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『へそまがり日本美術』将軍でも絵は下手?大笑い間違いなしのおすすめアート本

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『へそまがり日本美術』おすすめポイント

 

●一発芸のような見るだけで笑えるアートが満載

 

●不気味なおもしろさの魅力にはまる

 

●将軍の描いた絵がおもしろすぎる

 

 

『へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで』

 

へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで

☝表紙は《兎図(部分)》徳川家光 個人蔵)

 

府中市美術館 (著) 

講談社

 

「へそまがり」って本のタイトルおもしろい!

 

タイトルに負けず本に登場する美術作品は度肝をぬく面白さですよ。

 

「日本美術って黒と白でつまらない」

「絵にかかれた奥深いメッセージがわからない、見るだけだと何が描かれているんだかさっぱりわからない。」

日本美術へのイメージは、おもしろくない、つまらない、素朴すぎるという人が多いはず。

 

そんなあなたも、ただ見るだけで大爆笑してしまうくらいの日本美術を楽しめる本が『へそまがり日本美術』です。 

美術テクニックや、日本画で描かれることの多い禅の知識は必要なし。

一発芸を見るように、ただただ見るだけで笑えるんです。

 

笑える徳川将軍の描くアート

 

江戸時代200年近く将軍家として君臨した徳川家。そんな徳川家の将軍(家光・家綱)が描くアートは大爆笑もの。

 

おもしろい・へそまがりアートを集めたこの本『へぞまがり日本美術』のなかでも、1,2を争うほどのおもしろさを誇ります。

 

さすが徳川将軍(笑)

 

徳川家は、歴史に名を残すほどの絵画の大家である狩野派を召し抱え、すばらしいアートを所蔵していました。将軍たちは、名画を鑑賞する機会も多くありましたし、立派な画家たちから、絵を描く手ほどきもしっかりと受けたはずなのですが。

 

将軍が描いたアートは真剣に描いてこのおもしろさ。

天性のものにちがいありません。

 

豪快なおもしろさというよりも、ちまちまっとしたかわいいおもしろさが将軍家光と家綱の絵の特徴。

将軍あるまじきな感じも、また笑えます。

 

笑える文豪夏目漱石の絵

 

日本を代表する文豪夏目漱石もアート好きだったようで、イギリス留学中には多くのアートを鑑賞し、記録に残しています。

 

晩年漱石自身は本人なりに一生懸命絵を描いたようですが、漱石の書く文章と比較すると天は二物を与えなかったよう。

 

漱石が描いた絵だから「この絵に隠された何かがあるのかな?」と想像してしまいますが、この絵を自分のお父さんが描いたならクスクスと笑えるレベルの絵です。

 

不気味とおもしろいの紙一重のアート

 

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☝本の裏表紙 《鶏図(部分)》長沢芦雪 個人蔵

 

「うわ、気持ちわるい」 

不気味な微笑みを浮かべているし。

 

数年前に話題になった奈良県のキャラクター”セントくん”を初めてみたような衝撃の笑いがあります。

 

最初は「うあ、無理」と思っても、見れば見るほど、どんどんどんどん見入ってしまう。

そしてなぜかじわじわと笑える。

 

不気味なアートは最初は気持ち悪くても、最後は大爆笑へつながる不思議な魅力にあふれています。

 

テレビでおなじみ蛭子能収さんのマンガも掲載されています。

彼のマンガは絵もストーリーも不気味なおもしろさであふれていますから(笑)

 

人気の展覧会の図録

 

実はこの本、2019年春に府中美術館でおこなわれた展覧会「へそまがり日本美術展」の図録なんです。

 

展覧会の会期中、展覧会の内容はテレビ番組でも取り上げられて大人気になりました。

 

「へそまがり日本美術展」を気になっていたけれど見逃してしまったという人にはおすすめの本です。

 

本の内容は?

 

小さめサイズ(17.4 x 17.4 x 2.4 cm)なのでアート本としては軽め。

寝転んで読むこともらくちん、持ち運びも簡単です。

 

もちろんオールカラー

 

巻末にはアート鑑賞に役立つ情報がまとめられています。

 

●「画題案内」

⇒禅の世界で描かれることの多い画題についての詳しい説明あり

 

●「画家解説」

⇒あいうえお順に本に取り上げられた画家についての詳しい解説あり

『へそまがり日本美術』の本に載っている作品の画家たちは、教科書や王道のアート本では取り上げらることのないマイナーな人が多いので画家解説はありがたいです。

 

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 茶箱

「アートってほんとうにおもしろい」

技量があって本当は絵を描くのがうまいけれど、わざとおもしろい絵を描いているのか?

本気で一生懸命描いておもしろい絵なのか?

 

そんなことはどうでもいいんです。

ただ見て笑えればいいんです(笑)。

 

アートへの知識は二の次。

まずはアートを見て自分の感性で楽しむことが大事なんだなと思わせてくれる本でした。

アート初心者も上級者もだれもが楽しめる本です。