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女性の心理を知りたい男性・もう自分は若くないと嘆く女性へ 読書「ガール」の感想

タイトル:「ガール」

ガール (講談社文庫)

ガール (講談社文庫)

 

採点(お気に入り度)

40点(50点満点中)

感想

ほんとうにこの本を書いたのって「男性」なの?!というのが、第一印象です。

本は5編の短編集です。どの作品も主役は30代の女性です。そして、どの主人公の女性も、ファッションも生き方も恋愛も仕事もそれぞれだけど、女性という立場で悩むことは共通です。

私が初めてこの本を読んだのはもう6年ほど前になります。

当時は30代半ばで、現実の年齢に自分がついていけなくなった頃でした。年齢にふさわしい仕事上の立場や考え方などなど・・・。

特にファッション。

今のままではいけないと思いながらも、それまでの好きなファッションも捨てられないし。どのお店で洋服を買えばいいのかすら悩む状態でした。

そんな時に出会ったこの本。

どこかで必ず聞いたことがあるような話が繰り広げられることに、自然と話に入りこんでしまいます。

同じ年代の女子の悩みをカフェで一緒に聞いているような感覚の本なんです。「そうなんだよね~」「なんでこうなっちゃったんだろう」という女子の叫びが聞こえてきそうです。でも、最後には「うん。でもさ、一緒にがんばっていこうよ」と励ましあい、「女子でよかったよね~」と言う会話が聞こえてきます。

今でも、本棚にあるこの本は、 仕事場で不快な思いをしたり、女子であることに疲れてきた時にそっと取り出して読みます。どの作品も爽快な結末に、すっきりします。そして、少し大人になった今の私は、30代半ばの私に「どんどん、若くないことにも慣れてくるよ。そして、若くない自分もかわいく思えてくるから」と励ましてあげたかったな~と思うんです。

お気に入りフレーズ

「この男は、女房とホステスと部下しか女を知らない。そのいずれかには鷹揚に接し、守ってやるという姿勢を見せる。そして、男の庇護を求めない女に対しては、ひたすら敵対心を燃やす。」

「ヒロくん」より

時代錯誤のような感じがしますが、いますよね~こんな人。さらには、表では男女の差別などないような振りをしたりするのに、どこかしらに「女なんて」という本心がチラチラみえたりする男もいます。「結局は「女」はダメなのか」と思わせる現実社会を、つきつけられることもあります。アメリカ大統領選挙の時も、アメリカは女性大統領に「NO!」なんではと言われたこともありました。(ヒラリーだからダメなのかもしれませんが・・・)

それにしても、この言い回しが笑えます。ちっちゃい心をもつ「男」に対して「クスッ」と笑えるような気がします。この男をまじまじと想像できるセリフにも笑えます。

「ここ2、3年の間に、そういうのがバーっと起きて。オセロみたいにパタパタって、白が黒に裏返って。認めたくないけれど、もうガールじゃなくなった。それを思ったら、なんだかすっごくブルーになって」

「ガール」より

 部内の上司の後輩の女の子に対する態度と自分に対する態度が違うことに気づいた千恵が同期の友達に話す言葉。もちろん後輩ちゃんは「女の子」として可愛がられる。今までは自分がその立場だったのに。気づいたら・・・。

これも、「あったな~。こんなこと」と感じる内容。私も、ふと気づいたら「黒」にひっくり返っていた。私自身は何も変わってないのに(年齢以外は)。不思議だけど、そんなもんなんですよね~。今は、そんなふうに客観的におもえるけれど。気づいた時はショックだったな~。

おススメしたい人・おススメのシチュエーション

☑「もう若くないから」というセリフが口癖になりつつあるあなたへ。

☑仕事場でむしゃくしゃしたことがあった時に。

☑女性の気持ちがわからないと思っている男性へ。

茶箱のおススメポイント

①作者の奥田さんの女性のファッション・心理の描写。ちょっと生生しくて怖い。

誰に教わったのかしら?雑誌を見て研究?