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原田マハ美術館へようこそ おすすめ美術小説8作品を紹介

☝上の美術作品を描いたゴッホピカソ、ルソー、セザンヌにも原田マハさんの美術小説で出会うことができます。

上段左から

●《男と女》パブロ・パカソ 1969  国立西洋美術館

●《ばら》フィンセント・ファン・ゴッホ 1889 国立西洋美術館

下段左から

●《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神アンリ・ルソー1905-1906 国立近代美術館蔵

●《大きな花束》ポール・セザンヌ 1892-95  国立近代美術館蔵

 

美術館に行くとたくさんの画家たちの作品に出会えますが、作品をみるだけでは、なかなか見えてこない画家たちのあれこれ。

そんな画家たちのあれこれを小説を読むことでのぞき見ることができるのが、原田マハさんの美術小説なんです。

 

 

原田マハさんの美術小説8作品

原田マハさんは、1924年東京生まれ。お兄様はあの作家の原田宗典さんです。

原田マハさんといえば、ニューヨーク近代近代美術館に勤務していたという華やかな経歴の持ち主。そのご自身の経験を活かして描いた美術関連の小説を多く書いています。

すでに原田マハさんの小説を通して美術の魅力に開眼した人も多いはず。

 

*今回紹介するのは「史実に基づいたフィクション」の物語8作品です。

 

こんな人・時におすすめ原田マハさんの美術小説

✔小説を読みながら美術について知りたい

✔ドラマチックな芸術家の人生にはまりたい

✔実際に生きていた芸術家が活躍する小説が読みたい

 

原田マハサロメ

 

サロメ

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サロメにとりつかれた芸術家たち

オスカー・ワイルドの書いた戯曲『サロメ』の挿絵画家オーブリー・ビアズリー(1872-1898)の生涯を書いた作品。

作家オスカーワイルドや実の姉メイベルとの危うい関係が、ドロドロの人間関係の中で書かれています。

素直な普通に生きていた登場人物が、『サロメ』という小説にとりつかれどんどん破滅へ向かってしまうのが恐ろしい。

 

本では場面が変わるたびに真っ黒のページがはさんであるので、戯曲をみているように本を読み楽しめるのも魅力的です。

 

表紙はオーブリー・ビアズリーの『サロメ』挿絵の一枚

白と黒の細いペン画が生み出す作品。じっくり細部まで見入ってしまう摩訶不思議な魅力があります。

黄色の表紙はオーブリー・ビアズリーが美術担当編集主任をしていた挿絵入り文芸誌「イエロー・ブック」のデザインと同じです。 

 

読んでみて『サロメ

芸術家にありがち?芸術に取りつかれた人間の恐ろしさを知りたいと思ったら☟をクリック

サロメ

サロメ

 

 オーブリー・ビアズリーを知りたくなったら☟をクリック

オーブリー・ビアズリー―世紀末、異端の画家 (小さな美術館)

オーブリー・ビアズリー―世紀末、異端の画家 (小さな美術館)

 

 

原田マハデトロイト美術館の奇跡』

 

デトロイト美術館の奇跡

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市の美術館が消えようとしている

市民が愛する、市を代表する美術館が財政難で存続の危機へ。

市民の生活はもちろん重要だが、愛すべき作品たちを売却しなくてはならないのか、もうふらりと気軽に愛する作品を目にすることができなくなるのか。

アメリカのデトロイト市の美術館で本当に起こった物語が小説になっています。

 

美術は見ているだけではお腹はいっぱいにならないし、生きていくことはできないのが現実。仕方がないと頭でわかっていても、思いのつまった作品が遠くへ行ってしまうさみしさに気持ちがついてこない市民たち。

 

美術館どうなっちゃうんだろうとハラハラしながらも、市の美術館のアートを愛する市民の気持ち・想いの大きさに胸がぎゅっとします。

 

表紙はセザンヌ<画家の婦人>1886年頃 デトロイト美術館蔵

なんだか怒っているように見えるセザンヌ夫人の不愛想さにちょっとクスリと笑ってしまう一枚。

 

読んでみて『デトロイト美術館の奇跡』

美術を愛する気持ちを共感したいと思ったら☟をクリック。

デトロイト美術館の奇跡

デトロイト美術館の奇跡

 

セザンヌの作品を知りたくなったら☟をクリック

 

原田マハ『リーチ先生』

 

リーチ先生

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日本の民芸にどっぷりはまった英国紳士のはなし

イギリスの陶芸家バーナード・リーチ(1887-1979 イギリス出身)の生涯を描いた物語。

 

リーチと交流のあった日本の一流の陶芸家たち濱田庄司(1894-1978)、富本 憲吉(1886- 1963 人間国宝)、河井寛次郎(1890 - 1966)も登場。

さらには、白樺派といわれた志賀直哉(1883 - 1971 小説家)、武者小路実篤(1885 - 1976 小説家)といった教科書レベルの人物との交流も描かれています。

民藝を生み出し愛したあの男、柳宗悦(1889 - 1961 思想家)ももちろん登場しますよ。

とにかく一流の芸術家たちが飽きることなくたくさん登場します(笑)。

 

白樺派の面々や陶芸家たちが移住した千葉県我孫子市での暮らしは、芸術家の村で芸術家たちが意見を述べ合い、お互い切磋琢磨しただろういう楽しさも伝わってきます。

☝JR我孫子駅の駅前に飾られている「我孫子市ゆかりの文化人」ボード、白樺派メンバー紹介にもリーチ先生がいます。

 

民藝という鑑賞だけではなく“実際の生活に根付いた美”というものを登場させた男たちの美へのパワーが力強い、国を超えての男同士の友情も感じる一冊です。

西洋と東洋の美が融合したリーチ先生の作品もみたくなります。

 

表紙はバーナード・リーチ作の絵皿の模様を集めたもの

 

読んでみて『リーチ先生』

民藝をアートへ昇華させた男たちの生き方を知りたいと思ったら☟をクリック

リーチ先生 (集英社文芸単行本)

リーチ先生 (集英社文芸単行本)

 

 バーナード・リーチをもっと知りたくなったら☟をクリック

日本民藝館所蔵バーナード・リーチ作品集

日本民藝館所蔵バーナード・リーチ作品集

 

 

原田マハ『楽園のカンヴァス』

 

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

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原田マハの代表作 へんちくりん?画家の魅力

変わった人生を送ったアンリ・ルソー(1844-1910 フランス)の生涯を描いた作品。

 

この不思議な作品を描いたルソー自身も、なんだかどうにもこうにも”ぱっとしない”男(笑)、実際にちかくにいたらかなり要注意人物のような気もしますが。

それでも彼のピュアな心があの夢のような絵画を生み出したんだなと感動します。

ルソーは、ピカソなどといった芸術家たちとも交流があったので巨匠ピカソも登場するよ。

 

2013年本屋大賞第3位、山本周五郎賞受賞などなど各賞総なめした本です。

 

表紙はルソー《夢》1910年 ニューヨーク近代美術館

裸の女性がジャングルの中で椅子に座って何かを指さしている。

ここがリビングなら「ちょっとそこにある服取ってよ」とかいう声が聞こえてきそうだけど(笑)、なんせジャングルの中ですからね。

不思議?すぎて、興味がわいてきます。

 

読んでみて『楽園のカンヴァス』

ルソーの不思議な世界をのぞきたかったら☟をクリック

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

 

アンリ・ルソーをもっと知りたくなったら☟をクリック

ルソー (新潮美術文庫 33)

ルソー (新潮美術文庫 33)

 

 

原田マハ『ジヴェルニーの食卓』

 

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

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キャッチフレーズは「読む美術館」

この本は4つの作品の短編集からなっています。

●「うつくしい墓」⇒ピカソマティス

ピカソ(1881-1973 スペイン出身)

マティス(1869-1954 フランス)

 

●「エトワール」⇒カサットとドガ

カサット(1844-1926 アメリカ出身の女性画家)

ドガ(1834-1917 フランス)

 

ライバルでもあり仲間でもある画家同士の関係は、仲が良い悪いでは判断できない。

才能がある者同士個性をぶつけ合いながら生きていく姿がかっこよくもあり、たいへんなんだな~と同情してしまう気分にもなります。

 

●「タンギー爺さん」⇒セザンヌタンギー爺さん

セザンヌ(1839-1906 フランス)

タンギー爺さん

パリの画材屋と画廊を経営、ゴッホタンギー爺さんを描いた作品は有名

 

●「ジヴェルニーの食卓」⇒モネとクレマンソー

モネ(1840-1926 フランス)

●クレマンソー(1841-1929 フランス)

フランスの首相を務めた政治家 モネの親友

 

画家と画家の絵を支えた実在の人との親交が書かれています。

本を読むと画家自身の人間とその画家の作品への愛、美術を愛するあらゆる人たちの美術愛が、画家や美術界全体を支えていると強く感じるはずです。

 

表紙はモネの《睡蓮》部分 オランジュリー美術館

 

読んでみて『ジヴェルニーの食卓』

美術愛する人たちの人間模様がみたかったら☟をクリック。

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

 

モネについてもっと知りたくなったら☟をクリック

もっと知りたいモネ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいモネ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 

原田マハ『たゆたえども沈まず』

 

たゆたえども沈まず

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ピカソと弟テオの関係が痛々しい

ゴッホ(1853-1890 オランダ出身)

弟テオ(1857-1891 オランダ出身)

画商グーピル商会に勤め、兄ゴッホを経済的にも精神的にも支えた。

 

ゴッホの絵とゴッホ自身の素晴らしさを一途に信じて愛した弟テオ。そして、上手に愛情を表現できないけれど弟テオを信じて愛していたゴッホ

なんともいえない兄弟の純粋なお互いへの愛に心が痛くなる作品です。

 

表紙はゴッホの《星月夜》1898年 ニューヨーク近代美術館

深いブルーのうずまくような夜空が心をざわざわさせる作品です。

 

ゴッホとテオの二人に関わる日本人美術商、林忠正と加納重吉のパリでの奮闘もこの本の重要なよみどころ。

明治時代にこんな風に誇りをもって異国の地パリで生きた日本人がいたんだと驚きます。

 

読んでみて『たゆたえども沈まず』

今では世界中のだれもが知っているゴッホの波乱万丈人生を知りたいと思ったら☟をクリック。

たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず

 

 ゴッホについて知りたくなったら☟をクリック

ゴッホ原寸美術館 100% Van Gogh! (100% ART MUSEUM)

ゴッホ原寸美術館 100% Van Gogh! (100% ART MUSEUM)

 

 

この記事も読んでみて『ゴッホの地図帖』

pooh70inu.hatenablog.com

ゴッホの地図帖 ヨーロッパをめぐる旅

ゴッホの地図帖 ヨーロッパをめぐる旅

 

 

原田マハ『暗幕のゲルニカ

 

暗幕のゲルニカ (新潮文庫)

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モテモテ男ピカソの人生は

ピカソ(1881-1973 スペイン出身)を描いた小説。

世界中でこんなにも有名な画家がいるだろうかというぐらいのピカソキュビズム作品と呼ばれた何が描いてあるんだかさっぱりわからない作品が多数あることでも有名(笑)。

 

ピカソの代表作<ゲルニカ>が描かれた時代の話と、現代ニューヨーク(9.11事件後)での話が並行してすすむストーリー構成になっています。

 

ひとつのストーリの始まりは1937年パリ。

ピカソは自分の故郷ゲルニカ空爆されたことを新聞で知る。

ピカソの表現するゲルニカの惨事とは。ピカソが無差別攻撃に対する抗議を絵画で示した作品《ゲルニカ》を制作したのだが。

 

この時ピカソと付き合っていたのはドラという女性。

ピカソと離婚の成立していない妻オルガ、ピカソの子を産んだマリー=テレーズ、そして今後の出現するだろう女性の存在に大きく揺れ動くドラの心の葛藤も、この小説の重要なポイントだと思います。

ワイドショーを見ているぐらいピカソの女性関係はドロドロなんで(笑)。

 

もう一つのストーリも並行してすすみます。こちらは2001年ニューヨーク。

あのワールド・トレードセンタービルに飛行機がつっこむという衝撃的な事件が起こったことから始まる。

この事件で最愛の夫を亡くしたMoMAキュレーターの瑤子が、ピカソの傑作《ゲルニカ》をMoMA(ニューヨーク近代美術館)に展示をするため、スペイン政府への貸出交渉に奮闘するのストーリー。

瑤子の持つピカソの作品《鳩》も二つのストーリをつなげるキーになるので注目。

 

画家は美術で自分の意志を表現し、その美術の力が人の心を動かす力になるんだと思える一冊。

 

表紙はピカソの《ゲルニカ》1937年 マドリッド、レイナ・ソフィア芸術センター蔵

白黒で表現された戦争と平和の意義を問う作品といわれている。

戦争の様子を描いたといわれる作品だけど、私にはどうしてもピカソを争う女性がみんなで争っているようにみえてしまう(笑)

 

読んでみて『暗幕のゲルニカ

美術に人の心を動かす力をがあるのかどうか知りたいと思ったら☟をクリック

暗幕のゲルニカ (新潮文庫)

暗幕のゲルニカ (新潮文庫)

 

ピカソについて知りたくなったら☟をクリック

もっと知りたいピカソ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいピカソ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 

原田マハユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言』

 

ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言

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大人の絵本のような作品

ジョルジュ・サンド(1804-1876 フランス女流作家)が、古い城に飾られた美しいなタピスリー出会った物語。

サンドとショパンの恋愛物語と思いきや、ちらちらっとショパンの話がでるだけです。

ドラクロワ(1798-1863 フランス 代表作《民衆を導く自由の女神》)が、こちらもちらちら出てくるのが美術好きにはうれしい(笑)

 

物語自体が大人の絵本のよう。

美しいタピスリーがカラーでの魅力見開き6ページ(6面の連作)で見られるのもこの本素敵なところ。

 

表紙はタピスリー<貴婦人と一角獣>1500年頃 羊毛・絹 フランス国立クリュニー中世美術館蔵

タピスリーの《モナ・リザ》」と讃えられるフランスの至宝ともいわれています。日本でも2013年に国立新美術館での企画展で公開されました。

 

読んでみて『ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言』

大人の絵本のような本を読んでみたいと思ったら☟をクリック。

ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言

ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言

 

ジョルジュ・サンドをもっと知りたくなったら☟をクリック

ジョルジュ・サンド 愛の食卓:19世紀ロマン派作家の軌跡

ジョルジュ・サンド 愛の食卓:19世紀ロマン派作家の軌跡

 

 

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原田マハ アート小説を集めてみました

ニューヨーク近代美術館に勤務していたくらいの原田マハさんだからこそ書けるアート小説を紹介しました。

どの作品も読んだ後は、芸術家の作品をたくさん見たくなりどんどんアートと仲良くなれます。

アートに興味がない人でも、読みやすい小説として読むこともできるのでおすすめです。ぜひ手にとってみてほしいです。

 

*画家などの生没年などは、Wikipediaと本『西洋美術 巨匠たちの履歴書』を参考にしています。

西洋美術 巨匠たちの履歴書

西洋美術 巨匠たちの履歴書