「なかなか暮れない夏の夕暮れ」江國香織
江國香織さんを好きな人
マイペースで生きていきたい人
のんびり昼寝しながら読書したい人
におすすめしたい本です。
あらすじ
江國香織さん、久しぶりの長編小説です。
読み終わってしまうのがさみしくて?昼寝しながら、ボソボソ読んでました。
あいかわらず、江國さんの日本語の気持ちよさに浸れます。
登場人物の人数はけっこういて、なんだかんだと絡みあっているのですが、だれもが幸せなような、夢の世界を生きているような。
なんとなくどの登場人物も、現実味がないような。
そのせいか、途中途中に挟まれる主人公の稔が読んでいるロシアの小説の内容の方が、現実なんだろうか?という感覚にも陥ってしまいます。実は、ロシアの小説の方が、波乱万丈でおもしろいのです(笑)
私のお気に入り登場人物は、脇役の大竹さん。若い奥さんへのストーカ?ぶりが笑えます。
主人公である稔の友達の淳子さん(じゅんじゅん)の関係も気になります。
大竹さんも淳子さんも、大人であって大人ではない子どもぽい感情をもっていて、彼らに対して「わかるけれどね~」と同情したり、共感したりしてしまいました。
気になるフレーズ
本よりはましだ。渚は自分にそう言い聞かせる。そして自分でも画面に目を据えて、おなじものを観ようとする。(中略)
どの芸能人のどの発言に笑ったのかがわかるので、そばで本を読まれるよりは、やはりずっとやすらかだった。
主人公の稔さんの元妻である渚さんが、今の若い旦那さま藤田くんがテレビばかり見ていることに対して思うセリフ。
本ばかり読んでいた前の旦那さま稔さんと比べています。
「そうそう!」と共感
テレビだと何を見ているかわかるので、なんとなくその場の空気を共有できているのですが・・・・・・。ポータブルゲーム機でゲームをされたり、本を読まれると一緒にいても一人ぼっちな気分になるんですよね~。
まとめ
いつもは、あせあせと毎日をすごしているけれど、夜はこんな本をベッドでのんびり読むのが憧れです。
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』は、夢のような江國ワールドにひたれる本。
普段とは違う時間空間を過ごす旅行中に読んでみてはいかがでしょうか?