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林綾野さん”画家の食卓本”4冊 びっくり!食通の画家たちの食事がわかる

 

時空を超えた『くいしん坊!万才』のような本

 

 

林綾野さん”画家の食卓本”4冊

『あなたは半年前に食べたものでできている』

ちょっと前にそんな本が流行りましたが、体を作るだけでなくその人自身の性格や雰囲気にも影響しているような気がします。

 

その人がよく食べるものや好きな食べるものって、その人“らしさ”がでますよね。

甘くてかわいいお菓子が好きな人

辛いものが好きな人

新鮮な野菜が好きな人

お肉が大好きな人

 

なんとなく好きなものを聞くと「うんうんわかる」ってうなずきたくなること、よくあります。

 

同じように考えれば画家も好んで食べたものが、制作作品に大きく影響しているはずです。

林さんの本では作品を見ながら画家の食べたもの、画家自身の姿が浮かんでくる新しい絵画の見方を楽しめます。

 

「くいしん坊!万才」のような本4冊

 

紹介するのはセザンヌ、フェルメール、ロートレック、クレーの食卓です。

(林さんは他にもモネとゴッホの美術と料理に関する本を書いています。)

 

本を読んでいると、テレビ番組「くいしん坊!万才」を見ているような気分になってきます。

林野さんが画家といっしょに絵に描かれた食べ物や、画家がよく食べただろう食事メニューを一緒に食べながら、「これ好きですか?」「奥さんの手作りですか?」などインタビューをしているような雰囲気が伝わってくる本なんです。

 

画家の作品も見られますし、画家の生い立ちや家族や、画家の生きていた時代や社会について丁寧に書かれています。

そして画家の作品などから作者の林野さんがインスピレーションを受けたものの食事メニューが再現されています。(レシピ付き)

 

本は画家についての話半分、料理レシピ半分くらいの分量になっています。

 

本のサイズは正方形のかわいいサイズ、表紙もすてきな画家の作品なので、家に飾りたくなるような本です。

 

『フェルメールの食卓』

 

 

ヨハネス・フェルメール(1632年~-1675年)はネーデルラント連邦共和国(オランダ)の画家。バロック期を代表する画家の1人。

フェルメール関連の展覧会となれば行列を成して人が訪れるくらい大人気の画家のひとりです。

 

フェルメール自身は謎が多いのですが、本ではフェルメールが生きた17世紀のオランダが詳しく紹介されています。

この時代は大航海時代の中心にあったオランダには世界中の珍しいものや食材が手に入る状況にあり、そのなかでフェルメールは生きて絵を描いたことがわかりますよ。

 

フェルメール作品に描かれた小物についてもファッションや室内の家具や、キッチングッズ、楽器、筆記用具といったものにもスポットを当てているので、当時のライフスタイルがフェルメール作品から見えてきておもしろいです。

 

本にある料理は、1667年に出版された食の指南書『賢い料理人』をヒントに当時の食卓を再現したものから、現代のオランダ料理が紹介されています。

実際に家庭の食卓に並びそうな料理、食材がそのまま使われている料理が多く、ヨーロッパといえばの食材”ホワイトアスパラガス”も登場していますよ。

 

『クレーの食卓』

 

 

パウル・クレー(1879年~ 1940年)は20世紀のスイスの画家、美術理論家。その作風は表現主義、超現実主義などのいずれにも属さない、独特のものである。

 

作者の林さんは”日本パウル・クレー協会のキュレーター”なのでクレーはお得意中のお得意のようです。

この本一冊からもクレー愛があふれちゃってます。

 

クレーは手紙や日記にも食事の内容を書くくらい、食べることも料理をすることもが大好きだったので、クレー家の食卓はさまざまな料理に彩られていたそうです。

 

本の料理はスープからサラダ、パスタ、メインディッシュからデザートまで。フルコースのレシピが一通りそろってます。

 

『ロートレックの食卓』

 

 

アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファ(1864~ 1901年)は、フランスの画家。伯爵家に生まれる

13歳、14歳の時怪我をして以降脚の発育が停止し、成人した時の身長は152cmに過ぎなかった。胴体の発育は正常だったが、脚の大きさだけは子供のままの状態であった。

 

美食家として知られたロートレック、ときおりロートレックと台所に立つこともあった親友モーリスジョワイヤンがまとめた、ロートレックが残したレシピ集『独身モモ氏の料理法』を参考にロートレックの食卓をよみがえられせています。

 

貴族の家に生まれながら、身体的に恵まれることのなかったロートレック。

あの人づきあいの苦手だったゴッホとも付き合いのあったロートレック。

幸福だった子ども時代から、どんどん社会の中で上手に生きられない弱者になってしまうロートレック。 

パーティーや晩餐会の招待状やメニューを直筆で描いたロートレック。

1897年新しいアトリエのお披露目会「牛乳パーティー招待状」がとってもかわいいのが印象的、仲間と食事をすることが大好きだったんですね。

 

いろいろなロートレックの人生を知りながら、つらいことはあっても美味しいものを食べることは最後まで続けられたようでちょっとほっとします。

 

本には『独身モモ氏の料理法』のメニューを参考にした料理が並びます。

ちょっとゴージャス感のある料理で見た目も素敵です。家族や仲間で楽しみながら食べられる料理が多く載っています。

 

『セザンヌの食卓』

 

 

 

ポール・セザンヌ(1839年~- 1906)はフランスの画家。ポスト印象派の画家として、20世紀の美術に多大な影響を与えたことから「近代絵画の父」といわれる。

 

セザンヌが描いた食べものっていえば「りんご」しか思い浮かばないから、本に出てくる料理ははりんご料理特集かな?と思った美術初心者の私ですが。

 

安心してください!りんごだけの料理レシピではなかったです。

 

もちろんりんご料理(りんごのお菓子)レシピもあり、なぜか青森のりんごの紹介もあり、やっぱり料理はりんごがメインといえるかもしれませんが。

 

セザンヌの描く肖像画といえば静止画のように、にこりとも笑わないモデル、こちらをじっとみつめるモデル、ひとつの動きも許されなかったようなカチンカチンの体のモデルというイメージが強いのですが、その肖像画と同じように紹介されている料理も素朴でどことなく真面目な料理が多いです。

 

まとめ

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 茶箱

「お腹が減ってくるアート本だよ」

 

林綾野さんの”画家の食卓本” はいかがでしたか?

林さんはセンスの良い”くいしん坊”さんに違いありません。

ぜひ林さんをくいしん坊としたアート番組があればいいのにと思ってしまうほど、アートと料理が楽しめる本でした。

 

*この記事の画家についての文はWikipediaを参考にしています。

 

紹介したセザンヌ、フェルメール、ロートレック、クレーのほかにも、林さんはモネとゴッホの美術と料理に関する本を書いています。日本の浮世絵と江戸の食卓という本も書いています。

こちらもおもしろそうです。