三浦しおん『風が強く吹いている』
【著者】三浦しをん 著
【出版社】新潮社
箱根駅伝好きの人
無我夢中で何かにうちこみたい人
青春を味わいたい人
におすすめしたい本です。
たすきでつながる仲間
『風が強く吹いている』
たすきがつなぐドラマがある
お正月の風物詩”箱根駅伝”
個性豊かな10人がこの駅伝に無謀にも?挑戦する
彼らと一緒にハラハラドキドキしたり、笑ったり、悩んだり、苦しんだり
した後に何が見えるのだろうか?
青春を感じたい
「お正月といえば箱根駅伝」というぐらい、私にとっては小学生のころから気になるスポーツ?イベント?です。
昔はかっこいいお兄さんたちが走っていた箱根駅伝ですが、今や私よりもだいぶ年下のかわいい選手たちが走っている箱根駅伝になっています(笑)。
ただ、年をとっても、時代が変わっても、私にとっては飽きることなく「お正月は箱根駅伝」です。
この小説『風が強く吹いている』は、そんな箱根駅伝に、ほぼマラソン素人(潜在能力は高い?)のユニークな10人が挑戦をするストーリーです。
そもそも箱根駅伝に挑戦することから問題てんこ盛りのうえ、本選でもある箱根駅伝に出るには、記録会や予選会で結果を残さないと出場できないのですが。
果たしてユニークメンバー10人は、箱根駅伝を走ることができるのでしょうか?
おもしろいことに本を読むにつれて、走ることに無我夢中でになり、仲間とともに箱根駅伝に向かっていく彼らの姿を追いかけながら、自分もストーリーの中にいるような気分になって応援していることに気づきます。
もちろん本当の箱根駅伝はこのストーリーよりも過酷な戦いがあるのでしょうが、そんなことよりも何よりも、気づくとストーリー展開のおもしろさに夢中になっているんです。
箱根駅伝をテレビを通して見ている人、路上で応援する観客すら、あれほど熱中するのだから、実際に箱根駅伝を走っている人たちは、どれほどこの戦いに夢中になっているのだろうか?とつくづく思っていたのですが、この本を読むと、走る側の興奮、熱中、見える風景、もちろん苦しさをも、疑似ながら体験できます。
とにかく登場人物のキャラがユニークなのも、この小説の魅力のひとつ。同じ目的がなければ人生のなかで関わることもないだろうと思われるメンバーたちが、集まって同じ箱根駅伝という目標をめざすのですから、不思議でおもしろいですよね~。
初めてこの小説を読んだのはもう10年近く昔になります。それ以来2回の引っ越しをしましたが、今でもこうして手元に残っているお気に入りの本です。きっと次の引っ越しでも捨てられないだろうな~(笑)。
久しぶりに本を読んでも、色あせることなくキラキラした青春を味わえます。
以前は気づかなかったのですが、なんと本(単行本)の表紙は人気画家の山口晃さんが手がけています。
それだけでも魅力的だったんですね~。ただ、表紙をあまりじっくり見ると読む前に話のネタバレになってしまうので注意が必要です(笑)
*残念ながら、現在新刊本では山口先生が表紙を手がけた単行本は手に入らないようです。
まとめ
三浦しおんの『風が強く吹いている』を読んでいると、青春時代を取り戻した気分になります。
箱根駅伝を見る前・見た後にじっくりこの本を読むと、選手たちへの思いを感じられて何倍も楽しめますよ。
青春を取り戻したいと思ったらぜひ読んでほしい本です。