「おとぎ話(童話)って子どもが読む本でしょう?」と思っていたらビックリ!
本「おとぎ話の絵画史」には、とってもステキな世界が広がっていました。
おとぎ話(童話)のストーリーと挿絵の魅力が両方楽しめる本を紹介します。
『おとぎ話の絵画史』
【著者】春燈社 (編集)
【出版社】辰巳出版
この本では6つのカテゴリーにわけておとぎ話(童話)を紹介しています。
●グリム童話
●アンデルセン童話
●ペロー童話
●イソップ童話
●アラビアンナイトの世界
●おとぎ話の名作
いろいろなおとぎ話(童話)を聞いたり読んだことはあるけれど、どの話がどの童話集のものかってあんまり考えないですよね。
さて、どんな物語がどれに当たるのかわかりますか?
『おとぎ話の絵画史』の 表紙はアーサー・ラッカムの描いた『不思議な国のアリス』のアリスです。
『不思議な国のアリス』はおとぎ話の名作のカテゴリーに登場します。
おとぎ話(童話)の歴史
年代別に順番に並べてみました。
イソップ童話
古代ギリシャのイソップが作り出したとされているもの。
キツネやウサギのなどの動物たちを主人公にした寓話集は道徳的教訓が含まれている
「アリとキリギリス」
「ウサギとカメ」
「北風と太陽」
『アラビアンナイト』(『千夜一夜物語』)
アラビア・ペルシャ・インドの民話を集めた説話集
成立年や作者は不明だが、現存する最古の写本は9世紀のアラビア語のもの
大臣の娘シェヘラザードが女性不振の王のために物語を千一夜続けるというストーリーのなかで「アラジンと魔法のランプ」「アリババと40人の盗賊」が語られる
ペロー童話集
17世紀フランスでシャルル・ペローが民話収集したもの
ペローは民話に脚色して教訓的な要素を強めた作品にしている
「赤ずきんちゃん」
「シンデレラ」
「長靴をはいた猫」
グリム童話集
19世紀初めドイツの言語学者グリム兄弟が各地を歩き回り収集した民話や昔話を編集したもの
なるべく本来の形で編集している(ペロー童話集とのちがい)
「ヘンゼルとグレーテル」
「白雪姫」
「ブレーメンの音楽隊」
アンデルセン童話
デンマークの童話作家であり詩人のハンス・クリスチャン・アンデルセンが書いたもの
1820年頃から作品を発表している。
「人魚姫」
「マッチ売りの少女」
「みにくいアヒルの子」
こうやって分けてみるとなんだかスッキリ
たしかにそれぞれストーリーに特徴があるような感じがしますね。
本ではひとつひとつのおとぎ話(童話)について、あらすじも書かれているのでどんな話かがわかるようになってますよ。
タイトルはわかるけれどどんな話か分からない忘れてしまったものが多くてビックリしました(笑)
おとぎ話の名作
子どものころ楽しんだストーリーが登場します。
「不思議な国のアリス」
「美女と野獣」
「ピーターパン」
「ピノッキオの冒険」
ファンタジーな世界があふれる物語は、ディズニー映画にもなっていますよね。
挿絵の美しさ
おとぎ話(童話)の多くは絵本になっています。
絵本を読むときの楽しさの半分、いや半分以上は挿絵(イラスト)といっても過言ではないですよね。
この本『おとぎ話の絵画史』では、そんな挿絵にスポットを当てています。
ひとつのおとぎ話(童話)に対して、なんと数種類の挿絵が紹介されているんです。
幻想的に描かれているモノ
子ども向けにかわいいタッチで描かれているモノ
美術館でみるような本格的な絵画のようにリアルに描かれたもの
切り絵風のシルエットで描かれたモノ
白と黒の版画でちょっと怖い感じのモノ
同じストーリーなのに挿絵によって全く違うモノに見えてしまうのがおもしろいですよ。
「シンデレラ」
この本『おとぎ話の絵画史』に書かれている「シンデレラ」をみてみましょう。
あらすじ紹介があるので、おおまかなストーリーはわかります。
紹介されている挿絵・絵は3点あります。
①ウィリアム・ヘンリー・マーゲットソンの描いた挿絵
1910年 リアルな絵画
ただしかぼちゃの馬車はちょ~小さい(笑)、絶対シンデレラ乗れないよね?って感じです。
②アーサー・ラッカムの挿絵
1919年 切り絵風シルエット画
緑と赤と黒で描かれた素敵な一枚
③ジョン・エヴァレット・ミレイの油絵
ラファエル前派で有名なミレイの描いた「シンデレラ」
質素な服にほうきとクジャクの羽を持ったシンデレラは貧しそうな中にも清楚さや高貴さ、心の強さを感じる女性に描かれています。
まったく異なる3枚の絵ですが、どのシンデレラの美しいですよ。
また、「シンデレラ」はペロー童話集とグリム童話集のどちらにもあること、「ペロー」バージョンと「グリム」バージョンの違いについても説明が書かれていて、なるほど~と新発見もあります。
おとぎ話(童話)「シンデレラ」ひとつで、さまざまな観点から話を楽しめるようになっています。
一つの話について1ページか2ページほどの紹介なので、おとぎ話(童話)の世界の入り口に立っている状態ですが、それだけでも魅力がたっぷりつまっています。
まとめ
「おとぎ話の絵画史」は、おとぎ話(童話)の世界がカンタンにわかる本です。
おとぎ話(童話)って、タイトルくらいしか知らない、なんとなく知っているような感じレベルの人におすすめ
こんな話だったのか~!と驚きの発見と一緒に、挿絵の素敵さも楽しめて一挙両得ですよ。
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