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江國香織のセットで読むべきエッセイ本 『泣かない子供』と『泣く大人』

女性からの圧倒的な人気をほこる江國香織さん

江國さんの小説は、和やかな感性豊かな日本語で表現された文章なのに、大胆な恋愛ストーリーだったり、不思議な家族のストーリーだったりと驚かされることも多くありませんか?

 

私たち読者を驚かせてくれる江國香織さんの秘密がわかるエッセイ本2冊、『泣かない子供』と『泣く大人』セットで読んでみました。

 

 

エッセイ本『泣かない子供』と『泣く大人』

 

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タイトルから江國香織ワールド全開

こんなにステキなタイトル思いつきます?

 

自分を「泣かない子供」だったと言ってしまう江國さんの芯の強さを感じますし、一方では「泣く大人」と言う江國さんには、繊細な心をもって人に弱みを見せられる(甘えられる)可愛らしさを感じます。

 

それにしても、小さなころは「泣かないの!」と両親や先生から注意されることが多かったのに、なぜか大人になったら「泣きたいときは泣きなさい」と推奨されるようになった気がします。

 

”泣く”という感情が子供と大人ではとらえ方が違う気がしますね。

 

そんな”泣く”を江國さんならではの表現でたっぷりと楽しめるエッセイになっています。

 

『泣かない子供』

 

泣かない子供 (角川文庫)

 

発売はこちらが先になります。

表紙はブルーのおさるさんが涙をお皿で受け止めている絵です。

 

あとがきは1996年なので、かなり以前に書かれたエッセイになりますね。

それだけに江國さんの原点を知ることのできる貴重なエッセイが読めます。

 

現在のストーリーでも変わらず楽しめる、日常をみずみずしくもふんわり柔らかにしたステキな江國ワールド的視点でエッセイは語られています。

今よりもさらに江國ワールド感は深い目かもしれません。

 

江國さんの子ども時代のはなしは、お父さまとの思い出や、妹さんとのことお母さまとの思い出話が多めです。

 

江國さんのお父さまは有名な文筆家江國滋さんだったんですよね。

きっとご自宅で仕事をしているお父さまとは触れ合う機会も多くあったんでしょう。お父さまの話は特に多く書かれています。

江國さんが小学校1年生の時にお父さまから受けたという、日記を書くときのアドバイスには笑えました!

小学校1年生で日記のプロになれそうです。

 

江國さんがこのエッセイ本『泣かない子供』で書いている、家族についてのひとつひとつは、江國さんの書く小説に登場する不思議な家族とどこか繋がっているような気分になってきます。

 

 

すべての家族は変態である、と思う。「家族」という排他的集団はひと所に住み、その人たちだけのリズムで、その人たちだけのオーラの中で、暮らしているのだ。それだけで異様である。

【引用:江國香織『泣かない子供』P.66】

 

 

この言葉が江國ワールドに登場する不思議な家族たちを表すことなのでは!と思いました。

 

▼江國さんの描く不思議な家族の小説はこちらの記事でも読めます。

 

『泣く大人』

 

泣く大人 (角川文庫)

 

『泣く子供』から5年後に書かれたのが『泣く大人』です。

 

『泣かない子供』でためた涙を一気にひっくり返した、緑色になったおさるさんが表紙。

表紙の絵も繋がっていますね。

 

おさるさんが悲し気ではなく、かすかにほほ笑んでいるのがいいですよね。

 

大人は悲しいから泣くだけではないんですよ!

 

『泣く大人』では、お父様以外の男性との話がたくさん出てきます。

彼氏だけではなく男友達との関係も。

内容も大人向けになっていますね~(笑)

 

こちらの本『泣く大人』では、江國さんの恋愛観というよりも、男女の関係観がみえてくるエッセイが読めます。

 

夫や彼氏よりも男友達について多く語っていて、彼らは友達であったり、そうでなかったりという江國さん。

 

ちなみに私は男友達がいないうえ、家族以外の男の知り合いすらほぼいない状態なので、どんな関係や感情が普通なのかはまったくわかりませんが、江國さんの書く男友達のエッセイを読んでいると、男友達がほしくなりました。

 

夫や父親が我慢できないだろう化粧に時間のかかる女性、奇抜な格好の女性、すぐ泣く女性も、男友達の目にはそれらは個性のひとつに映ると江國さんはいいます。

 

 

欠点も、怠惰も、許すというより気にならない関係。欠点も、怠惰も、無論元来個性であり、実害がない限り魅力でさえあるのだ。

【引用:江國香織『泣く大人』P130】

 

 

さらには、男友達をこんな素敵な例えで言い表します。

 

 

私にとって、男友達は野菜のポタージュに似ている。コーヒーや煙草やチョコレートほど身近(恋人や夫)ではないが、それらより逆に特別ともいえる。贅沢で、あたたかく、幸福だ。身体にも心にもやさしい。

【引用:江國香織『泣く大人』P159】

 

 

男友達と彼氏の違いの書き方も、江國さんらしさが全開です!

 

「う~、男友達ほしい!」

 

ちなみに、私は大好きでよくエッセイを読む林真理子さんも、男友達と旦那さんがよくエッセイに登場します。

突き詰めると林さんも江國さんも、男友達について同じような視点を持っているのですが、書き方が違うだけでこんなにもニュアンスが異なるんだなと驚きにもなりました。

 

江國香織さんの読書日記が読める

 

エッセイ本 『泣かない子供』と『泣く大人』どちらにも、江國香織さんの読書日記があります。

 

好きな・気になる作者がどんな本を読んで、どんな感想を残すのか知りたいですよね。

 

そんな私たち読者の願いが叶うのです!

 

江國さんの読んでいる本は、洋書が多め。

小説にも洋書がよく登場するので納得ですね。

サガンやAAミルン、カポーティといった有名どころの作者の作品も出てきますよ。

 

洋書以外には、私たちにもおなじみの山田詠美さんや瀬戸内寂聴さんの本もでてきます。

 

読書日記すら江國さんらしい文章が楽しめます。

 

まとめ

 

江國香織さんおエッセイ本 『泣かない子供』と『泣く大人』はぜったいにセットで読むべき本です。

私たち読者を驚かせてくれる江國香織さんの秘密に少しでもちかづけますよ。

江國さんの小説にもっとどっぷりはまりたい、江國さん自身についてもっと知りたいと思っている人におすすめのエッセイ本です。

 

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泣かない子供 (角川文庫)

泣かない子供 (角川文庫)

 
泣く大人 (角川文庫)

泣く大人 (角川文庫)

  • 作者:江國 香織
  • 発売日: 2004/08/25
  • メディア: 文庫