2021年4月21日更新
こんなに読みごたえのある本を読んでいなかったなんて!
この本がヤングアダルト図書のコーナーにあったためノーマークの本でしたが、読み始めたら一気にこの本の世界観に引き込まれました。
『エヴリデイ 』
【著者】 デイヴィッド レヴィサン (著), 三辺 律子 (翻訳)
【出版社】 小峰書店
● 映画化もされている人気の本
● ヤングアダルト図書ではもったいない!大人も驚きのSF?ストーリー
*ヤングアダルト:アメリカで13歳から19歳世代の人たちに使われる言葉
● 心がキュンと痛くなる恋愛ストーリーでもある
● アメリカの子ども社会がのぞける
● 不思議、ありえない話なのに妙にリアル
茶箱
ざっくり本紹介するよ
★ 「朝起きると違う人になっている」という本紹介から多重人格者の話しかと思いきや違います(笑)「違う人」に精神だけが憑依してしまうという主人公A。物体としての人間はいない、精神のみが存在するという不思議なAのはなし。
★ 精神しか存在しない主人公Aが恋をしてしまう!想いは通じるのか?
★ Aが入りこむ子どもたちを通して、リアルなアメリカの子ども社会を描いている。大麻におぼれていたり、両親との関係に悩んでいたり、性別に関わる悩みをもっていたりする子どもたちが登場する。
傑作だよ
この本はヤングアダルト図書に分類されていることが多いので、もしかしたら大人が目にする機会は多くないのかもしれません。
でも、この本傑作ですよ!
「毎日違う自分で目覚める」
この設定が衝撃すぎ
かなり前に流行った『24人のビリー・ミリガン』のような多重人格の物語とは違います。
『エヴリデイ 』の主人公は、同じ年の人(男女問わず)に毎日毎日乗り移っていく、精神だけが存在するA。
明日自分が、だれになるのかはわからない。
茶箱
想像できます?
すごい設定ですよね
さらに、精神だけが存在するAがなんと恋に落ちてしまうのです!
え~!!
「この展開どうなっていくの!」
最初からぐいぐいと不思議なストーリーに惹きつけられていきますよ。
恋に悩む人におすすめ
『エヴリデイ 』は恋愛ストーリーでもあります。
好きな人が誰の姿になっているかわからない
好きな人が今日はどこに存在しているのかもわからない
好きな人が男になっているのか、女になっているかすらもわからない
好きな人のそばにいるのが難しい
好きな人を幸せにできる自信がない
好きな人との将来がみえない
そんな難しい恋愛が成立するのかしら?と疑問に思うかもしれませんが、『エヴリデイ 』を読んでいると違和感なくふたりの恋愛が成り立っているんです。
茶箱
胸キュンしちゃうわ
もし難しい恋愛に悩んでいたら、『エヴリデイ 』のふたりを参考にしてみたらどうかしら?
アメリカの子ども社会を覗ける
『エヴリデイ 』には、アメリカのいろいろな子どもたちが登場します。
親子関係に悩んでる子
自分を傷つけることを辞められない子
麻薬に手をそめている子
性別に関係なく自分自身を表現している子
不当にメイドとして働いている移民の子
などなど。
誰一人として同じような子はいません。何かしらそれぞれの子には個性があって、アレルギーをもっていたり、バックボーンがあるです。
また、日本とアメリカの子どもの生活の違いもわかります。
アメリカ人の家のルールの厳しさや、車で学校に行ったりする学生生活、授業は自分で選んで受ける学校、多様な人種が混じるあう社会。
日本とは違う点も多くてびっくりするはずです。
自分の知っている日本社会が当たり前(良いにせよ、悪いにせよ)だと思っていたら、大間違いだと気づきます。
茶箱
『エヴリデイ 』は、 とっても不思議な話しなのに、なぜかすごくリアルに感じる物語だったわ
SF物語としても、恋愛物語としても楽しめます
子どもはもちろん、大人もぜひ読んでみてほしい本よ
*注意:麻薬、性的描写あり