あまり知られていないのですが、実は日本中のあちこちにある文学館。
その土地にゆかりのある小説家などを詳しく知ることのできる場所です。
小さいながらもユニークな展示が多いのも魅力のひとつ。
今回は山手線田端駅下車すぐの、ちょ~便利な場所にある「田端文士村記念館」に行ってみました。
田端文士村記念館(東京・北区田端)
山手線の駅の中でもかなりマイナーな駅「田端駅」。
通過したことはあるけれど、降りたことはないという人も多いかもしれません。
実は、この田端駅エリアは明治~大正期にかけては「文士村」と呼ばれていて、当時の人気小説家や芸術家が多く住居をかまえて、活動していた文士村だったのです。
☝【田端文士村記念館パンフレット】
芥川龍之介、室生犀星、小杉放菴、板谷波山など。現在でも個人の名前で展覧会が開かれるレベルの芸術家、国語の授業でも習うレベルの小説家が、この田端駅周辺で暮らしていて、作品を生み出していたのです。
「田端文士村記念館」では、田端文士村で活躍したたくさんの小説家や芸術家の作品を鑑賞することができます。
彼らの作品からは、当時の田端文士村のにぎやかさが伝わってくるようです。
今では巨匠といわれる彼らたちも、生活圏であったこの田端エリアを散歩したり、道で顔を合わせて挨拶したりもしただろうし、奥さま同士が楽しく会話をしたり、お互いの家に遊びにいったりしたのでしょうかね~。
明治~大正~昭和初期の田端文化村にみなぎっていただろう、活気あふれる芸術エネルギーを知ることができます。
訪れやすい場所にある文学館
JR田端駅(JR山手線・京浜東北線)の北口を出て、目の前に見える横断歩道を渡るとすぐ田端文士村記念館に到着します。
徒歩2分程度です。
北口を出れば、迷子にならずにあっという間に到着です。どこかに行くついでに寄り道をするのも楽ちんです。
田端文士村記念館は現代風ビルの田端アスカタワーの一角にあります。
館内はこざっぱりとした感じになっていて、趣ある雰囲気とは言い難いですが清潔感ある記念館です。
見逃せない展示物:芥川龍之介「田端の家」の復元模型
☝【「ココミテシート」2018春・夏号 発行:田端文士村記念館】
芥川龍之介は大正3年から亡くなるまでのほとんどを過ごしたという田端の家。
土地面積は約193坪(約640㎡)あったといいます。
残念ながら昭和20年の空襲で焼けてしまいました。
現存する資料を基に1/30ほどのスケールで復元したこの田端の家の模型は見逃せません。
よく見ると、家の中に人がいますし、2階にある芥川の書斎「澄江堂(ちょうこうどう)」も細かく再現されています。
必見の模型ですよ。
「田端文士村記念館」ホームページでは、芥川龍之介「田端の家」に関する4分近くの動画もあります。こちらもおすすめ。
▼▼「田端文士村記念館」のホームページはこちらです。
文学館:田端文士村記念館のお楽しみ
常設展のほかに年3回の企画展も行われています。
文学館:田端文士村記念館近くを散歩するための、田端散策マップ・モデルルートがあります。
かつては文士芸術家たちが生活し歩いただろう田端周辺の道をめぐってみようという、散策マップが「田端文士村記念館」パンフレットについています。
記念館を見た後は、田端の町に出てみるのもおすすめです。
☝【田端文士村記念館パンフレット】
休憩所・カフェ
記念館の中にはカフェはありませんが、同じビルの2階にはコメダ珈琲店がありました。(2019年1月現在)
どっぷりと明治~昭和初期の田端文士村にタイムスリップした後に、のんびりとコーヒーを飲みながら現代に戻ってくるのもいいですよね(笑)
駅のそばなので、近くにコーヒーショップなどはたくさんあり、休憩に困ることはないです。
まとめ
山手線田端駅下車すぐの便利な場所にある「田端文士村記念館」は、小さいながらも、明治~昭和初期時代に文士芸術家たちが活躍してにぎわっていた田端文士村の雰囲気が伝わる文学館でした。
芥川龍之介好きなら、ぜひ訪れてみるのをおすすめします。
★★基本情報★★