気の使い方など、子どもの気持ちがよくわかる
● 今の状況はつらいけれど、とにかく頑張っている人に励ましを与えてくれるような本
● 本好きさん大喜び。いろんな絵本・児童書が登場するよ
ざっくり本紹介するよ
★ 家族がたいへんな状況にある火村ほのかちゃん。
転校先でいじめにあうのに誰にも相談できない。そんな彼女の向かった先は図書館!
その図書館には顔半分が緑色という、怖そうなへびおとこイヌガミさんがいた。
居場所のないほのかちゃんは図書館からも追い出されてしまうのか?
★ 読み聞かせやクリスマス会、図書館カードに図書館バッグ。図書館の魅力が満載につまった本。図書館に行ったことのない人が読んだら図書館に行ってみたくなるはず。
★ 名作児童書や絵本もたくさん登場する。巻末に「この物語に登場する作品」リストがあるほど。
★ 家族が苦しい状況にあるからこそ自分の苦しさを言えない。子どもらしい考え方が伝わってくる。君はとっても強くていい子なんだよ、ほのかちゃん。
★ 図書館にいたへびおとこイヌガミさんの大人の対応に感動。
不登校ほのかちゃんにとっては、頼りになる大人イヌガミさんの存在が大きい。
子どもの気持ちを理解してくれ、本当に子どものことをかんがえてくれるイヌガミさんがどんどんかっこよくなってくる。
★ 学校には行けないほのかちゃんの毎日が決して暗いモノではないことが救い。
学校に行くことがすべてではないといえる場合もあるのではないだろうか。
ほのかちゃんが自分なりに生き抜く力を身につけていく姿が誇らしく思える。
学校や会社にいかなくちゃダメ?
図書館のおもしろさ、魅力が伝わる本だった。
とともに、不登校になってしまった子どもの成長が書かれた小説でもある。
いい子だからこそ、不登校になってしまうほのかちゃん。
学校に行かないことは、とっても「悪」なんだろうか?
大人も同じ。
学校が会社になり、どうしても会社に行けない状況にある人が、我慢を重ねてずるずるとその会社に通い続けて精神的に参ってしまう。
客観的な立場から見れば「学校や会社に行かなければいいじゃない」と簡単に思えるけれど。
もし実際に自分の子どもが学校に行けなくなる、自分自身が学校や会社に行けなくなる。
そんな現実になったときに自分はどう思い、どんな行動をとれるのだろうか?と自分自身に問いかけてしまった。
今ほのかちゃんと同じような立場にいる人がこの物語を読んで、今の現状を少しでも変えられる何かのヒントになればいいなと思う。
祝 シリーズ化
2020年10月『虹いろ図書館のひなとゆん』が刊行され、『虹いろ図書館』はシリーズ化しました!
変わらず舞台は図書館。
あのユニークな司書、へびおとこさんももちろん登場しますよ。
次に読むなら『マチルダは小さな大天才』
ロアルド・ダールの小説『マチルダは小さな大天才』を読みたい。
【著者】ロアルド・ダール
【出版社】評論社
3歳前から字が読めるし、4歳では有名な文学作品も読みこなしちゃう天才のマチルダなのに。
両親はなぜか彼女をバカにするし、学校に行けば理不尽な女校長も現れるしでつらい毎日。
マチルダは学校に行くのやめちゃうのかな?
いえいえ、マチルダは頭脳を使って横暴な大人たちに倍返しをしますよ。
本好きオタク女子は強かった!
本好きのマチルダ、頭のいいマチルダ、実は愉快なマチルダ。
みんなマチルダと友達になりたくなるはずです。(決して敵にはしたくない(笑))
作者のロアルド・ダールさんは、映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作本『チョコレート工場の秘密』を書いたイギリスの作家です。
『マチルダは小さな大天才』など彼の作品は世界中で愛されていますよ。
「マチルダは小さな大天才」
— 茶箱 (@pooh70inu) October 28, 2019
小さくても頭がよくて勇気があって正しいことを知っているマチルダ❤
応援したくなる☺
家族や親が理不尽なことってあるんだと大人になって今さら感じる今日この頃
親だって人間だから完璧ではないけれど少なくとも愛情だけはたっぷり注いであげたい#読了#読書の秋 pic.twitter.com/pY582rAjn9
本好きさんにおすすめ。いろいろな物語が登場するよ。読んだことのある本はあるかな?