華やかな仕事の裏には、その倍の労力がかかった裏方の仕事がある。
見えなくても注目されなくても、その仕事に誇りをもって取り組んでいるひとたちがいてこそ、華やかな仕事が輝けるんだな~とつくづく思った本を紹介します。
【タイトル】『ピアノ調律師』
【著者】M.B. ゴフスタイン (著), 末盛 千枝子 (翻訳)
【出版社】 現代企画室
● ピアノ・音楽の世界が楽しめる
● ピアノ調律師の仕事を知る
● おじいちゃんと孫のお互いを想う愛がたっぷり
● ゴフスタインの描くシンプルな絵がかわいい
ざっくり本紹介するよ
★ 主人公は頑張り屋の女の子デビ―。立派なピアノ調律師のおじいちゃんと二人暮らし。おじいちゃんと同じ調律師の仕事をしたいと思っていますが、おじいちゃんはピアノを弾くことに興味をもってほしい。そんなある日デビ―は思いがけない行動を起こします。
★ 女の子だから、子どもだからといった理由でやりたいことを諦めてしまう、周りが反対するなんてナンセンスと思えるほどデビ―の調律師(調律師のおじいちゃん)への想いが熱い。
★ デビ―のエネルギーいっぱい元気のよさが読者を明るくしてくれる。シンプルな絵の本なのにあちこちからピアノの演奏の音やデビ―の歌声が聞こえてきそうになる。
★ 裏方の仕事ともいえるピアノ調律師という職業に焦点を当てた珍しい内容。
★ おじいちゃんやお父さん、お母さんの仕事が直にみられるなんてうらやましくなる。
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ピアノ調律師とは?
ピアノを持っていなければ、必要のないピアノ調律師の仕事。彼らを見たことのない人もいるかもしれません。
ひとつひとつの音を正確に聞き分けて、ピアノの音を調節する技術者のような仕事です。
調律師さんの仕事は、音感がなければ一見適当にやっているかのようにも見えてしまう、そしてどこかユーモラスな仕事風景は、子どもにとっては興味しんしんの作業風景です(笑)
地味な仕事ですが、ピアノを演奏するには欠かせない仕事です。
デビ―は尊敬するおじいちゃんの仕事を見て、きちんと調律師の仕事を身につけていますし、才能もあるよう。そして何よりも調律師になりたいという強い気持ちをもっているのですが。
おじいちゃんはもっと華やかな仕事に就いてほしいと願っているという、まあ割とリアルにどこの国でもありがち。
ただ、デビ―はそのことをねちねち悩むのではなく、明るく大胆に行動を起こすことで自分の力をアピールします。(わざとではないが)
デビ―のピアノ調律師の仕事好きエネルギーが、本からあふれ出てきそうです。
色のないシンプルな絵なのに、そこからピアノの音やデビ―の元気いっぱいの歌声が聞こえてくる気がする不思議な本です。
ピアノ調律師は決して華やかな仕事とは言えませんが、必要不可欠で正確さを求められる専門職です。
素敵なカッコいい職業です。
音感に自信があれば、目指してみませんか?
絵本ぽい表紙ですが、文字多め、漢字も多めですが、ページ数は67ページと少な目なので小学中学年になると一人でも読めるようになるはずです。
ピアノ調律師を描いた宮下奈都の小説『羊と鋼の森 』も人気になりましたよね。
2冊合わせて読むと、ピアノ調律師マニアになれるかもしれませんね。
紹介した本『ピアノ調律師』
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