生命の誕生をカンタンに学べるおしゃれな大人の絵本「せいめいのれきし 改訂版」を紹介します。
学習系内容の本なのですが、バージニア・リー・バートンの描くおしゃれなイラストのおかげで、読みやすくなっています。
男の子も女の子も、子どもも大人も楽しめる本です。
バージニア・リー・バートン 絵本『せいめいのれきし 改訂版』
地球上に生命が生まれるときから今までのはなしが舞台形式で繰り広げられます。
舞台は46億年前の「地球が生まれる」から始まります。
5億年ほど前の舞台では生物が現れる古生代、そして恐竜の登場する中生代、鳥類・ほ乳類が中心となりマンモスが登場、ようやく私たち人間が登場する新生代へと舞台は変化していきます。
最終章の舞台はアメリカの西部開拓地に住む家族の生活です。
1ページ1ページすすむごとに彼らの生活の一年(四季)、一日、朝昼晩といったように時間の流れがゆっくりと進むようになります。
そして時間の1秒1秒が過去から続いてきて、それは未来へつながるくさりの輪のひとつだと書かれて本は終わります。
地球上に生きる人間のちっぽけさに気づくと同時に、その中でも私たち人間は生きているという現実にもしっかりと向き合えますよ。
「せいめいのれきし 」は1962年に完成し1964年に日本でも出版されました。今回紹介しているのは改訂版です。
本の楽しさ①過去と未来を想像する
今自分がいる場所に、数億年前は見たこともない生き物が暮らしていて、見たこともない植物が生えていたなんて想像するだけでも楽しいですよね。
一方で、私たちの生きる舞台地球も同じ状態であり続けたわけではないということは、この先未来も地球は同じ状態が続くのかわからないということでもあるんだな~という不安も感じます。
ゴーギャンの作品に描かれた一文「わたしたちはどこからきてどこへいくのか?」
人類の誕生と未来が題材となったダン・ブラウンの小説『オリジン』にもでてきますよ。
▼▼ダン・ブラウンの小説『オリジン』紹介記事はこちら。
本の楽しさ②今学んでいることのあいまいさ
本書のあとがきには「今日の研究がすすみ本に書かれている内容が新しい研究成果とは異なっている」と書かれています。
数億年前なんてだれも見たこともないのですから、現在の新しい研究成果も数十年後にはまったく違っていたこともあるかもしれません。
自分が今一生懸命学んでいることや学校で教えてもらっていることが実は正しいのかどうかわからないなんておもしろいですよね。
本の作者は?訳者は?
作者はバージニア・リー・バートンさん
文も絵も担当しています。
バージニア・リー・バートン(1909-1968)はアメリカ人で、絵本のベストセラー『ちいさなおうち』の作者でもあります。
彼女のつくる絵本は、子どもだけでなく大人にも人気があります。
日本語訳をしているのは、いしいももこ(石井桃子)さん
江國香織さんもがエッセイのなかで「石井さんが訳を手がける本はどの本もおもしろい」と言っているほど。
石井さんは「くまのプーさん」のなどたくさんの本の翻訳を手掛けています。
おしゃれな本
イケアの子ども部屋サンプルルームに飾ってありそうな本。
おしゃれなインテリアにもなる表紙、もちろん表紙だけでなく本の1ページ1ページもステキな絵画作品をみているようです。
さすがのバージニアさんも見たこともない世界、生き物や植物を描くのは大変だっただろうと思います。
「せいめいのれきし」を読むと彼女の想像力のすばらしさにも感動します。
まとめ
茶箱
「家族みんなで読みたくなるよ」
バージニア・リー・バートン「せいめいのれきし 改訂版」読んでみたくなりませんか?
気になったらぜひ手に取って1ページ1ページじっくり読んで、自分も地球という舞台で活躍する生物の一人であって「生命劇場」の登場生物なんだということを実感してみてくださいね。
バージニア・リー・バートンの絵本『せいめいのれきし』を読みこむための副読本あり